小坂×金村
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ファインダー越しに微笑む笑顔が眩しくて。
シャッターを切って、カメラを下ろす。
「また撮ってたの?」
「…うん」
「好きだね、菜緒のこと撮るの」
撮るのが好きじゃなくて、菜緒のことが好きと言えたらどれだけいいだろうか。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
パソコンに向き合うこと、早一時間。それ以上経っているのかもしれない。眠っていたデータを掘り起こして眺めていた。
高校の頃は趣味で撮っていたのが、今では仕事になっていた。
自分が出来ることなんて限られていて、依頼されてもアシスタントとしてばかり。そこに運が来た。
「金村、お前に依頼だ」
「私にですか?!」
「最近よく見かけるアイドルの子の写真集を撮って欲しいと、名指しでな」
「その子の名前って」
『小坂菜緒』
嘘ではないかと、何度も頬をつねったし、何度も依頼主の顔写真を見た。
しかし何度見ても、私の知ってる菜緒だし、また菜緒を撮れるのかとワクワクし始めもした。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「写真集を出す」
事務所にそう言われた時、ふと同級生にいつもカメラを構える子がいたなと。
「それって、カメラマンさん選んでもいいですか…?」
アイドルになって数年、ポジション的には中堅。スタッフさんと演出について話し合うことも多くなってきたから、発言権はそれなりにあって。
「小坂がそう言うなら…」
高校の頃ずっとカメラを構えて、菜緒が振り向けば恥ずかしそうに、カメラを下ろして、菜緒を目を合わせてくれた。
3年間ずっとクラスが一緒で、ずっと仲が良かったけれど、夢のためにも、美玖がヘタレなのもあって。
でも、卒業しても燻り続ける想いは消えることなく、積もり積もっていくばかりで。
事務所から連絡は送ったとの報告は受けていたから。数年ぶりに【美玖】の欄を開いて、卒業式の写真が送られてから止まってしまっていたのを動かした。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
依頼を受けてから数日後。もう来ることがないと思っていた連絡先から、「会いたい」とひとこと。
適当にカフェとかではなく、菜緒の家。久しぶりにしては、ハードルが高すぎやしないかと思ったけど、あの子はアイドルだ。リスクを避けるためには仕方の無いことだと、自分に言い訳をして、送られた住所へと向かう。
重厚なオートロック付きのマンション。震える指でインターホンを押す。「開けた〜」とあの頃と変わらない声が聞こえて、ぐっと体がこわばる。
「お邪魔します」
「久しぶりだね、美玖。元気してた?」
「元気だよ」
「写真集だすって言われて、美玖が撮るんだったらだしますって」
「菜緒のことずっと撮ってた美玖なら、菜緒のいいとこ最大限に出してくれるやろ?」
そう、自信ありげに微笑む菜緒はあの時と一切変わらなくて。
カメラマンとして、最大限菜緒の魅力を伝えられる物を作ろうと決心した。
そう思っていたのに。
「美玖、菜緒のこと好きでしょ」
「…えっ、あ、、」
「菜緒も好きだったよ…違うな。」
「今も好き。ずっと好き。だから、美玖に会いたくて、遠回しにこんなことしちゃった」
何を言っているか理解できない。
「何言ってんの…?」
「それは菜緒がアイドルだから?」
「いや、え…?」
「悪いこと言うとね、もし付き合っても、女の子同士だからバレないよ」
悪い顔して微笑んでいるのは、本当に菜緒か疑いたくなる。
「返事はすぐじゃなくてええよ。ただ、待ってるな?」
でも、眩しい笑顔はそこにあった。
シャッターを切って、カメラを下ろす。
「また撮ってたの?」
「…うん」
「好きだね、菜緒のこと撮るの」
撮るのが好きじゃなくて、菜緒のことが好きと言えたらどれだけいいだろうか。
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パソコンに向き合うこと、早一時間。それ以上経っているのかもしれない。眠っていたデータを掘り起こして眺めていた。
高校の頃は趣味で撮っていたのが、今では仕事になっていた。
自分が出来ることなんて限られていて、依頼されてもアシスタントとしてばかり。そこに運が来た。
「金村、お前に依頼だ」
「私にですか?!」
「最近よく見かけるアイドルの子の写真集を撮って欲しいと、名指しでな」
「その子の名前って」
『小坂菜緒』
嘘ではないかと、何度も頬をつねったし、何度も依頼主の顔写真を見た。
しかし何度見ても、私の知ってる菜緒だし、また菜緒を撮れるのかとワクワクし始めもした。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「写真集を出す」
事務所にそう言われた時、ふと同級生にいつもカメラを構える子がいたなと。
「それって、カメラマンさん選んでもいいですか…?」
アイドルになって数年、ポジション的には中堅。スタッフさんと演出について話し合うことも多くなってきたから、発言権はそれなりにあって。
「小坂がそう言うなら…」
高校の頃ずっとカメラを構えて、菜緒が振り向けば恥ずかしそうに、カメラを下ろして、菜緒を目を合わせてくれた。
3年間ずっとクラスが一緒で、ずっと仲が良かったけれど、夢のためにも、美玖がヘタレなのもあって。
でも、卒業しても燻り続ける想いは消えることなく、積もり積もっていくばかりで。
事務所から連絡は送ったとの報告は受けていたから。数年ぶりに【美玖】の欄を開いて、卒業式の写真が送られてから止まってしまっていたのを動かした。
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依頼を受けてから数日後。もう来ることがないと思っていた連絡先から、「会いたい」とひとこと。
適当にカフェとかではなく、菜緒の家。久しぶりにしては、ハードルが高すぎやしないかと思ったけど、あの子はアイドルだ。リスクを避けるためには仕方の無いことだと、自分に言い訳をして、送られた住所へと向かう。
重厚なオートロック付きのマンション。震える指でインターホンを押す。「開けた〜」とあの頃と変わらない声が聞こえて、ぐっと体がこわばる。
「お邪魔します」
「久しぶりだね、美玖。元気してた?」
「元気だよ」
「写真集だすって言われて、美玖が撮るんだったらだしますって」
「菜緒のことずっと撮ってた美玖なら、菜緒のいいとこ最大限に出してくれるやろ?」
そう、自信ありげに微笑む菜緒はあの時と一切変わらなくて。
カメラマンとして、最大限菜緒の魅力を伝えられる物を作ろうと決心した。
そう思っていたのに。
「美玖、菜緒のこと好きでしょ」
「…えっ、あ、、」
「菜緒も好きだったよ…違うな。」
「今も好き。ずっと好き。だから、美玖に会いたくて、遠回しにこんなことしちゃった」
何を言っているか理解できない。
「何言ってんの…?」
「それは菜緒がアイドルだから?」
「いや、え…?」
「悪いこと言うとね、もし付き合っても、女の子同士だからバレないよ」
悪い顔して微笑んでいるのは、本当に菜緒か疑いたくなる。
「返事はすぐじゃなくてええよ。ただ、待ってるな?」
でも、眩しい笑顔はそこにあった。
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