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『依頼』
空欄は『如月』になります
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「止まれ!逆らえば逮捕する」
福地の顔がよぎる。
自分との関係は、既に調べられているだろう。
特高課の事案に介入すれば、
双方、徒では済まないはずだ。
「厄介、だな」
動くに足る理由が必要だった。
「福沢さん」
今度は明瞭な声。
視線が重なる。
助けて?
――違う。
守って?
――そうじゃない。
一度、自ら遠ざけた。
それを、今度は私から繋げる言葉。
「福沢さん、貴方に『依頼』します。
どうか彼女を、咲衣を守って……っ」
「――承った」
一瞬のうちに、軍警が薙ぎ倒される。
「何をする!?警護任務は終了したのだろう」
「今しがた依頼を受けた。
ならば、用心棒として動くのは道理だ」
「なっ……」
素手の男一人に、
銃を持った軍警が倒されていく。
瞬きの間に数人――。
彼女を迎えていた軍警達を薙ぎ払う。
「往け!」
彼女は振り返ることなく走り出した。
「どいて。お願い……」
特高課の男の前に立ちはだかる如月。
咲衣の持つ刃が細かく震えている。
「咲衣……見て?」
指の先、咲衣の頭上。
白銀の翼が広がっていた。
継いだ、あの日のように――。
「解かれても、守りたいんだって。貴女を」
鳥が、濡れた頬に嘴を寄せる。
それはこの8年、いつも感じていた温かさ。
紐が風に揺れ、
ゆっくりと絡まっていった。