火鱗佐々木
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「ねぇ、火鱗」
火鱗ってばー、とリビングから少し離れたキッチンに立つ彼を呼ぶと「何だよ」とめんどくさそうな声が返ってきた。
「結婚しよっか」
あと十分もしないうちに今日が終わる。そんな時だった。
「…………はあ⁈」
「だから結婚しようって」
「おま、なん、今……あ」
「なになに、どうしたの?」
声を荒げていた彼が急に静かになる。返事の代わりに聞こえてきたのは舌打ちで、様子を見に行くと、今日買って、私が今食べたいと駄々をこねたロールケーキが、ぐしゃりと見るも無残な姿となっていた。
「あーあ、やっちゃったね火鱗」
「お前のせいだ、バカ」
責任取れよ、と彼が手で掴んだロールケーキを私の口に押し込んでくる。食べたくて仕方なかったはずのそれは、思っていたよりずっと、ずっと甘かった。
「一人じゃ無理。火鱗も半分」
「当たり前だろ」
ぺろりと手に付いたクリームを舐めた彼は「甘っ」と顔をしかめていたけれど、なんやかんや最後まで付き合ってくれるのを私は知っているのだ。
火鱗ってばー、とリビングから少し離れたキッチンに立つ彼を呼ぶと「何だよ」とめんどくさそうな声が返ってきた。
「結婚しよっか」
あと十分もしないうちに今日が終わる。そんな時だった。
「…………はあ⁈」
「だから結婚しようって」
「おま、なん、今……あ」
「なになに、どうしたの?」
声を荒げていた彼が急に静かになる。返事の代わりに聞こえてきたのは舌打ちで、様子を見に行くと、今日買って、私が今食べたいと駄々をこねたロールケーキが、ぐしゃりと見るも無残な姿となっていた。
「あーあ、やっちゃったね火鱗」
「お前のせいだ、バカ」
責任取れよ、と彼が手で掴んだロールケーキを私の口に押し込んでくる。食べたくて仕方なかったはずのそれは、思っていたよりずっと、ずっと甘かった。
「一人じゃ無理。火鱗も半分」
「当たり前だろ」
ぺろりと手に付いたクリームを舐めた彼は「甘っ」と顔をしかめていたけれど、なんやかんや最後まで付き合ってくれるのを私は知っているのだ。