鶴崎×松尾×片山
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朝。
七時。
微かに聞こえる目覚ましのベルで目を覚ます。これは隣の部屋の紗希の目覚まし。ドタドタと朝から騒がしい。
七時半。
次は騒がしく鳴る目覚まし。私の枕元に転がる目覚ましを叩いて消す。別にこんな朝早くに起きる必要はないのだけれども。二度寝の為の大事な時間。
七時五十分
「にこちゃん、お弁当ありがとう!」いつもの大きな声が家に響き渡る。これが私の起きる合図。
階段を降りてリビングへと向かえば、制服に身を包んだ紗希がマフラーを巻いていた。
「さくちゃん!おはよ!」
相変わらず朝から声が大きいこと。
「おはょ」
「今日は部活ないから早めに帰るね」
「じゃあ、夜ご飯は一緒に作る?」
「…うん!」
「了解〜行ってらっしゃい」
「行ってきます!」
今日は紗希ちゃんと仁香ちゃんが夜ご飯を一緒に作るそうです。いいな。私、今日昼間からバイトなんだよな。フリーターの悪いところ。夜ご飯を一緒に食べられない。
「いいなぁ、夜ご飯」
「今日夕方からの日?」
「左様です、むしろ昼間からの日」
「あらま。次の休みは?」
「土曜日。さきちゃん部活でしょどうせ」
「その日、休みに丸ついてるけど」
「……!!!」
「何食べたいかだけ決めておいてね」
「りょーかーい」
紗希ちゃんが居なくなった家は静か。多分私たちの会話よりテレビから流れる音の方が大きい気がしなくもない。
「最近シフト増やした?」
「うん、どうして?」
「前より一緒にいる時間減ったなぁって」
平日のふたりきりの朝ごはん。半熟目玉焼きとウインナーと白ご飯。あとはその日によってバラバラなフルーツ。今日は柿。シャクシャクしてる。美味しい。
「どうしてもさきちゃんに買いたいものがあるからさ」
「クリスマスプレゼント?」
「誕生日プレゼント」
「あー、そっち」
そっちってなんですか、鶴崎さん。クリスマスと紗希ちゃんの誕生日は一日しか違わないから、プレゼントは毎年ふたつ。でも、クリスマスは三人お揃いのもの。誕生日は特別にしてあげたいから。
「今年は何渡すの?」
「似合うネックレス見つけちゃったんだけど、ちょっと高い」
「なるほどね」
フリーターでいくつかバイトを掛け持ちしてる私とは違って、仁香ちゃんは在宅でお仕事。時々出社で、スーツを着てる仁香ちゃんはかっこよくて好き。ずっと真面目なところが好き。
でも、毎日エプロンをしてキッチンに立つ仁香ちゃんはもっと好き。なんだか、奥さんって感じがするから。もはや俺の嫁。
「そろそろ会議だから、お昼は勝手に食べてていいよ」
「うん」
そんなこと言われても、お昼は一緒に食べたいから、お昼ご飯作るのは私の役目。
でも、まだお昼には少し時間があるから。踊るか、散歩をするか、寝るか。よし、寝よう。
リビングの陽当たりの良い場所。ブランケットを軽くかけて目を瞑る。この時間のおひさまは、ぽかぽかしてて気持ちがいい。よく、猫みたいと言われるのは、こういうことなんだろうな。
「通知、うるさ、」
お昼。グループラインには、紗希ちゃんから数枚の写真。登校中、学校の友達と、お弁当、ジャージ。体育か。だから今日はポニーテールしてたのか。なるほど。
「おひるつくろー」
確か、賞味期限が切れそうなパンと牛乳と卵があった気がするんだ。
あった。
フレンチトーストでも作ろう。まだ仁香ちゃん会議終わらなさそうな雰囲気あるし。
卵液を作って、パンを浸して少し置く。バイトに行くために、先に着替えておく。あー、夜ご飯一緒に食べたかったー。なんで今日シフト入れるなんて言っちゃったんだろう。先週の自分を恨む。
そろそろいいかなと、フライパンにバターを一欠片。じゅーっと子気味良い音。
「ん〜長かった〜」
「おつかれにこちゃん」
「ありがとう」
「そろそろお昼出来るよ」
「待っててくれたの?」
「うん」
