野口×佐々木
夢小説設定
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いつからだろうか。
隣にいる衣織を嫌悪感を抱いたのは。
一緒にいればいるほど、衣織の良い所が自分にとっては欠点で。そこばかりに目がついてしまう。気になったら、とことんそこばかりが気になってしまう。
でも、この気持ちはバレちゃいけない。
多分、このことが衣織にバレれば、衣織は傷付くし、相棒という名の特等席を失ってしまう。
「まいか?」
「うぁ、え?衣織…」
「なにそんなおっきなため息ついてんの」
「いや、なんでもない」
「いや、何でもなくないね」
「はぁ?」
「まいかがそうやって目をそらす時、だいたい嘘ついてるもん」
そうやって、私の事を知りすぎているのも。何もかもが嫌い。優しくされるのが、いつからか嫌になって。
「衣織には分かんないよ」
そう言って、楽屋を飛び出した。
月は太陽がないと輝けない。太陽に隠れてしまえば、存在がないようにされてしまう。
もう、それでいい。
いっその事そうであってくれれば、自分のこと諦めきれたのに。
隣にいる太陽は月にだって、星にだってなれてしまう。
その度、私が太陽の代わりに太陽にならないといけなくて。はりぼての太陽はいつか剥がれる。
そのくらい、私には太陽になる素質はない。
だから、私は衣織のことを嫌いになった。
これ以上嫌いになりたくないから。お願い近付かないでと。願えば願うほど、衣織は私に近付いてくる。
「…ッ、まいかっ」
「嫌だ、なんで来るの…」
「まいかのことが心配だからに…」
「そんな心配いらない…早くどこか行ってよ」
「無理」
そっと抱きしめられ、「まいかのこと心配なの」なんて。
そうやって、人の心配をしてくるところが大嫌い。衣織も自分のことでいっぱいいっぱいなはずなのに、そうやって人の心配をしてる所が、お人好しで好きで嫌い。
「衣織はいいよね、そうやって人の心にづけづけと入り込んでっ、」
「あ、え、ごめんねまいか。そう思ってたんだ…」
言った後に間違いに気付くなんて遅すぎる。震えながら離れていく衣織を必死に繋ぎ止めても、一度言ってしまった言葉を訂正するのには時間が掛かる。
嫌いなはずなのに、その嫌いが好きだから。
「まいかはさ、私の事嫌い?」
「嫌い。だいっきらい」
「んへへ、そっかぁ」
そうヘラヘラ笑う衣織はおかしい。繋ぎ止めていた腕はいつの間にか解かれ、何故か抱きしめられているのは何故だろうか。
「いーちゃんはね、まいかのことだぁーいすき!」
「……っ!」
「まいかは嫌いって言っても、好きなんでしょ?」
私に嫌いと言われているのに少しご機嫌な衣織は、私の目を真っ直ぐに見つめた。
「別に嫌なら言わなくてもいいよ。分かってるから、私も同じだから。でもね、自分のことは嫌いになっちゃダメだよ。」
「分かった?」なんて、首を傾げて言うもんだから。可笑しくなって、鼻で笑ってしまう。
「笑うなよぉ」
「ありがと、衣織。」
「いいえ〜」
「まいかちゃんは優しいので、今日は衣織になんか作ります」
「まいかちゃん、優しい」
「だろ?」
好きが嫌いで、嫌いが好き。
天邪鬼すぎる私を愛してくれるのは、世界でたった衣織だけなのかもしれない。
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