名前はほぼ出さない文体が中心です
『異能』
空欄は『如月』になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「自分に異能があるとは思っていませんでした。異能力者の存在も知らなかった」
それは仕方の無いことだ。
公にはされていない存在なのだから。
「14の時、目の前で猫が車に轢かれたんです。
私はただ……その子を助けたかった」
声が微かに震えている。
「私は異能を発動し、猫の死を『生』に書き換えてしまったんです」
命を救いたいという気持ちは、否定されるものでは無いだろう。
それも14の子供だ。目の前の悲劇をどうにかしたいと思っても不思議じゃない。
「その子が、腕の中で息を吹き返した時、何人もの悲鳴がしました。
――猫を避けた車が、バス停に突っ込んだんです」
「―――っ…」
『因果関係』は断ち切れない。
猫が生き延びた。
つまり、車に轢かれなかった。
そして、猫を避けた車は……
「車を運転していた方、バスを待っていた方…
5人が亡くなり、大勢の方が怪我をしたそうです」
歯を食いしばり、拳を握る彼女。
「その時はよく分かりませんでした。
その後、特務課が両親の家系を調べ、過去の記録と親類の手記から異能だと判明したんです」
「そうか……」
彼女の異能が、過去の記録や親類のものと同じとは限らない。
だが、死を書き換えられるという事実。
それは確かなのだろう。
そして、書き換えた先に起こった事故。
「あの時、私がしたことは『間違って』いたの……?」