鳴海弦
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「イヤだ!」
「嫌じゃない! ほら行きますよ健康診断」
「ボクは行かないぞ! 健康そのものだからな」
ひしっと隊長室の扉に張り付いて、イヤイヤと首を振る鳴海隊長にどの口が言う? と思わず目を見張ってしまった。汚部屋に散らばるのはスナック菓子にインスタント食品、エナジードリンクのゴミ等々。それに加えてゲームのやりすぎによる睡眠不足に眼精疲労。誰がどう見ても不健康代表である。
そんな鳴海隊長にこそ年に一度の健康診断くらいはきちんと受けてほしいのだけど、さっきから一向に部屋の前から動こうとしてくれなかった。長谷川副隊長がいたら無理やり連れて行ってくれるのだけど、残念ながら今日は一日会議で席を外している。どうしたものか。そもそも、何をそんなに嫌がっているのか。まさかとは思うけど、もしかして……。
「採血が苦手、とか?」
散々喚き散らしていた鳴海隊長が私の言葉にぴたりと止まった。え、本当に?
「……べ、別に苦手じゃない! 健康なのに血を採る必要はないだろ」
そう言う鳴海隊長の目は盛大に泳いでいた。注射が苦手だった幼い頃の弟と全く同じ反応をしている。
「採血は問題がないか検査するためにするんですよ」
「そんなことは知らん! 嫌なものは嫌だ!」
困った。これでは話が進まない。私は屈強な部下たちに連絡を取る準備をしつつ、会話を続けた。
「じゃあ、ご褒美があったら頑張れますか?」
「はっ、バカかキミは。そんなものでこのボクが釣られるとでも……」
「身体測定、心電図、エックス線等々、検査を一つ終えるごとに鳴海隊長のヤマゾン欲しいものリストから一つプレゼント。採血の場合は特別に三つプレゼント」
「乗ったぁ!」
弟の時は駄菓子で大喜びだったけど、さすがに鳴海隊長はこれくらいしないとだめか。無事乗ってくれたから結果オーライだけど、お金は……あとで必要経費として経理に請求しよう。
「思ったよりすんなり釣れてくれてよかったです。弟は頭撫でてくれないとヤダって、甘えてしょうがなかったですから」
うっかりそんな話をしてしまったからだろうか。無事健康診断を終えた鳴海隊長が、採血された腕を押さえながら何か忘れてないかと頭を下げてアピールしてきたのは予想外だった。
「嫌じゃない! ほら行きますよ健康診断」
「ボクは行かないぞ! 健康そのものだからな」
ひしっと隊長室の扉に張り付いて、イヤイヤと首を振る鳴海隊長にどの口が言う? と思わず目を見張ってしまった。汚部屋に散らばるのはスナック菓子にインスタント食品、エナジードリンクのゴミ等々。それに加えてゲームのやりすぎによる睡眠不足に眼精疲労。誰がどう見ても不健康代表である。
そんな鳴海隊長にこそ年に一度の健康診断くらいはきちんと受けてほしいのだけど、さっきから一向に部屋の前から動こうとしてくれなかった。長谷川副隊長がいたら無理やり連れて行ってくれるのだけど、残念ながら今日は一日会議で席を外している。どうしたものか。そもそも、何をそんなに嫌がっているのか。まさかとは思うけど、もしかして……。
「採血が苦手、とか?」
散々喚き散らしていた鳴海隊長が私の言葉にぴたりと止まった。え、本当に?
「……べ、別に苦手じゃない! 健康なのに血を採る必要はないだろ」
そう言う鳴海隊長の目は盛大に泳いでいた。注射が苦手だった幼い頃の弟と全く同じ反応をしている。
「採血は問題がないか検査するためにするんですよ」
「そんなことは知らん! 嫌なものは嫌だ!」
困った。これでは話が進まない。私は屈強な部下たちに連絡を取る準備をしつつ、会話を続けた。
「じゃあ、ご褒美があったら頑張れますか?」
「はっ、バカかキミは。そんなものでこのボクが釣られるとでも……」
「身体測定、心電図、エックス線等々、検査を一つ終えるごとに鳴海隊長のヤマゾン欲しいものリストから一つプレゼント。採血の場合は特別に三つプレゼント」
「乗ったぁ!」
弟の時は駄菓子で大喜びだったけど、さすがに鳴海隊長はこれくらいしないとだめか。無事乗ってくれたから結果オーライだけど、お金は……あとで必要経費として経理に請求しよう。
「思ったよりすんなり釣れてくれてよかったです。弟は頭撫でてくれないとヤダって、甘えてしょうがなかったですから」
うっかりそんな話をしてしまったからだろうか。無事健康診断を終えた鳴海隊長が、採血された腕を押さえながら何か忘れてないかと頭を下げてアピールしてきたのは予想外だった。