名前はほぼ出さない文体が中心です
『過去』
空欄は『如月』になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……あの子を、頼む」
それが最期の言葉。
その男は身を呈し、
車から子どもを守っていた。
――ああ、また…
一緒に行くことができなかったのか。
白銀の鳥は翼を広げ、
必死に子どもを守っていた。
鳥は一度大きく鳴き、主に別れを告げる。
子どもを、
残された少女を守るため。
――遺された、
最期の主の願いを繋ぐため。
還すことができなかったのは、
これが最初だった。
――数年後。
画面に流れる、非合法組織鎮圧のニュース。
瓦礫の上に立つ女性の背後で、
白銀の鳥の羽根が真っ赤に染まっていた。
“非合法組織員、全員死亡“
指先が震える。
息ができなくなった。
あれは、
――守るための力だった。
生かすための願いだった。
なのに……
この国は、
この世界は、
優しい願いほど、
容易く武器に変えてしまう。