中嶋×石森
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真夜中というには早くて、夜というにはちょっと遅い、午前二時。
寝られなくて家を飛び出した。夜の闇に隠れた雨は見えることなく、所々に点在する街路灯に照らされた時に、思ったより雨が降っていることがわかってしまう。けれどただひたすらに降り続ける雨は頭を冷やすのにちょうどいい。
このまま霧雨に溶けて流れてしまえばいいと思った。もっと強い雨だったらとっくに溶けてしまえたなんて思いながら、傘もささずに雨の中を進む。
少しずつ髪と服に水が染み込んでいって、徐々に重たくなる。一歩進む度にこのまま帰らなければあの子は悲しむだろうか。隣に寝ていたから、抱き枕にしていた私がいないことに気づいて起きてしまうだろうか。
時間を確認しようにも、スマホを置いてきてしまったから。遠くに見える狂った公園の時計だけが頼り。
濡れたベンチに腰掛ければ、さっきまで霧雨だった雨は強くなって、雨が頬を伝う。瞼が落ちてきて、帰るのもだんだん億劫になって、このまま寝てしまえば、雨に溶けてなくなってしまえるかなぁと考えてしまう。
雨足が強くなって、足元にできた水たまりが大きくなってきた頃、雨が止んだ。
これは雨が止んだわけではなさそうだ。
「ゆづっ、寒くない?」
璃花が傘をさしてくれたから、私の世界だけ雨が止んだみたい。
「あっ、璃花おはよう」
「おはようじゃないよ…隣があったかくなくて、目が覚めたらゆづがいなかった」
「ごめんね、起こしちゃって」
「ってか、それどころじゃない」
「んー?」
「なんで傘もささないで、家を出るの?連絡しようにもスマホ置いてってたし」
「なんか散歩したくなって」
「それ、今日じゃなくてもいいじゃん」
「…なんで璃花が泣いてるの?」
「それはゆづが心配だからに決まってるでしょ…!」
「そっかぁ」
傘を放り離して、璃花が抱きついてくる。
「璃花も濡れちゃうよ」
「雨なんてあがってるよ。それよりゆづに降ってた雨は止んだ?」
「璃花のおかげで」
「よかった。おうち帰ってお風呂入ってもう一回寝よう?そして明日はゆっくりしよう」
土砂降りだった雨は止んで、手を繋いで帰る。
きっと、また雨が降って散歩に出ても、傘をさしにきてくれるから。私も璃花に雨が降ったら傘をさせるように。
きっと一緒になってずぶ濡れになってしまうかもしれないけれど。
寝られなくて家を飛び出した。夜の闇に隠れた雨は見えることなく、所々に点在する街路灯に照らされた時に、思ったより雨が降っていることがわかってしまう。けれどただひたすらに降り続ける雨は頭を冷やすのにちょうどいい。
このまま霧雨に溶けて流れてしまえばいいと思った。もっと強い雨だったらとっくに溶けてしまえたなんて思いながら、傘もささずに雨の中を進む。
少しずつ髪と服に水が染み込んでいって、徐々に重たくなる。一歩進む度にこのまま帰らなければあの子は悲しむだろうか。隣に寝ていたから、抱き枕にしていた私がいないことに気づいて起きてしまうだろうか。
時間を確認しようにも、スマホを置いてきてしまったから。遠くに見える狂った公園の時計だけが頼り。
濡れたベンチに腰掛ければ、さっきまで霧雨だった雨は強くなって、雨が頬を伝う。瞼が落ちてきて、帰るのもだんだん億劫になって、このまま寝てしまえば、雨に溶けてなくなってしまえるかなぁと考えてしまう。
雨足が強くなって、足元にできた水たまりが大きくなってきた頃、雨が止んだ。
これは雨が止んだわけではなさそうだ。
「ゆづっ、寒くない?」
璃花が傘をさしてくれたから、私の世界だけ雨が止んだみたい。
「あっ、璃花おはよう」
「おはようじゃないよ…隣があったかくなくて、目が覚めたらゆづがいなかった」
「ごめんね、起こしちゃって」
「ってか、それどころじゃない」
「んー?」
「なんで傘もささないで、家を出るの?連絡しようにもスマホ置いてってたし」
「なんか散歩したくなって」
「それ、今日じゃなくてもいいじゃん」
「…なんで璃花が泣いてるの?」
「それはゆづが心配だからに決まってるでしょ…!」
「そっかぁ」
傘を放り離して、璃花が抱きついてくる。
「璃花も濡れちゃうよ」
「雨なんてあがってるよ。それよりゆづに降ってた雨は止んだ?」
「璃花のおかげで」
「よかった。おうち帰ってお風呂入ってもう一回寝よう?そして明日はゆっくりしよう」
土砂降りだった雨は止んで、手を繋いで帰る。
きっと、また雨が降って散歩に出ても、傘をさしにきてくれるから。私も璃花に雨が降ったら傘をさせるように。
きっと一緒になってずぶ濡れになってしまうかもしれないけれど。