「ありがとうね」
「いえいえ」
インスタントのコーヒーを淹れて、ダイニングには二枚のプレート。
「「いただきます」」
「ん〜、にこぼーの」
「んふふ、ありがとう」
「美味しいこれ」
「賞味期限切れそうだったから使っちゃったけど良かった?」
「むしろ使ってくれて感謝」
綺麗に食べる仁香ちゃんはいくら見ても飽きない。
「「ご馳走様でした」」
「お皿洗っておくよ」
「いやいいよ、さくらが洗う」
「お言葉に甘えて」
「ん」
お皿を洗って、時計を見ればバイトに行かないといけない時間に。
「いってくるね」
「行ってらっしゃい」
「行きたくないよ〜」
「でも、さきちゃんのためなんでしょ?」
「はぃぃ」
ゴネてもなにも変わりませんから。玄関が閉まるまでずっと手を振ってくれる仁香ちゃんに手を振り返す。日付が変わるちょっと前までだけど。週末の楽しみのために頑張りますか。
「ただいまぁ」
「お!か!え!り!」
「おかえりなさい」
「さくらちゃん、夜ご飯食べる?」
「たべる」
「あっためてくるね〜」
部屋着の紗希ちゃんって世界一可愛いと思う。この世の女の子の可愛いところ全部詰め込みましたみたいな、女の子のバラエティーパック片山紗希。
お風呂上がりなのか、メイクを落とした紗希ちゃんは、いつもより幼くて可愛い。
「いただきます」
「おいしい?」
「うん、おいしい」
「嬉しい!」
やっぱり声が大きい。深夜に出していい音量ではない気がする。
ご飯を食べ終わったあとはお風呂。少し長風呂したはずなのに、いまだリビングにいるふたり。寝ないのかな。
「さくちゃん、アイス食べる?」
「たべる」
そこまで狭くないはずのソファにぎゅっと三人。紗希ちゃんが学校であったことを話してくれる。
「来月の学校解放の日来てね」
「絶対バイト休みます」
「新しい服買おうかなぁ」
紗希ちゃん中心に回るこの家は、やっぱり騒がしくないとね。
「そろそろ寝るよ〜」
「はーい」
「おやすみー」
七時。
微かに聞こえる目覚ましのベルで目を覚ます。これは隣の部屋の紗希の目覚まし。ドタドタと朝から騒がしい。
七時半。
次は騒がしく鳴る目覚まし。私の枕元に転がる目覚ましを叩いて消す。別にこんな朝早くに起きる必要はないのだけれども。二度寝の為の大事な時間。
七時五十分
「にこちゃん、お弁当ありがとう!」いつもの大きな声が家に響き渡る。これが私の起きる合図。
階段を降りてリビングへと向かえば、制服に身を包んだ紗希がマフラーを巻いていた。
「さくちゃん!おはよ!」
相変わらず朝から声が大きいこと。
「おはょ」
「今日は部活ないから早めに帰るね」
「じゃあ、夜ご飯は一緒に作る?」
「…うん!」
「了解〜行ってらっしゃい」
「行ってきます!」
今日は紗希ちゃんと仁香ちゃんが夜ご飯を一緒に作るそうです。いいな。私、今日昼間からバイトなんだよな。フリーターの悪いところ。夜ご飯を一緒に食べられない。
「いいなぁ、夜ご飯」
「今日夕方からの日?」
「左様です、むしろ昼間からの日」
「あらま。次の休みは?」
「土曜日。さきちゃん部活でしょどうせ」
「その日、休みに丸ついてるけど」
「……!!!」
「何食べたいかだけ決めておいてね」
「りょーかーい」
紗希ちゃんが居なくなった家は静か。多分私たちの会話よりテレビから流れる音の方が大きい気がしなくもない。
「最近シフト増やした?」
「うん、どうして?」
「前より一緒にいる時間減ったなぁって」
平日のふたりきりの朝ごはん。半熟目玉焼きとウインナーと白ご飯。あとはその日によってバラバラなフルーツ。今日は柿。シャクシャクしてる。美味しい。
「どうしてもさきちゃんに買いたいものがあるからさ」
「クリスマスプレゼント?」
「誕生日プレゼント」
「あー、そっち」
そっちってなんですか、鶴崎さん。クリスマスと紗希ちゃんの誕生日は一日しか違わないから、プレゼントは毎年ふたつ。でも、クリスマスは三人お揃いのもの。誕生日は特別にしてあげたいから。
