名前はほぼ出さない文体が中心です
『思惑』
空欄は『如月』になります
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「依頼だ」
突然訪ねてきた男は、資料を無造作に放った。
「継承を、行え」
「……継承は、異能の状態を見ないと、」
「なら、同行しろ」
不穏な気配の男。
福沢の警戒心が高まる。
「それと福沢諭吉。貴様は部外者だ。
警護の任は特務課より特高課に移った」
「…なん、だと」
「軍警でもない、ただの用心棒が国家機密に関わること自体、端からおかしかったのだ。
だが、過去の『銀狼』としての働きを鑑み、今回だけは目を瞑ってやる」
「だが、」
「福沢さん、私は、大丈夫です。……ですので、」
他の道が、残されているうちに。
――――――
「お世話になり、ありがとうございました。
福地さんにも、お礼をお伝えください」
深く頭を下げる彼女。
車のドアが開かれる。
「如月、」
思わず振り返った。
「まだ、何か」
男が苛立った顔をする。
福沢は彼女だけを見ていた。
「本当に、それで構わないのだな」
護衛、継承、同行
全部含めて。
一瞬、返答に詰まる。
「……——はい」
「…そうか」
尊重すべきなのだろう。
彼女が、その道を選ぶのなら。