的野×向井
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たったひとりのともだちだった。小さい頃から病に伏してた私に色んなものを教えてくれた。私はともだちに沢山の事を聞いた。ともだちは沢山のことを教えてくれた。それを、キャンバスに世界を広げた。それしかすることがなかったから。絵を描くことでしか生きているのを実感出来なかったから。でも、自分から興味を持ったくせにともだちが煩わしくもあった。こんな綺麗な世界を自分の目で見れて感じることができることが羨ましかったんだと思う。
あの日、私はたったひとりのともだちと喧嘩をした。
「ねぇ美青、次はどんな絵を見せてくれるの?」
「うるさいなあ」
「あっ、ごめん、じゃあ明日また来るね」
「…もう来ないでよ」
「え?」
「もう来ないでよ…私に新しい世界を教えないでよ…純葉なんて大嫌いだ…」
気付いた時には頬から血を流した純葉と今まで作ってきたどの赤色より綺麗な赤色を纏ったペインティングナイフが部屋の隅っこに落っこちてた。喧嘩なんて響きを借りた一方的な私の憎悪が産んだ犯行。その日、私は純葉に一生消えない傷を付け、たったひとりのともだちを失って、絵が描けなくなった。世界から色がなくなった。
ただ、最後に見た赤色だけはずっと脳裏にこびり付くように離れなかった。
あの日、私はたったひとりのともだちと喧嘩をした。
「ねぇ美青、次はどんな絵を見せてくれるの?」
「うるさいなあ」
「あっ、ごめん、じゃあ明日また来るね」
「…もう来ないでよ」
「え?」
「もう来ないでよ…私に新しい世界を教えないでよ…純葉なんて大嫌いだ…」
気付いた時には頬から血を流した純葉と今まで作ってきたどの赤色より綺麗な赤色を纏ったペインティングナイフが部屋の隅っこに落っこちてた。喧嘩なんて響きを借りた一方的な私の憎悪が産んだ犯行。その日、私は純葉に一生消えない傷を付け、たったひとりのともだちを失って、絵が描けなくなった。世界から色がなくなった。
ただ、最後に見た赤色だけはずっと脳裏にこびり付くように離れなかった。
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