火鱗佐々木
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「かーりん!」
リビングでテレビを観てくつろいでいた彼は私を見るなり飲んでいたコーラを噴き出しかけた。
「おま、なんて格好してんだよ! 服着ろ、服!」
「えー、なんで?」
「何でって……」
火鱗はじっと私を見て、それからすぐに視線を逸らした。思わずにやりと口元が緩んだのは、火鱗があまりにも予想通りの反応をしたからだ。
一見バスタオルを一枚羽織っただけの私は、彼の目には他に何も着てないように見えたことだろう。
「火鱗のえっち」
そう呟けば「はぁ!?」と噛み付くように反論してきた。ただし、その顔は真っ赤だ。
「あ」
そんな彼の前で私はわざとらしく、はらりとバスタオルを落として見せた。世にいうラッキースケベというやつである。火鱗は一気にさっきよりも顔を赤くして身体ごと私から視線を逸らし、私は「きゃー!」っとそれっぽく叫ぶ。
「だから言っただろ! さっさと服着てこい!」
「えー、せっかく着たのに見てくれないんだ」
「……は?」
あ、やっとこっちを向いた。
状況を飲み込めず目を丸くする火鱗ににこりと笑いかければ、少し遅れて彼も目を細めた。それからそっと両頬に手を添えられる。そして、
「お・ま・え・なー! 良い度胸してんじゃねぇか!!」
青筋を立てた火鱗にそのままむぎゅーっと思い切り左右に引っ張られ、本気で頬っぺたが取れるんじゃないかと思った。まさかそんなに怒るとは。
「いひゃい……」
「これに懲りたらもう二度とすんじゃねぇぞ」
「だって、火鱗に新しく買った水着見てほしかったんだもん」
「お前な、普通に見せればいいだろうが」
それじゃあ赤面するかわいい火鱗が見れないじゃんと喉元まで出かかって、また頬を摘まれては堪らないと何とか飲み込む。代わりに水着の感想を求めると「あー、いんじゃね」と素っ気ない返事が返ってきた。
「もっとないの? 火鱗とプール行くの楽しみでかわいいいの選んだのに」
「はいはい、かわいいかわいい」
「心がこもってない! もっと感情を込めて!」
火鱗の服の襟を掴んで訴えるも、彼はくつくつと笑うばかり。完全に面白がっている。
「もういい、友達と行くから」
ぷいとそっぽを向いてそう告げれば、不意にお腹に腕が回されそのまま抱き寄せられた。そして「それはダメ」と耳元に少し掠れた声が降ってくる。
「ちょ、火鱗!?」
後ろからぎゅっと抱きしめられて、身動きが取れない。水着のせいか背中から伝わる火鱗の体温がいつもよりずっと高く感じた。
「……つーかお前の水着姿、誰にも見られたくないんだけど」
「えぇ。でもせっかく買ったし、私火鱗とプール行きたいんだけど」
火鱗は嫌? と上目遣いで後ろの彼に訊ねると、ぐぬぬと悩ましい表情をした火鱗が目に入った。
「そんなに悩む?」
思わず吹き出すと火鱗は尚も難しい顔をして、最後には考えるのを放棄するように頭をぐりぐりと私の肩に押し付けてきた。
「うるせぇな。オトコゴコロは複雑なんだよ」
リビングでテレビを観てくつろいでいた彼は私を見るなり飲んでいたコーラを噴き出しかけた。
「おま、なんて格好してんだよ! 服着ろ、服!」
「えー、なんで?」
「何でって……」
火鱗はじっと私を見て、それからすぐに視線を逸らした。思わずにやりと口元が緩んだのは、火鱗があまりにも予想通りの反応をしたからだ。
一見バスタオルを一枚羽織っただけの私は、彼の目には他に何も着てないように見えたことだろう。
「火鱗のえっち」
そう呟けば「はぁ!?」と噛み付くように反論してきた。ただし、その顔は真っ赤だ。
「あ」
そんな彼の前で私はわざとらしく、はらりとバスタオルを落として見せた。世にいうラッキースケベというやつである。火鱗は一気にさっきよりも顔を赤くして身体ごと私から視線を逸らし、私は「きゃー!」っとそれっぽく叫ぶ。
「だから言っただろ! さっさと服着てこい!」
「えー、せっかく着たのに見てくれないんだ」
「……は?」
あ、やっとこっちを向いた。
状況を飲み込めず目を丸くする火鱗ににこりと笑いかければ、少し遅れて彼も目を細めた。それからそっと両頬に手を添えられる。そして、
「お・ま・え・なー! 良い度胸してんじゃねぇか!!」
青筋を立てた火鱗にそのままむぎゅーっと思い切り左右に引っ張られ、本気で頬っぺたが取れるんじゃないかと思った。まさかそんなに怒るとは。
「いひゃい……」
「これに懲りたらもう二度とすんじゃねぇぞ」
「だって、火鱗に新しく買った水着見てほしかったんだもん」
「お前な、普通に見せればいいだろうが」
それじゃあ赤面するかわいい火鱗が見れないじゃんと喉元まで出かかって、また頬を摘まれては堪らないと何とか飲み込む。代わりに水着の感想を求めると「あー、いんじゃね」と素っ気ない返事が返ってきた。
「もっとないの? 火鱗とプール行くの楽しみでかわいいいの選んだのに」
「はいはい、かわいいかわいい」
「心がこもってない! もっと感情を込めて!」
火鱗の服の襟を掴んで訴えるも、彼はくつくつと笑うばかり。完全に面白がっている。
「もういい、友達と行くから」
ぷいとそっぽを向いてそう告げれば、不意にお腹に腕が回されそのまま抱き寄せられた。そして「それはダメ」と耳元に少し掠れた声が降ってくる。
「ちょ、火鱗!?」
後ろからぎゅっと抱きしめられて、身動きが取れない。水着のせいか背中から伝わる火鱗の体温がいつもよりずっと高く感じた。
「……つーかお前の水着姿、誰にも見られたくないんだけど」
「えぇ。でもせっかく買ったし、私火鱗とプール行きたいんだけど」
火鱗は嫌? と上目遣いで後ろの彼に訊ねると、ぐぬぬと悩ましい表情をした火鱗が目に入った。
「そんなに悩む?」
思わず吹き出すと火鱗は尚も難しい顔をして、最後には考えるのを放棄するように頭をぐりぐりと私の肩に押し付けてきた。
「うるせぇな。オトコゴコロは複雑なんだよ」
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