名前はほぼ出さない文体が中心です
『出会い』
空欄は『如月』になります
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特務課の人間は何度も訪れた。
宥めるように話す者。
高圧的な者。
困り顔で懇願する者。
彼女の答えは変わらなかった。
「入省を説得していただけませんかね…」
依頼主が訪れ、福沢に言った。
「このままでは、貴方もお困りでしょう」
「俺は構わん。依頼料も十二分にいただいている」
「ですが、危険もありますし…」
「この一週間、危機的状況は一度もなかった」
「そ、れは…何よりですが……」
男が席を外した。
やはり、歯切れが悪い。
廊下の端で、
親類を名乗る男と特務課の人間が話していた。
『期限』『報酬』『異能』
言葉の端々から伝わる卑しさ。
彼女の身を案じ特務課に預けたい。
そんな気配は終ぞ感じられなかった。
「福沢さん」
珍しく声が掛かる。
「もうお分かりかと思いますが、私に護衛は必要ありません」
「…そのようだな」
「ですので、福沢さんより切り上げを打診していただけないでしょうか?」
「私では聞き入れてもらえないので…」
「……依頼料を前金で貰っている。一月分程だ。それを期間とし、延長は受けない。」
「それで、構わないだろうか」
「――はい。大丈夫です」
少し安心したような顔。
それは、依頼の期限が定まったからなのか、
それとも違う意味を含むのだろうか…