名前はほぼ出さない文体が中心です
『依頼』
空欄は『如月』になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
いくら武術の達人の福沢と言えど、訓練を受けた軍警を何人も相手にするのは困難だ。
発砲してこないことは救いだが、再び制圧されるのは時間の問題だろう。
刀を持つことを、やめたことに後悔はない。
だが、今は守るために刀が欲しい――
――そう思った。
「そこまでです。特高課」
突然現れたスーツの男が書面を突きつける。
「大臣より通達です。
この件は今より、異能特務課預かりとなる」
「なっ……」
「元々、異能関連の案件です。
貴方がたの管轄では、ない」
「………くそっ」
省の、しかもトップからの通達。
無理を通せば軋轢が生じる。
不快感を顕に、
特高課の人間は立ち去っていった。
あっという間に収拾した事態に、福沢は軽く息をつく。
「源一郎、だな」
「福地さんが?」
「ああ」
以前、酒の席で聞いた話。
特務課に、いくつか『貸し』を作っている…と。
どうやって大臣まで動かしたのかは分からないが、この短時間にここまで状況を変えられるとは、
「…随分な『貸し』だな」
「もう一度、結び直すね」
絡まった紐は、
最初に結んだ時より、太くなっていた。
「弟さんに託すことはできなかったけど、
守りたいって願いは、叶えられるんじゃないかな」
「咲衣と、この子で」
「教師になるの、側で、応援してあげてよ」
咲衣の頬を、再び涙が伝う。
「……うん。そう、だね」
結び直す。
あの日より、ずっと、強く。