佐藤×高井
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さとう。
たかい。
出席番号は5個違い。だから、席はお隣さんで。
お肌が真っ白で、すぐにでも消えちゃいそうなくらい、儚くて。
最初は仲良くなってみたいなって。それだけ。
他の子にはにこにこしてるのに、私が話しかけたらちょっと怪訝な顔をするのも、なんだか特別で嬉しかった。
嫌われているわけではないみたいで。
「たかい」
って、苗字で呼ばれるのは私だけの特権。みんな「りかちゃん」って呼ぶのに、優羽さんは決まって「たかい」。「高井」じゃなくて「たかい」。ちょっと舌っ足らずでふにゃふにゃしてて。そんな所も可愛くて。
「ゆうさん」
「んー?」
「なんでもない」
「むぅ」
なんて頬をぷくって膨らませるのも可愛くて大好き。めんどくさい私と一緒にいてくれて、
なんで一緒にいてくれるんだろうって。
優羽さんは友達が少ないわけじゃない。でも、最後は私のところに来てくれる。「たかい、帰ろ」は飽きるくらい聞いた。他の誰かと喋っていたって、最後は私のところに来てくれる。
けど、そんな日常も終わってしまった。
「天使になれたらどれだけ自由になれるんだろう。苦しまなくてもいいのかな」
なんて、放課後、帰り道でぽつり呟いていて。どうして?なんて聞けなかった、聞きたくなかった。
だって、聞いちゃったら終わってしまう気がしたから。この関係性が。親友とも言えないけど、仲のいいポジションを失いたくなかった。
『今日休む』
と、通学中の電車で連絡が来た日から、週に1日から2日になって、ついには学校に来なくなった。
お節介なのは分かってるけど。
『体育の50mで転んだ、』
『博物館に新しい石あった』
『みて、はーふついんした』
なんて、どうでもいいことばかりを送っていた。最初は既読か可愛いスタンプで。徐々に既読すらつかなくなって。
本当に天使に、いなくなってたらどうしようって、不安になって。
お寿司食べよう?なんてただ会うための口実。
さすがに何も無く突撃訪問!、は無しかなぁって思って電話をかけてみる。5コール出なかったら、今日会うのはやめようって。
いち、にー、さん、しー、ご。
あ、
『もしもし、』
「んぁ?ゆーさん?ねてた?」
『ううん、おきてた』
「よし、お家入れて」
『え?』
「いま、お家の前です」
『わかった』
びっくりされるのは、それはそう。
でも、生きてた。それだけ分かればよかった。
出来るだけ笑顔で、出来るだけこの不安が伝わらないように。
「お寿司食べれる?」
「たべる」
「みて」
と、手提げで持ってきた寿司を持ち上げてなんてみたりして。
ちょっと小さく見える優羽さんの頭を撫でてみたりもする。
「えらいえらいだよ」
「ゆうさんの制服、そろそろ埃被っちゃうんじゃない?」
「別にいいよ」
「動けそうな日教えてね、学校休むから」
「なんで」
「どっかさ、遠くに行かない?海とか、水族館とか、、博物館とか?」
なんて、久しぶりにお出かけなんてどうかなーって。
そう思ってたのに、
「あの、さ。」
「ん?」
「たかいはどうして私のこと、そんなにかんがえてくれるの?」
痛いとこをつかれた、そんな感覚。頑張って抑えてた気持ちと言葉が出てしまわないように、必死にしてたら、目が泳いで、何も言えなくなって。
ゆうさんは覚えてるのかな。あまり会えなくなる直前に天使になりたいって言ってたこと。
天使にと言っても、かわいくなりたい、とか。そういうのではなくて。どこか遠くに行ってしまいそうだったから。
思い出しただけで、泣きたくないのに涙が出てくる。こぼれ落ちないように必死に目を大きくしちゃって。
少しでも優羽さんに楽しいって、まだ生きていたいって、そう思ってもらえるようにしたかっただけ。
だけ。
少しでも楽しいって思えることをする時に、隣に俐香がいられたらいいなって。それだけ。
それだけ。
優羽さんの方が苦しいはずだから、泣き顔なんて見せたら。
今日来るの間違いだったかなぁなんて帰ろうと、玄関に足を運ぶ。
「まっ、て」
「なぁに?」
「ちがうの」
「ちがう?」
何が違うの?
