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『出会い』
空欄は『如月』になります
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「断ると思ったんだがなァ」
軍警の応接室で、男は愉快そうに笑った。
福地桜痴は椅子へ深く腰掛けたまま、正面を見る。
「警護は体裁。本来の意味、お前さんも分かってるのだろう?」
福沢諭吉は、湯気の薄れる湯呑みへと視線を落とす。
『監視と抑止』
それが答えだろう。
「源一郎。——お前以外からの話であれば受けていない」
「ははッ、それはすまんな」
福地は楽しげに肩を揺らす。
だが次の瞬間には、軍人の目になっていた。
「異能特務課が抱えてる“娘”」
空気が変わる。
「代々続く特異能力者の家系。
その中でも、あれは別格だ」
福地は机上へ資料を放った。
国家機密にしては、異様なほど薄い。
「情報統制か」
「違うな。記録に残せんのさ」
福地は笑わなかった。
「下手に残せば、国家の均衡が崩れかねん」
福沢は黙って資料へ目を落とす。
「異能特務課から軍警への依頼だろう。
それも源一郎、お前が任に当たってる案件だ。
何故、俺に話を持ってきた」
「…ちと、面倒事が舞い込んできて、な。
他の軍警に任せようかとも思ったが、どうにも適任者が見つからんのだ」
「――そうか」
やがて福地は低く続けた。
「……あれは、異能力そのものに関わる。
世間に漏れれば混沌を呼び寄せる力だ」
「だが、無くなれば混沌どころの話では済まない」
室内に落ちた静寂は重い。
福沢は再び資料に視線を移す。
【国家機密】
・異能力者の死後、異能の分離が起こりうること
・その姿は異能力者のみが認識できること
・分離した異能は、放置すると暴走する可能性が高まること
・分離異能に対応できる異能力者は代々その異能を保持、条件次第で譲渡も可能なこと
「異能の、分離…」
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