蘇枋隼飛
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しゃら、と音が聞こえただけで、優雅に揺れるタッセルピアスが目に浮かぶ。
彼の、蘇枋くんの音だ。
最近はその音を聞き取れるようになってきて、彼が声を掛けてくるより先に、近づく気配に気づけるようになった。くるりと振り返ると、蘇枋くんは一瞬きょとんとしてから「よくわかったね」と目元を緩ませる。その顔が見たくて音に気づけるよう耳を澄ませているのだけど、恥ずかしいから内緒にしておく。
今日もあの顔が見れるだろうか。
待ち合わせ場所で蘇枋くんを待ちながらそんなことを考えていると、突然背後から腕を引っ張られた。
「みゃっ⁈」
そのまま抵抗する間もなく抱きしめられて、私はぴしりと石像のように固まった。すると「ふっ、くく……」聞こえてきたのは堪えきれないといった感じの笑い声と、しゃらと揺れるあの音。
「もしかして、蘇枋くん?」
「うん、正解」
「もー、びっくりしたあ」
「みゃって言ってたね。かわいい」
「それは忘れてください。お願いだから」
後ろから抱きしめられていて顔は見えないけれど、微かに身体が揺れているから彼はまだ笑っているのかもしれない。こっちは驚きすぎてまだ心臓がバクバクしているというのに。むぅと頬を膨らませると、蘇枋くんは「ごめんごめん」と私の頭に頬を擦り寄せてきた。
「最近オレが近づくと君すぐに気づくから驚かせたくてさ」
「そういえば音しなかった!」
「音? ああ、それで。あんなの消して歩くくらいわけないよ」
あははと笑いながら蘇枋くんはさらりととんでもないことを言った気がするけれど、冗談ではないのだろう。その証拠にそれから彼は足音もなく私の前に現れるようになり、その度に色気のない悲鳴を上げる私を見て、満足そうに笑うのだった。
彼の、蘇枋くんの音だ。
最近はその音を聞き取れるようになってきて、彼が声を掛けてくるより先に、近づく気配に気づけるようになった。くるりと振り返ると、蘇枋くんは一瞬きょとんとしてから「よくわかったね」と目元を緩ませる。その顔が見たくて音に気づけるよう耳を澄ませているのだけど、恥ずかしいから内緒にしておく。
今日もあの顔が見れるだろうか。
待ち合わせ場所で蘇枋くんを待ちながらそんなことを考えていると、突然背後から腕を引っ張られた。
「みゃっ⁈」
そのまま抵抗する間もなく抱きしめられて、私はぴしりと石像のように固まった。すると「ふっ、くく……」聞こえてきたのは堪えきれないといった感じの笑い声と、しゃらと揺れるあの音。
「もしかして、蘇枋くん?」
「うん、正解」
「もー、びっくりしたあ」
「みゃって言ってたね。かわいい」
「それは忘れてください。お願いだから」
後ろから抱きしめられていて顔は見えないけれど、微かに身体が揺れているから彼はまだ笑っているのかもしれない。こっちは驚きすぎてまだ心臓がバクバクしているというのに。むぅと頬を膨らませると、蘇枋くんは「ごめんごめん」と私の頭に頬を擦り寄せてきた。
「最近オレが近づくと君すぐに気づくから驚かせたくてさ」
「そういえば音しなかった!」
「音? ああ、それで。あんなの消して歩くくらいわけないよ」
あははと笑いながら蘇枋くんはさらりととんでもないことを言った気がするけれど、冗談ではないのだろう。その証拠にそれから彼は足音もなく私の前に現れるようになり、その度に色気のない悲鳴を上げる私を見て、満足そうに笑うのだった。
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