「ずっとたかいのことばっか考えちゃって、でもそれを伝えたら嫌われちゃうかなって思って、」
何を言って、
「でも、天使になったらたかいはゆうのこと見てくれるかなって、ゆうのことだけ考えてくれるかなって、」
「たかいのことすきだから」
なんで、
「ばかだね、ゆうさん」
それしか言えなくて。
両想いじゃん、私たち。
ならさ、
「まだ、天使にならないでね」
たかい。
出席番号は5個違い。だから、席はお隣さんで。
お肌が真っ白で、すぐにでも消えちゃいそうなくらい、儚くて。
最初は仲良くなってみたいなって。それだけ。
他の子にはにこにこしてるのに、私が話しかけたらちょっと怪訝な顔をするのも、なんだか特別で嬉しかった。
嫌われているわけではないみたいで。
「たかい」
って、苗字で呼ばれるのは私だけの特権。みんな「りかちゃん」って呼ぶのに、優羽さんは決まって「たかい」。「高井」じゃなくて「たかい」。ちょっと舌っ足らずでふにゃふにゃしてて。そんな所も可愛くて。
「ゆうさん」
「んー?」
「なんでもない」
「むぅ」
なんて頬をぷくって膨らませるのも可愛くて大好き。めんどくさい私と一緒にいてくれて、
なんで一緒にいてくれるんだろうって。
優羽さんは友達が少ないわけじゃない。でも、最後は私のところに来てくれる。「たかい、帰ろ」は飽きるくらい聞いた。他の誰かと喋っていたって、最後は私のところに来てくれる。
けど、そんな日常も終わってしまった。
「天使になれたらどれだけ自由になれるんだろう。苦しまなくてもいいのかな」
なんて、放課後、帰り道でぽつり呟いていて。どうして?なんて聞けなかった、聞きたくなかった。
だって、聞いちゃったら終わってしまう気がしたから。この関係性が。親友とも言えないけど、仲のいいポジションを失いたくなかった。
『今日休む』
と、通学中の電車で連絡が来た日から、週に1日から2日になって、ついには学校に来なくなった。
お節介なのは分かってるけど。
『体育の50mで転んだ、』
『博物館に新しい石あった』
『みて、はーふついんした』
なんて、どうでもいいことばかりを送っていた。最初は既読か可愛いスタンプで。徐々に既読すらつかなくなって。
本当に天使に、いなくなってたらどうしようって、不安になって。
お寿司食べよう?なんてただ会うための口実。
さすがに何も無く突撃訪問!、は無しかなぁって思って電話をかけてみる。5コール出なかったら、今日会うのはやめようって。
いち、にー、さん、しー、ご。
あ、
『もしもし、』
「んぁ?ゆーさん?ねてた?」
『ううん、おきてた』
「よし、お家入れて」
『え?』
「いま、お家の前です」
『わかった』
びっくりされるのは、それはそう。
でも、生きてた。それだけ分かればよかった。
出来るだけ笑顔で、出来るだけこの不安が伝わらないように。
「お寿司食べれる?」
「たべる」
「みて」
と、手提げで持ってきた寿司を持ち上げてなんてみたりして。
ちょっと小さく見える優羽さんの頭を撫でてみたりもする。
「えらいえらいだよ」
「ゆうさんの制服、そろそろ埃被っちゃうんじゃない?」
「別にいいよ」
「動けそうな日教えてね、学校休むから」
「なんで」
「どっかさ、遠くに行かない?海とか、水族館とか、、博物館とか?」
なんて、久しぶりにお出かけなんてどうかなーって。
そう思ってたのに、
「あの、さ。」
「ん?」
「たかいはどうして私のこと、そんなにかんがえてくれるの?」
痛いとこをつかれた、そんな感覚。頑張って抑えてた気持ちと言葉が出てしまわないように、必死にしてたら、目が泳いで、何も言えなくなって。
ゆうさんは覚えてるのかな。あまり会えなくなる直前に天使になりたいって言ってたこと。
天使にと言っても、かわいくなりたい、とか。そういうのではなくて。どこか遠くに行ってしまいそうだったから。
思い出しただけで、泣きたくないのに涙が出てくる。こぼれ落ちないように必死に目を大きくしちゃって。
少しでも優羽さんに楽しいって、まだ生きていたいって、そう思ってもらえるようにしたかっただけ。
だけ。
少しでも楽しいって思えることをする時に、隣に俐香がいられたらいいなって。それだけ。
それだけ。
優羽さんの方が苦しいはずだから、泣き顔なんて見せたら。
今日来るの間違いだったかなぁなんて帰ろうと、玄関に足を運ぶ。
「まっ、て」
「なぁに?」
「ちがうの」
「ちがう?」
何が違うの?
「ずっとたかいのことばっか考えちゃって、でもそれを伝えたら嫌われちゃうかなって思って、」
何を言って、
「でも、天使になったらたかいはゆうのこと見てくれるかなって、ゆうのことだけ考えてくれるかなって、」
「たかいのことすきだから」
なんで、
「ばかだね、ゆうさん」
それしか言えなくて。
両想いじゃん、私たち。
ならさ、
「まだ、天使にならないでね」
