佐藤×高井
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寄せては返す波打ち際。季節的には夏本番が始まる前。半袖でも暑いと感じるけど、まだ海は冷たい。そのまま沈んでしまえばどんなに楽かと、足先だけを水に遊ばせる。
ベッドを抜け出して、身じろぐゆうさんが起きないことを確認して家を出る。まだ太陽が顔をだす前で、朝は早くて、漁に行く船が遠い。商店街を歩いてもまだ人気は少なくて、みんな準備に忙しそう。
「りかちゃん朝早いね、今日はひとりかい?」
「うん、ちょっと寝れなくてお散歩中」
「そうかい、気を付けてね」
「ありがとう、おばちゃん」
まだ生きていたらおばちゃんのパンまた食べたいなぁなんて思いながら海に歩を進める。
潮の匂いがむねをきゅっと締め付ける。
まだゆうさんとやりたいことも、行きたいところもたくさんある。もういっこだけ伝えたいこともある。
でもね、それを伝えたら戻れないから。
だから、伝えない。
伝えられない。
そんな資格、俐香にはない。
サンダルを脱いで、一歩、またいっぽと進む。
膝まで浸かるくらい。まだ夏じゃないから、さすがに朝の海は冷たい。
時折高く波打つのに、そのまま攫われてしまえばどれだけ楽かと。
はやくおなじになりたい。
「たかい」
聞きたいのに聞きたくないその声。
起きたばっかりなのかな、ちょっと掠れていつもよりも低い声。髪もぼさぼさでここまで走ってたんだろうなってのがわかる。
そんな頑張って探さなくても良かったんだよ。
でもね、
「ゆうさんおはよー」
って。
「ばか」
そう返されて、スニーカーのまま海に入ってこようとするから、波打ち際に戻る。冷たくていいのは私だけでいいから。
「ばかじゃないもん」
「ほら、帰るよ」
と繋がれた手。当たり前に帰る家があって、ただいまとおかえりを言って聞いてくれる人がいて。
「朝ごはん何食べる?」
と聞いてみる。
「パン買いに行こうよ」
と返される。
「いいね」
ちょうどパンを食べたかったんだ。おばちゃんところの。
「おばちゃんにも会いたいし」
別に親戚とかでは無い。こっちに引っ越してきてからのお知り合い。
「なんで?」
と率直に聞いてみる。
「たかいがどこいったか教えてもらったから」
あの時喋ってなかったら、私はもういなかったのかなぁ、
「そっかぁ」
だから。最後は何も言わないでおくね。
ベッドを抜け出して、身じろぐゆうさんが起きないことを確認して家を出る。まだ太陽が顔をだす前で、朝は早くて、漁に行く船が遠い。商店街を歩いてもまだ人気は少なくて、みんな準備に忙しそう。
「りかちゃん朝早いね、今日はひとりかい?」
「うん、ちょっと寝れなくてお散歩中」
「そうかい、気を付けてね」
「ありがとう、おばちゃん」
まだ生きていたらおばちゃんのパンまた食べたいなぁなんて思いながら海に歩を進める。
潮の匂いがむねをきゅっと締め付ける。
まだゆうさんとやりたいことも、行きたいところもたくさんある。もういっこだけ伝えたいこともある。
でもね、それを伝えたら戻れないから。
だから、伝えない。
伝えられない。
そんな資格、俐香にはない。
サンダルを脱いで、一歩、またいっぽと進む。
膝まで浸かるくらい。まだ夏じゃないから、さすがに朝の海は冷たい。
時折高く波打つのに、そのまま攫われてしまえばどれだけ楽かと。
はやくおなじになりたい。
「たかい」
聞きたいのに聞きたくないその声。
起きたばっかりなのかな、ちょっと掠れていつもよりも低い声。髪もぼさぼさでここまで走ってたんだろうなってのがわかる。
そんな頑張って探さなくても良かったんだよ。
でもね、
「ゆうさんおはよー」
って。
「ばか」
そう返されて、スニーカーのまま海に入ってこようとするから、波打ち際に戻る。冷たくていいのは私だけでいいから。
「ばかじゃないもん」
「ほら、帰るよ」
と繋がれた手。当たり前に帰る家があって、ただいまとおかえりを言って聞いてくれる人がいて。
「朝ごはん何食べる?」
と聞いてみる。
「パン買いに行こうよ」
と返される。
「いいね」
ちょうどパンを食べたかったんだ。おばちゃんところの。
「おばちゃんにも会いたいし」
別に親戚とかでは無い。こっちに引っ越してきてからのお知り合い。
「なんで?」
と率直に聞いてみる。
「たかいがどこいったか教えてもらったから」
あの時喋ってなかったら、私はもういなかったのかなぁ、
「そっかぁ」
だから。最後は何も言わないでおくね。
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