赤に呼ばれて
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世界の崩壊の危機から救って数年の月日が過ぎた。仲間たちはそれぞれの道を歩みだし、自分の信じる未来のための一歩を進んでいる。ネオ童実野シティに残った遊星と別れ、遊夏は各地を転々と旅していた。旅の目的は、孤児として育った経験から、子供たちを幸せにしたいという願いを込めて、各地でボランティアをしている。孤児院への寄付はもちろん、未来への希望を持たせるために様々なイベントを開催する。その中には、デュエルの子供教室なるものもあり、デュエルの楽しさを広めている。
ある日、久しぶりにネオ童実野シティへと戻ってきた遊夏は、兄の元へと向かった。
「兄さん!」
「遊夏か、おかえり」
「、ただいま!」
優しい顔で遊夏を出迎える遊星に、顔が綻ぶ。久しぶりに会った遊星は、仕事で疲れているのか、少し窶れているような気がする。遊夏は再会を喜ぶのもそこそこに、兄に休むように促そうとした、その時だった。
「…遊夏、目が」
「兄さんこそ、なんで痣が…!?」
戦いが終わり、消えたはずの痣が再び蘇る。それに伴い、遊夏の目が赤に染まった。赤き竜が呼んでいるのだ。何かを直感した兄妹は、各々のDホイールに跨り、外へと飛び出した。
「今更なぜ…」
「何か、嫌な予感がする…」
シティ全体を見渡せる場所まで来ると、かつての仲間たちが揃っていた。異常を感じたのは皆同じだったのだ。やはり皆、痣が浮かび上がっている。全員が揃うのを待っていたかのように、どこからか声が降ってきた。
【再び過去が崩壊しようとしている…今こそ特異の力を示す時】
「なんだ!?」
「誰だ貴様は!!答えろ!!」
【時を越えて救うは戦乙女】
「何言って…」
意味深な言葉を残し、より一層強く痣が反応する。そして赤き竜が現れたかと思うと、遊夏を囲うように動く。
『たすけて』
「!」
惚けていた遊夏の耳に、か細い声が聞こえた。周りの様子を見るに、自分しか聞こえていないみたいだ。
「私、過去に行かなきゃ」
「遊夏!?危険よ!?」
「でも、誰かに呼ばれている気がして…」
過去に行く事を決意した遊夏に、アキは心配する声を上げるが、一度言い出したら頑なに譲らないことを思い出して、折れた。遊星は、少し考えてから、自分のデッキから一枚のカードを取り出した。
「これを預ける」
「兄さん?」
「頑張れよ」
「なっ…!遊星、止めなくていいのかよ!!」
「遊夏は一度言ったら折れないからな、それに大丈夫だ」
「でも…」
「クドいぞ、クロウ。キングであるこの俺が認めた決闘者 だ。何も心配はいらん」
遊星とジャックは、特に心配する素振りを見せず、遊夏を送り出す。不満に感じたクロウが突っかかるも、ジャックに力説されてしまい、黙って見送るしかなくなった。チラッと遊星に視線を送ると、拳を握りしめていた。そこでようやくクロウは気づく。心配しているのは、皆同じなんだ。でも“選ばれた”からには行くしかないのだと。だから遊星は自分のカードを託したのだと。
赤き竜を纏いながら、遊夏はDホイールに跨る。そして仲間たちを振り返ると、笑顔で口を開いた。
「行ってきます」
例え過去と未来…時空が、時間がどれだけ離れていようとも、強い絆で結ばれている限り、ひとりじゃないのだから。そんな思いを胸に、Dホイールのスピードを上げた。
ある日、久しぶりにネオ童実野シティへと戻ってきた遊夏は、兄の元へと向かった。
「兄さん!」
「遊夏か、おかえり」
「、ただいま!」
優しい顔で遊夏を出迎える遊星に、顔が綻ぶ。久しぶりに会った遊星は、仕事で疲れているのか、少し窶れているような気がする。遊夏は再会を喜ぶのもそこそこに、兄に休むように促そうとした、その時だった。
「…遊夏、目が」
「兄さんこそ、なんで痣が…!?」
戦いが終わり、消えたはずの痣が再び蘇る。それに伴い、遊夏の目が赤に染まった。赤き竜が呼んでいるのだ。何かを直感した兄妹は、各々のDホイールに跨り、外へと飛び出した。
「今更なぜ…」
「何か、嫌な予感がする…」
シティ全体を見渡せる場所まで来ると、かつての仲間たちが揃っていた。異常を感じたのは皆同じだったのだ。やはり皆、痣が浮かび上がっている。全員が揃うのを待っていたかのように、どこからか声が降ってきた。
【再び過去が崩壊しようとしている…今こそ特異の力を示す時】
「なんだ!?」
「誰だ貴様は!!答えろ!!」
【時を越えて救うは戦乙女】
「何言って…」
意味深な言葉を残し、より一層強く痣が反応する。そして赤き竜が現れたかと思うと、遊夏を囲うように動く。
『たすけて』
「!」
惚けていた遊夏の耳に、か細い声が聞こえた。周りの様子を見るに、自分しか聞こえていないみたいだ。
「私、過去に行かなきゃ」
「遊夏!?危険よ!?」
「でも、誰かに呼ばれている気がして…」
過去に行く事を決意した遊夏に、アキは心配する声を上げるが、一度言い出したら頑なに譲らないことを思い出して、折れた。遊星は、少し考えてから、自分のデッキから一枚のカードを取り出した。
「これを預ける」
「兄さん?」
「頑張れよ」
「なっ…!遊星、止めなくていいのかよ!!」
「遊夏は一度言ったら折れないからな、それに大丈夫だ」
「でも…」
「クドいぞ、クロウ。キングであるこの俺が認めた
遊星とジャックは、特に心配する素振りを見せず、遊夏を送り出す。不満に感じたクロウが突っかかるも、ジャックに力説されてしまい、黙って見送るしかなくなった。チラッと遊星に視線を送ると、拳を握りしめていた。そこでようやくクロウは気づく。心配しているのは、皆同じなんだ。でも“選ばれた”からには行くしかないのだと。だから遊星は自分のカードを託したのだと。
赤き竜を纏いながら、遊夏はDホイールに跨る。そして仲間たちを振り返ると、笑顔で口を開いた。
「行ってきます」
例え過去と未来…時空が、時間がどれだけ離れていようとも、強い絆で結ばれている限り、ひとりじゃないのだから。そんな思いを胸に、Dホイールのスピードを上げた。