「今年は何渡すの?」
「似合うネックレス見つけちゃったんだけど、ちょっと高い」
「なるほどね」
フリーターでいくつかバイトを掛け持ちしてる私とは違って、仁香ちゃんは在宅でお仕事。時々出社で、スーツを着てる仁香ちゃんはかっこよくて好き。ずっと真面目なところが好き。
でも、毎日エプロンをしてキッチンに立つ仁香ちゃんはもっと好き。なんだか、奥さんって感じがするから。もはや俺の嫁。
「そろそろ会議だから、お昼は勝手に食べてていいよ」
「うん」
そんなこと言われても、お昼は一緒に食べたいから、お昼ご飯作るのは私の役目。
でも、まだお昼には少し時間があるから。踊るか、散歩をするか、寝るか。よし、寝よう。
リビングの陽当たりの良い場所。ブランケットを軽くかけて目を瞑る。この時間のおひさまは、ぽかぽかしてて気持ちがいい。よく、猫みたいと言われるのは、こういうことなんだろうな。
「通知、うるさ、」
お昼。グループラインには、紗希ちゃんから数枚の写真。登校中、学校の友達と、お弁当、ジャージ。体育か。だから今日はポニーテールしてたのか。なるほど。
「おひるつくろー」
確か、賞味期限が切れそうなパンと牛乳と卵があった気がするんだ。
あった。
フレンチトーストでも作ろう。まだ仁香ちゃん会議終わらなさそうな雰囲気あるし。
卵液を作って、パンを浸して少し置く。バイトに行くために、先に着替えておく。あー、夜ご飯一緒に食べたかったー。なんで今日シフト入れるなんて言っちゃったんだろう。先週の自分を恨む。
そろそろいいかなと、フライパンにバターを一欠片。じゅーっと子気味良い音。
「ん〜長かった〜」
「おつかれにこちゃん」
「ありがとう」
「そろそろお昼出来るよ」
「待っててくれたの?」
「うん」
「ありがとうね」
「いえいえ」
インスタントのコーヒーを淹れて、ダイニングには二枚のプレート。
「「いただきます」」
「ん〜、にこぼーの」
「んふふ、ありがとう」
「美味しいこれ」
「賞味期限切れそうだったから使っちゃったけど良かった?」
「むしろ使ってくれて感謝」
綺麗に食べる仁香ちゃんはいくら見ても飽きない。
「「ご馳走様でした」」
「お皿洗っておくよ」
「いやいいよ、さくらが洗う」
「お言葉に甘えて」
「ん」
お皿を洗って、時計を見ればバイトに行かないといけない時間に。
「いってくるね」
「行ってらっしゃい」
「行きたくないよ〜」
「でも、さきちゃんのためなんでしょ?」
「はぃぃ」
ゴネてもなにも変わりませんから。玄関が閉まるまでずっと手を振ってくれる仁香ちゃんに手を振り返す。日付が変わるちょっと前までだけど。週末の楽しみのために頑張りますか。
「ただいまぁ」
「お!か!え!り!」
「おかえりなさい」
「さくらちゃん、夜ご飯食べる?」
「たべる」
「あっためてくるね〜」
部屋着の紗希ちゃんって世界一可愛いと思う。この世の女の子の可愛いところ全部詰め込みましたみたいな、女の子のバラエティーパック片山紗希。
お風呂上がりなのか、メイクを落とした紗希ちゃんは、いつもより幼くて可愛い。
「いただきます」
「おいしい?」
「うん、おいしい」
「嬉しい!」
やっぱり声が大きい。深夜に出していい音量ではない気がする。
ご飯を食べ終わったあとはお風呂。少し長風呂したはずなのに、いまだリビングにいるふたり。寝ないのかな。
「さくちゃん、アイス食べる?」
「たべる」
そこまで狭くないはずのソファにぎゅっと三人。紗希ちゃんが学校であったことを話してくれる。
「来月の学校解放の日来てね」
「絶対バイト休みます」
「新しい服買おうかなぁ」
紗希ちゃん中心に回るこの家は、やっぱり騒がしくないとね。
「そろそろ寝るよ〜」
「はーい」
「おやすみー」
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