的野×向井
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高く括られた、ゆる巻のポニーテール。
歩く度に揺れるポニーテールは気を紛らわすのに最適だった。だけど、それを追って不意打ちに振り向くキミに驚いて。
「ねぇ、的野さん…やっけ?」
「あ、うん、美青。的野美青」
「向井純葉です!よろしく!」
純葉と言葉を交わしたのはそれが初めてだった。入学式のために体育館へ向かう途中、出席番号の遅い順から並んだ時に純葉は私の一個前。
振り向いて"いひひ"と笑うその顔にときめいてしまった。
いわゆる一目惚れ。
そこからは友達として隣にいられるように頑張った。不釣り合いと言われないように、長かった髪も切って、少しでも純葉の隣にいて欲しいと思われるように。
純葉はというと、授業中に私の肩を叩いて手紙を渡してきたり、咳が遠くなっても何故だかピースしたりして。これじゃあ、私がいつも純葉を見ていて、純葉に好きがバレているじゃないかと錯覚するほどに。それに反応できるほど私に勇気は持ち合わせてなくて。無愛想にしか反応できなかった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
夏休みに入る少し前、放課後居残りでプール掃除。そもそもやりたくないことをしているからか、集中力は既にない。
純葉は上下ジャージで短パンを少し折って。一緒にプール掃除してる男子からそういう目で見られていることに気づいて欲しい。
「なんでプール掃除って楽しいけど、掃除する前はやりたくないんやろ」
「掃除ってそんなもんじゃない?」
「そんなもんかぁ…」
デッキブラシの柄に顎を乗せて、気だるそうに話す純葉は、これぞ女子高生と言うかのよう。こんなの好きにならないわけが無い。
少し遠くでクラスの中心にいる子たちが「夏休み集まって勉強しよーよ」だとか、「花火もしない?花火大会も行きたい」だとか。純葉も例外なく声をかけられているが返事を返そうとはしない。
「向井ちゃんは〜?」
「え〜、」
「みおも行く?」
「……は?え?私?!」
「そう、みお」
「…いく」
無愛想だったかな。
「向井行きまーす!的野も!」
「はーい!わかった!」
期待してしまう気持ちとウラハラに、純葉が声をかけたのは隣に自分がいたからでしかないなんて思ってしまう。
期待して、裏切られるのが嫌だから。
バレないように気持ちに蓋をして、好きじゃないなんて暗示をかけて。ただ友達として隣にいられるように。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
夏休みも中盤。課題が終わってないなんて口々に言いながらも、駅近くのフードコートで駄弁る。
初めて見る純葉の私服姿は、課題に集中させてくれない。
じろじろ見ているとバレないように課題に集中するフリをする。結局集中なんてできなくて、喉が渇くだけ。
「ちょっと飲み物買ってくる…」
「いとはも行く」
「あ、うん」
「いやじゃった?」
「ううん、いやじゃない」
「よかった」
隣に純葉がいる。そんなのいつもと変わらないけど。私服姿で学校じゃなくて。誰の目も気にならない。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「みおはさ、好きな人とかおらんの?」
「純葉」
「いとはがどうした?」
「純葉が好き」
「え?」
本当に無意識だった。
半ば反射的に"純葉"と口走って、告白らしくない告白は純葉に届いてしまった。
早歩きになって少し前を行く純葉。髪からはみ出た耳は真っ赤で、少し走って追いついて顔を覗けば、顔も真っ赤にした純葉がいた。
「見んなっ」
「やだ」
「いとはやって、いやや」
「なんで?」
「告白されるなら、こんなんじゃなくて」
「…来て」
純葉を連れて少し遠くへ。近くにある静かな公園。見晴らしが良くて、小さい頃から何かあればここに来た。
「…っ、ちょっと、、みお?」
「純葉、聞いて欲しい」
「…うん」
「私は純葉が好き。純葉も同じ気持ちだったら嬉しいなぁ…なんて」
「…いとはも同じ気持ち」
「付き合ってくださぃ…」
「いひひっ、もちろん」
「みおはいとはのこと嫌いなんかと思っとった」
「…え?」
「だっていっつも隣にいるのに目が合わないし、授業中に手振っても反応してくれんし」
「それはごめん」
「挙句の果ては、今日のいとは見てもなんも言ってくれんもん」
「今日はみおのために可愛くしてきたんだよ?」
「…っ、ずるいよそれは」
「好きな人に可愛いって思われたいでしょ?」
「それはそうかもしれないけど」
「まぁ、でもみおの気持ち聞けたからいいよ」
ぎゅっと繋がれた手がじんわりとあったかくて。離したくないけど、みんなが待ってるからパッと離されて少し寂しい。
「またあとでね」
「早く課題終わらせよう」
「そうやね」
いじわるそうに微笑む顔が可愛くって。
