傷ついた心は直ることはない。傷口から、棘の生えた、鋭くて、自分を傷つけるだけの花が咲く。

この傷を、痛みは他にバレちゃいけないから。自分だけのものと、ボロボロの心の奥底にしまう。でも、こんなボロボロの箱は、いつかきっと壊れてしまう。

この痛みを、誰か。

わかって欲しいと願えば願うほどに、ひとりぼっちになっていく。

君ならわかってくれたかな。

繋がらなくなった連絡は、私から送った「会いたい」が最後。既読すら付かなくなって、半年。君の訃報が届いて半月。「会いたい」と何通送っても虚しくて。右側だけが傾く。

ボロボロの箱は、いつも君が治してくれていたんだね。

でも気付いちゃったんだ。君のは誰が直していたんだろって。

直んなくて、壊すしかなかったんだって。

壊れるくらいなら、一緒に傷つくじゃダメだったの？

ねぇ、純葉。

また、来世で会えるのならば、棘のない花を贈るから。