小坂×金村
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「あつい…」
暦の上ではもうすぐで秋だというのに、まだまだうだる暑さが引かない。
扇風機の前であぁ〜と風を受ける私と打って変わって、菜緒はというと、部屋の隅っこで読書中。
暑いから図書館、と言いたいとこだが、図書館に行くまでもが暑い。家と図書館の中間地点が菜緒の家で、仲が良すぎるから部屋に入り浸るも、家主がこれじゃあ。
「みくは大学の夏休みの課題終わったん?」
「んー、ほぼ無いに等しいから分かんない」
「ん、そっか」
そう言って菜緒は本にまた視線を戻す。こんな少しの行動ですら絵になるのは、菜緒の転生の才能だと思う。そう思い、手元にあるカメラのシャッターを切る。
「なん?」
「…なんでもない」
「みくのカメラん中は、なおの知らんなおがたくさんいるんやろうな」
私にしか向けない表情。少し悲しそうに眉を下げて、微笑む顔。その表情は好きだけど、私のカメラには一枚もない。
「そんなのお互い様だよ」
「せやな」
菜緒はまた本に視線を戻す。ただ、時計の針の音が響く。
ひとつ大きな音がカチッと鳴った時、「ほな」と言って菜緒が立ち上がる。
「おやつでも食べよ」
「…!?」
「なんでそんな辛気臭い顔してんの?」
「なんかさ、うーん、」
「ジメジメした部屋がもっとジメジメするから、もう終わり」
「ん、」
きっと菜緒は言いたいことが分かってるはずだから。まだ、それに甘えてしまう。ちゃんと言えるようになったら、伝えるから。
暦の上ではもうすぐで秋だというのに、まだまだうだる暑さが引かない。
扇風機の前であぁ〜と風を受ける私と打って変わって、菜緒はというと、部屋の隅っこで読書中。
暑いから図書館、と言いたいとこだが、図書館に行くまでもが暑い。家と図書館の中間地点が菜緒の家で、仲が良すぎるから部屋に入り浸るも、家主がこれじゃあ。
「みくは大学の夏休みの課題終わったん?」
「んー、ほぼ無いに等しいから分かんない」
「ん、そっか」
そう言って菜緒は本にまた視線を戻す。こんな少しの行動ですら絵になるのは、菜緒の転生の才能だと思う。そう思い、手元にあるカメラのシャッターを切る。
「なん?」
「…なんでもない」
「みくのカメラん中は、なおの知らんなおがたくさんいるんやろうな」
私にしか向けない表情。少し悲しそうに眉を下げて、微笑む顔。その表情は好きだけど、私のカメラには一枚もない。
「そんなのお互い様だよ」
「せやな」
菜緒はまた本に視線を戻す。ただ、時計の針の音が響く。
ひとつ大きな音がカチッと鳴った時、「ほな」と言って菜緒が立ち上がる。
「おやつでも食べよ」
「…!?」
「なんでそんな辛気臭い顔してんの?」
「なんかさ、うーん、」
「ジメジメした部屋がもっとジメジメするから、もう終わり」
「ん、」
きっと菜緒は言いたいことが分かってるはずだから。まだ、それに甘えてしまう。ちゃんと言えるようになったら、伝えるから。
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