村井×山下
夢小説設定
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煌びやかなイルミネーションと大きなツリー。街がクリスマスに染まる。浮き足立つ人たちは、幸せそうに肩を並べて歩く。
クリスマス一色の街並みを通り抜けて、バイト先へと足を進める。
赤と白に彩られた花屋が私のバイト先。嫌でもクリスマスを感じさせる仕様なのは、気持ちが沈む。
友達の為、恋人の為、家族の為。理由は様々であれど、皆、幸せそうに花束を抱えて帰る。
クリスマスの為に用意された花に隠れて、いつも並んでいた花たちは、お店の隅でひっそりと息を潜める。
その中から、アネモネの花を選ぶ。青と紫、なんだか寂しいから、店先に並ぶ赤と白とピンクも。包んで赤と青のリボンで締めて、ロッカールームで待っててもらうことにする。
人通りも落ち着いて、もう上がっていいと。さっき作った花束を抱えて、バスに乗る。
バスに揺られること数十分。降りてから踏みしめる落ち葉のカサカサという音に混じって、ギュッギュッと水分を含んだ音が混じる。
「雪だ…」
そう呟けば、白い息と共に寒空に吸い込まれる。
「今年もクリスマスが来たよ。みんな幸せそうだったよ」
そう言っても、返事が返ってくることは無い。
瞳月がいなくなったのも、こんなに冷えた、雪が降った日だったか。
抱いていた気持ちを伝えようとして、同じタイミングで瞳月にさよならと告げられて。
ここで伝えたら瞳月を困らせてしまうだろうから伝えなかった。
「すき」
と、たった二文字。
今更伝えたって伝わるわけないのにと、花束にしたアネモネを置いて。
クリスマス一色の街並みを通り抜けて、バイト先へと足を進める。
赤と白に彩られた花屋が私のバイト先。嫌でもクリスマスを感じさせる仕様なのは、気持ちが沈む。
友達の為、恋人の為、家族の為。理由は様々であれど、皆、幸せそうに花束を抱えて帰る。
クリスマスの為に用意された花に隠れて、いつも並んでいた花たちは、お店の隅でひっそりと息を潜める。
その中から、アネモネの花を選ぶ。青と紫、なんだか寂しいから、店先に並ぶ赤と白とピンクも。包んで赤と青のリボンで締めて、ロッカールームで待っててもらうことにする。
人通りも落ち着いて、もう上がっていいと。さっき作った花束を抱えて、バスに乗る。
バスに揺られること数十分。降りてから踏みしめる落ち葉のカサカサという音に混じって、ギュッギュッと水分を含んだ音が混じる。
「雪だ…」
そう呟けば、白い息と共に寒空に吸い込まれる。
「今年もクリスマスが来たよ。みんな幸せそうだったよ」
そう言っても、返事が返ってくることは無い。
瞳月がいなくなったのも、こんなに冷えた、雪が降った日だったか。
抱いていた気持ちを伝えようとして、同じタイミングで瞳月にさよならと告げられて。
ここで伝えたら瞳月を困らせてしまうだろうから伝えなかった。
「すき」
と、たった二文字。
今更伝えたって伝わるわけないのにと、花束にしたアネモネを置いて。