相模屋紺炉
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目の前にはプスプスと黒い煙を立ちのぼらせる得体の知れない物体。これは何? いや、得体は知れている。
これは『とりゅふ』になるはずのものだった。
第八の女の子たちにばれんたいんなる行事を聞いて、簡単なちょこの作り方を教えてもらって。なのに、なのに、どうしてこうなった!? 鍋でちょこを溶かしてただけなのに。火力が強すぎたとか? とりあえず誰かに見つかる前に片さないと。
がたりと台所の戸が開いたのはその時だった。
「外まで焦げ臭ェにおいがしてるンだが大丈夫かい?」
現れたのは紺炉さん。今一番会いたくない人。
「お前さんそれ……」
「す、すぐ片しますから、って紺炉さん!?」
ひょいと覗き込んできた彼が黒い物体に手を伸ばす。かと思えばそれを口に放り込んでじゃりじゃりと音を立てながら「美味ェな」などと宣った。
「嘘つき! そんなの食べちゃだめです」
「ンなこと言うなよ。ちょこれーとだろ、これ」
「うっ、そうですけど」
「なら俺のために作ってくれたもんを食わねェわけにはいかねェな」
そんなこと一言も言ってないのに。違ったかい? と微笑まれては言い返すこともできない。
「不味いのに」
「ンなこたねェよ。まぁ俺にとって一番大事なのは味じゃなくて誰が作ったかだがな」
ああもう、敵わないなぁ。
これは『とりゅふ』になるはずのものだった。
第八の女の子たちにばれんたいんなる行事を聞いて、簡単なちょこの作り方を教えてもらって。なのに、なのに、どうしてこうなった!? 鍋でちょこを溶かしてただけなのに。火力が強すぎたとか? とりあえず誰かに見つかる前に片さないと。
がたりと台所の戸が開いたのはその時だった。
「外まで焦げ臭ェにおいがしてるンだが大丈夫かい?」
現れたのは紺炉さん。今一番会いたくない人。
「お前さんそれ……」
「す、すぐ片しますから、って紺炉さん!?」
ひょいと覗き込んできた彼が黒い物体に手を伸ばす。かと思えばそれを口に放り込んでじゃりじゃりと音を立てながら「美味ェな」などと宣った。
「嘘つき! そんなの食べちゃだめです」
「ンなこと言うなよ。ちょこれーとだろ、これ」
「うっ、そうですけど」
「なら俺のために作ってくれたもんを食わねェわけにはいかねェな」
そんなこと一言も言ってないのに。違ったかい? と微笑まれては言い返すこともできない。
「不味いのに」
「ンなこたねェよ。まぁ俺にとって一番大事なのは味じゃなくて誰が作ったかだがな」
ああもう、敵わないなぁ。
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