中嶋×石森
夢小説設定
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恋をしていた時、愛していた時、両手に色とりどりの花束を抱えていたような気がする。抱えきれなくなって、溢れて、でもそれを貴方は拾ってくれた。そして、新しい好きを与えてくれて。幸せだった。
それが、花弁一枚ずつ散って、枯れて、いつの間にか、抱えていた花束は空っぽの包み紙だけになっていた。
ドライフラワーみたいに、綺麗に思い出になんてならなかった。終わりは呆気なく、空っぽになるだけ。うわべの好きに色を塗って、拾ってくれた花はとうに枯れていて。
こんなになるなら、好きになるんじゃなかった。
「……夢か」
夢にしては現実味を帯びていて、冷や汗が止まらない。
レッスンはあったけど、妙によそよそしい対応になってしまった。別に避けているわけではない。ただ、夢が現実になってしまうのが怖くて、いつも通りができなかった。メンバーに内緒で付き合ってるにしても、何人かにはバレていて。よそよそしいのも、何人かにつっこまれたけれど、夢が原因でこんなになってるなんて知られたくなくて。ひたすらにレッスンの内容をこなして、仕事を終わらして、逃げるように帰った。
数時間後。もうそろそろ寝ようかとした時にインターホンが鳴った。こんな時間に誰だよと思うも、画面に映るのは璃花で。
「こんな時間にどうしたと?」
「ゆづに会いたくなっちゃって」
「それなら迎えに行ったのに」
「だって今日のゆづ、全然目合わないんだもん。話せなかったもん」
そっか。そうだよね。
「ゆづ、何があったか教えて?」
璃花は家に入って、私をソファに座らせて「待っててね〜」と間延びした声でキッチンへと消えていった。数分後、暖かいココアを両手に戻ってきた璃花はマグカップを机に置いてこっちを見る。
「ゆづ、何があったか教えて?」
「……」
「言えない?」
「言ったら璃花は私の事嫌いになるかもだから」
「嫌いにならないし、言わない方が嫌だ」
「実は…」
「ゆづ聞いて?」
「ん。」
「りかは、優月のことそんなふうに思ったことないし、この先も思わない。たくさんお花をあげるし、ゆづからもたくさん欲しい。落ちたのも全部拾うから。ゆづが色を塗り足さなくてもいいように、たくさん好きって伝えるから。」
「そんな夢、現実にさせないから。」
頬に触れられた指先があったかくて。いつの間にか泣いていたことを知る。
こんなにも璃花のことが好きで、手放したくなくて、依存していたのかと。
璃花で私の灰被った世界が壊されて、色とりどりになるのは悪くない。
それが、花弁一枚ずつ散って、枯れて、いつの間にか、抱えていた花束は空っぽの包み紙だけになっていた。
ドライフラワーみたいに、綺麗に思い出になんてならなかった。終わりは呆気なく、空っぽになるだけ。うわべの好きに色を塗って、拾ってくれた花はとうに枯れていて。
こんなになるなら、好きになるんじゃなかった。
「……夢か」
夢にしては現実味を帯びていて、冷や汗が止まらない。
レッスンはあったけど、妙によそよそしい対応になってしまった。別に避けているわけではない。ただ、夢が現実になってしまうのが怖くて、いつも通りができなかった。メンバーに内緒で付き合ってるにしても、何人かにはバレていて。よそよそしいのも、何人かにつっこまれたけれど、夢が原因でこんなになってるなんて知られたくなくて。ひたすらにレッスンの内容をこなして、仕事を終わらして、逃げるように帰った。
数時間後。もうそろそろ寝ようかとした時にインターホンが鳴った。こんな時間に誰だよと思うも、画面に映るのは璃花で。
「こんな時間にどうしたと?」
「ゆづに会いたくなっちゃって」
「それなら迎えに行ったのに」
「だって今日のゆづ、全然目合わないんだもん。話せなかったもん」
そっか。そうだよね。
「ゆづ、何があったか教えて?」
璃花は家に入って、私をソファに座らせて「待っててね〜」と間延びした声でキッチンへと消えていった。数分後、暖かいココアを両手に戻ってきた璃花はマグカップを机に置いてこっちを見る。
「ゆづ、何があったか教えて?」
「……」
「言えない?」
「言ったら璃花は私の事嫌いになるかもだから」
「嫌いにならないし、言わない方が嫌だ」
「実は…」
「ゆづ聞いて?」
「ん。」
「りかは、優月のことそんなふうに思ったことないし、この先も思わない。たくさんお花をあげるし、ゆづからもたくさん欲しい。落ちたのも全部拾うから。ゆづが色を塗り足さなくてもいいように、たくさん好きって伝えるから。」
「そんな夢、現実にさせないから。」
頬に触れられた指先があったかくて。いつの間にか泣いていたことを知る。
こんなにも璃花のことが好きで、手放したくなくて、依存していたのかと。
璃花で私の灰被った世界が壊されて、色とりどりになるのは悪くない。
