中学入学前
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小学校生活も残り一年となった頃。夕飯を食べながら、父親は双子に訊ねた。
「駆と楓は中学受験するのか?」
「うん!兄ちゃんと同じ鎌学に行きたい!」
それに真っ先に返事を返したのは弟の駆だった。自分の尊敬する兄─傑が通う鎌倉学館に行きたいと、兄が入学してからずっと言っていた。予想通りの返答に、父も兄も笑う。
「楓は?」
「私は…」
楓は少しだけ、言い淀んだ。駆同様、尊敬する兄と同じ学校に行きたい気持ちはある。鎌倉学館と言えば中等部から高等部までエスカレーター式で、学校の実績も悪くは無い。それでも、サッカーをやっている楓にとっては物足りないものがある。それは女子サッカー部の有無だ。いくら男子のサッカー部が、中高ともに強豪とはいえ、女子のサッカー部はない。マネージャーとして兄弟を支えるのもいいが、やはり選手としてサッカー部に入りたいのだ。
「私は、東京の帝光中学に行きたい」
「!」
「帝光…?」
帝光中学は、運動部が盛んな事で有名である。その中でも特に男子バスケ部が強いのだが、楓が行きたい理由は他でもない、女子サッカー部の存在だった。まだまだマイナーな女子サッカー部の中でも、日本屈指の強さを誇るのが帝光中である。ジュニアユースの日本代表として、何度も世界大会に出場している楓は、帝光中からも勿論声がかかっている。入学するとしたら、スポーツ推薦になるのだが、なでしこジャパンを目指す楓にとってはなんの問題もない。
「私は、強いチームで自分の力を高めたいの」
「楓…」
真剣な眼差しの楓に、父も兄も反対することは出来たかった。なにより、ここまで楓が将来 を見据えていることに感服したのだ。
「推薦で入るからには、絶対に上を目指せよ」
「もちろん」
兄の後押しもあり、楓は推薦で無事に入学を決めた。駆も勉強をしっかりとして、鎌学入学を決めたのだった。
「駆と楓は中学受験するのか?」
「うん!兄ちゃんと同じ鎌学に行きたい!」
それに真っ先に返事を返したのは弟の駆だった。自分の尊敬する兄─傑が通う鎌倉学館に行きたいと、兄が入学してからずっと言っていた。予想通りの返答に、父も兄も笑う。
「楓は?」
「私は…」
楓は少しだけ、言い淀んだ。駆同様、尊敬する兄と同じ学校に行きたい気持ちはある。鎌倉学館と言えば中等部から高等部までエスカレーター式で、学校の実績も悪くは無い。それでも、サッカーをやっている楓にとっては物足りないものがある。それは女子サッカー部の有無だ。いくら男子のサッカー部が、中高ともに強豪とはいえ、女子のサッカー部はない。マネージャーとして兄弟を支えるのもいいが、やはり選手としてサッカー部に入りたいのだ。
「私は、東京の帝光中学に行きたい」
「!」
「帝光…?」
帝光中学は、運動部が盛んな事で有名である。その中でも特に男子バスケ部が強いのだが、楓が行きたい理由は他でもない、女子サッカー部の存在だった。まだまだマイナーな女子サッカー部の中でも、日本屈指の強さを誇るのが帝光中である。ジュニアユースの日本代表として、何度も世界大会に出場している楓は、帝光中からも勿論声がかかっている。入学するとしたら、スポーツ推薦になるのだが、なでしこジャパンを目指す楓にとってはなんの問題もない。
「私は、強いチームで自分の力を高めたいの」
「楓…」
真剣な眼差しの楓に、父も兄も反対することは出来たかった。なにより、ここまで楓が
「推薦で入るからには、絶対に上を目指せよ」
「もちろん」
兄の後押しもあり、楓は推薦で無事に入学を決めた。駆も勉強をしっかりとして、鎌学入学を決めたのだった。
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