早く課題終わらせて、みんなと解散したいだなんて、思っちゃいけないのに。
キミが好きだから。
歩く度に揺れるポニーテールは気を紛らわすのに最適だった。だけど、それを追って不意打ちに振り向くキミに驚いて。
「ねぇ、的野さん…やっけ?」
「あ、うん、美青。的野美青」
「向井純葉です!よろしく!」
純葉と言葉を交わしたのはそれが初めてだった。入学式のために体育館へ向かう途中、出席番号の遅い順から並んだ時に純葉は私の一個前。
振り向いて"いひひ"と笑うその顔にときめいてしまった。
いわゆる一目惚れ。
そこからは友達として隣にいられるように頑張った。不釣り合いと言われないように、長かった髪も切って、少しでも純葉の隣にいて欲しいと思われるように。
純葉はというと、授業中に私の肩を叩いて手紙を渡してきたり、咳が遠くなっても何故だかピースしたりして。これじゃあ、私がいつも純葉を見ていて、純葉に好きがバレているじゃないかと錯覚するほどに。それに反応できるほど私に勇気は持ち合わせてなくて。無愛想にしか反応できなかった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
夏休みに入る少し前、放課後居残りでプール掃除。そもそもやりたくないことをしているからか、集中力は既にない。
純葉は上下ジャージで短パンを少し折って。一緒にプール掃除してる男子からそういう目で見られていることに気づいて欲しい。
「なんでプール掃除って楽しいけど、掃除する前はやりたくないんやろ」
「掃除ってそんなもんじゃない?」
「そんなもんかぁ…」
デッキブラシの柄に顎を乗せて、気だるそうに話す純葉は、これぞ女子高生と言うかのよう。こんなの好きにならないわけが無い。
少し遠くでクラスの中心にいる子たちが「夏休み集まって勉強しよーよ」だとか、「花火もしない?花火大会も行きたい」だとか。純葉も例外なく声をかけられているが返事を返そうとはしない。
「向井ちゃんは〜?」
「え〜、」
「みおも行く?」
「……は?え?私?!」
「そう、みお」
「…いく」
無愛想だったかな。
「向井行きまーす!的野も!」
「はーい!わかった!」
期待してしまう気持ちとウラハラに、純葉が声をかけたのは隣に自分がいたからでしかないなんて思ってしまう。
期待して、裏切られるのが嫌だから。
バレないように気持ちに蓋をして、好きじゃないなんて暗示をかけて。ただ友達として隣にいられるように。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
夏休みも中盤。課題が終わってないなんて口々に言いながらも、駅近くのフードコートで駄弁る。
初めて見る純葉の私服姿は、課題に集中させてくれない。
じろじろ見ているとバレないように課題に集中するフリをする。結局集中なんてできなくて、喉が渇くだけ。
「ちょっと飲み物買ってくる…」
「いとはも行く」
「あ、うん」
「いやじゃった?」
「ううん、いやじゃない」
「よかった」
隣に純葉がいる。そんなのいつもと変わらないけど。私服姿で学校じゃなくて。誰の目も気にならない。
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「みおはさ、好きな人とかおらんの?」
「純葉」
「いとはがどうした?」
「純葉が好き」
「え?」
本当に無意識だった。
半ば反射的に"純葉"と口走って、告白らしくない告白は純葉に届いてしまった。
早歩きになって少し前を行く純葉。髪からはみ出た耳は真っ赤で、少し走って追いついて顔を覗けば、顔も真っ赤にした純葉がいた。
「見んなっ」
「やだ」
「いとはやって、いやや」
「なんで?」
「告白されるなら、こんなんじゃなくて」
「…来て」
純葉を連れて少し遠くへ。近くにある静かな公園。見晴らしが良くて、小さい頃から何かあればここに来た。
「…っ、ちょっと、、みお?」
「純葉、聞いて欲しい」
「…うん」
「私は純葉が好き。純葉も同じ気持ちだったら嬉しいなぁ…なんて」
「…いとはも同じ気持ち」
「付き合ってくださぃ…」
「いひひっ、もちろん」
「みおはいとはのこと嫌いなんかと思っとった」
「…え?」
「だっていっつも隣にいるのに目が合わないし、授業中に手振っても反応してくれんし」
「それはごめん」
「挙句の果ては、今日のいとは見てもなんも言ってくれんもん」
「今日はみおのために可愛くしてきたんだよ?」
「…っ、ずるいよそれは」
「好きな人に可愛いって思われたいでしょ?」
「それはそうかもしれないけど」
「まぁ、でもみおの気持ち聞けたからいいよ」
ぎゅっと繋がれた手がじんわりとあったかくて。離したくないけど、みんなが待ってるからパッと離されて少し寂しい。
「またあとでね」
「早く課題終わらせよう」
「そうやね」
いじわるそうに微笑む顔が可愛くって。
早く課題終わらせて、みんなと解散したいだなんて、思っちゃいけないのに。
キミが好きだから。
