的野×向井
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日付が変わった途端に嫌という程に来る通知。返信する気にはなれずにスマホの電源を切る。
カーテンの隙間から漏れる光とけたたましくなる目覚まし。今日を迎えたくはなかったが、勝手に進む時間はそんなこと許してくれない。
制服に着替え、家を出る。朝ごはんは食べない。「行ってきます」は空っぽな玄関に寂しく落ちる。
電車に乗り七駅。そこまで仲良くない子から来ている"おめでとう"のメッセージにリアクションだけ残す。返事したってめんどくさいし、結局この後会うから。
電車を降りて学校までの道なり。知っている子たちからの"おめでとう"に"ありがとう"と返す。教室に入ってからもそう。自称親友たちからの"おめでとう"とプレゼント。きっと使わないし、食べて終わるだけ。
めんどくさいと思いつつ、その場をやり過ごす。だから誕生日は嫌いなんだ。
「ねぇ向井ちゃん、この後カラオケ行かない?誕生日だし祝わせてよ」
と誘うクラスメイトは無視、は良くないから。
「ごめん、今日約束しちゃってて!また誘って!」
とテンプレ通りの文言。
少しでも特別感を味わいたいからと。
"ホームルーム終わったけ、迎えいく"
と、ひとこと送る。既読にならなくたって別にいい。どうせ会いに行くから。
「的野さん」
「…!!」
スクバを掴み、私の方に向かってくる美青は心做しか嬉しそうで。
校門を越え、少ししたくらい。ぷらぷらと揺れる手を掴み繋ぐ。
「いとちゃんだって手繋ぎたかったんじゃん」
「そうだよ」
「可愛い」
「うるさい」
「誕生日おめでとう」
「そっちこそ、誕生日おめでとう」
この一言。美青からさえあれば私は幸せだから。
カーテンの隙間から漏れる光とけたたましくなる目覚まし。今日を迎えたくはなかったが、勝手に進む時間はそんなこと許してくれない。
制服に着替え、家を出る。朝ごはんは食べない。「行ってきます」は空っぽな玄関に寂しく落ちる。
電車に乗り七駅。そこまで仲良くない子から来ている"おめでとう"のメッセージにリアクションだけ残す。返事したってめんどくさいし、結局この後会うから。
電車を降りて学校までの道なり。知っている子たちからの"おめでとう"に"ありがとう"と返す。教室に入ってからもそう。自称親友たちからの"おめでとう"とプレゼント。きっと使わないし、食べて終わるだけ。
めんどくさいと思いつつ、その場をやり過ごす。だから誕生日は嫌いなんだ。
「ねぇ向井ちゃん、この後カラオケ行かない?誕生日だし祝わせてよ」
と誘うクラスメイトは無視、は良くないから。
「ごめん、今日約束しちゃってて!また誘って!」
とテンプレ通りの文言。
少しでも特別感を味わいたいからと。
"ホームルーム終わったけ、迎えいく"
と、ひとこと送る。既読にならなくたって別にいい。どうせ会いに行くから。
「的野さん」
「…!!」
スクバを掴み、私の方に向かってくる美青は心做しか嬉しそうで。
校門を越え、少ししたくらい。ぷらぷらと揺れる手を掴み繋ぐ。
「いとちゃんだって手繋ぎたかったんじゃん」
「そうだよ」
「可愛い」
「うるさい」
「誕生日おめでとう」
「そっちこそ、誕生日おめでとう」
この一言。美青からさえあれば私は幸せだから。
