相模屋紺炉
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「紺炉さん、お願いがあるんですけど」
「おう、どうした?」
不思議そうに首を傾けるその人の、右手を掴んで持ち上げて、左手も掴んで持ち上げる。両手を広げる格好にさせられて、紺炉さんはさらに顔をきょとんとさせた。
そこに思い切り飛び込む。
「お、おい……」
狼狽える声を無視して背中に腕を回す。やっぱり全然届かないや。代わりに寝間着に皺が付くくらい腕に力を込めて大きく息を吸い込むと、彼自身の匂いと薬独特の匂いの混じった空気が肺いっぱいに広がった。湯上がりなのか石鹸の匂いもする。
「何してンだ?」
「充電してます」
「充電」
「こうでもしないと明日からの仕事が頑張れません。紺炉さんがぎゅってしてくれたら一週間頑張れるかもです」
「こうかい?」
背中に腕が回される気配がした。優しく抱きしめられて、大きな手のひらが子をあやすように頭を撫でる。あたたかくて、伝わってくる心音が、匂いが心地良い。嫌な気持ちでいっぱいだった心が好きな人のぬくもりで満たされて。これならきっと、明日からも頑張れる。
もう一度深く呼吸をして、ゆっくりと背中に回していた腕から力を抜いた。
「ありがとうございます。もう大丈夫で……あの、紺炉さん?」
逞しい腕は私がもういいと叩いたところでびくともしなかった。それどころか抱きすくめられてしまい、安定を求めて彼の首にしがみつく。
「そりゃ良かった。けど俺はまだ充電が足りなくてな」
紺炉さんの唇が誘うように弧を描く。声はひどく優しいのに、瞳の奥に揺れる熱は火傷しそうなほど熱い。
「勿論、付き合ってくれるよな」
言いながら彼はすでに自室に向かって歩き出していた。
逃がすつもりなんてないじゃない。
ひたひたと部屋へ向かう足音を聞きながら、私は明日起きれるかなと真剣に考え始めていた。
「おう、どうした?」
不思議そうに首を傾けるその人の、右手を掴んで持ち上げて、左手も掴んで持ち上げる。両手を広げる格好にさせられて、紺炉さんはさらに顔をきょとんとさせた。
そこに思い切り飛び込む。
「お、おい……」
狼狽える声を無視して背中に腕を回す。やっぱり全然届かないや。代わりに寝間着に皺が付くくらい腕に力を込めて大きく息を吸い込むと、彼自身の匂いと薬独特の匂いの混じった空気が肺いっぱいに広がった。湯上がりなのか石鹸の匂いもする。
「何してンだ?」
「充電してます」
「充電」
「こうでもしないと明日からの仕事が頑張れません。紺炉さんがぎゅってしてくれたら一週間頑張れるかもです」
「こうかい?」
背中に腕が回される気配がした。優しく抱きしめられて、大きな手のひらが子をあやすように頭を撫でる。あたたかくて、伝わってくる心音が、匂いが心地良い。嫌な気持ちでいっぱいだった心が好きな人のぬくもりで満たされて。これならきっと、明日からも頑張れる。
もう一度深く呼吸をして、ゆっくりと背中に回していた腕から力を抜いた。
「ありがとうございます。もう大丈夫で……あの、紺炉さん?」
逞しい腕は私がもういいと叩いたところでびくともしなかった。それどころか抱きすくめられてしまい、安定を求めて彼の首にしがみつく。
「そりゃ良かった。けど俺はまだ充電が足りなくてな」
紺炉さんの唇が誘うように弧を描く。声はひどく優しいのに、瞳の奥に揺れる熱は火傷しそうなほど熱い。
「勿論、付き合ってくれるよな」
言いながら彼はすでに自室に向かって歩き出していた。
逃がすつもりなんてないじゃない。
ひたひたと部屋へ向かう足音を聞きながら、私は明日起きれるかなと真剣に考え始めていた。