火鱗佐々木
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珍しく火鱗が熱を出した。二人で生活をするようになってから私が熱を出すことは何度かあったけど、火鱗が寝込むのは初めて。体調を崩しやすい季節の変わり目だったり、溜まった疲労だったりと色々なことが重なったのだと思う。
早く良くなってほしいけど、熱がなかなか下がらなくて心配だ。これは初めて知ったのだけど、風邪をひくと能力者は無能力者よりずっと高く熱が上がるらしい。火鱗の体温計の数字を見て、私は卒倒しそうになった。
「火鱗が死んじゃう」
泣きべそをかきながら救急車を呼ぼうとする私を、火鱗は「熱出る時はいつもこんなもんだから!」と慌てて止めた。そしてそのままぐらりと倒れ込んできて、「か、火鱗?!」私はふらふらの彼を引きずるようにして、何とかベッドまで運び込んだ。
「代わってあげられたらいいのにね」
つらそうな表情で眠る火鱗の頬を撫でながらぽつりと呟く。触れた肌はやっぱり熱くて、本当に大丈夫なのかと不安になってくる。氷枕ももうすっかり溶けてしまっている。新しいものに取り替えようと身を屈めると、うっすらと火鱗が目を開けた。
「ごめんね、ちょっと氷枕を……」
「……る」
「え?」
「お前に熱出されるのは困る、から。代わるとか言うな。ばーか」
それだけ言うと、火鱗は緩く笑って再び目を閉じた。
「そんなの、ずるいじゃん」
すぅすぅと寝息を立てる火鱗を眺めながら、ムッとする。私、知ってるんだからね。私が熱を出した時、火鱗が「代わってやれたら」って同じこと言ってたの。
「私にだって心配くらいさせてよ、ばーか」
つんと頬を突くと火鱗の口元が微かに動いた。それが可愛くてもう一回突きたくなったけど、今は我慢して、まだ熱が下がったらその時に思う存分突き倒してやろうと私は心に決めたのだった。
早く良くなってほしいけど、熱がなかなか下がらなくて心配だ。これは初めて知ったのだけど、風邪をひくと能力者は無能力者よりずっと高く熱が上がるらしい。火鱗の体温計の数字を見て、私は卒倒しそうになった。
「火鱗が死んじゃう」
泣きべそをかきながら救急車を呼ぼうとする私を、火鱗は「熱出る時はいつもこんなもんだから!」と慌てて止めた。そしてそのままぐらりと倒れ込んできて、「か、火鱗?!」私はふらふらの彼を引きずるようにして、何とかベッドまで運び込んだ。
「代わってあげられたらいいのにね」
つらそうな表情で眠る火鱗の頬を撫でながらぽつりと呟く。触れた肌はやっぱり熱くて、本当に大丈夫なのかと不安になってくる。氷枕ももうすっかり溶けてしまっている。新しいものに取り替えようと身を屈めると、うっすらと火鱗が目を開けた。
「ごめんね、ちょっと氷枕を……」
「……る」
「え?」
「お前に熱出されるのは困る、から。代わるとか言うな。ばーか」
それだけ言うと、火鱗は緩く笑って再び目を閉じた。
「そんなの、ずるいじゃん」
すぅすぅと寝息を立てる火鱗を眺めながら、ムッとする。私、知ってるんだからね。私が熱を出した時、火鱗が「代わってやれたら」って同じこと言ってたの。
「私にだって心配くらいさせてよ、ばーか」
つんと頬を突くと火鱗の口元が微かに動いた。それが可愛くてもう一回突きたくなったけど、今は我慢して、まだ熱が下がったらその時に思う存分突き倒してやろうと私は心に決めたのだった。