鳴海弦
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「鳴海隊長、鳴海隊長!」
ばん、と勢いよく扉が開く音とともにそいつはやって来た。
聞こえているというのに何度もボクの名前を連呼して、相変わらずうるさいやつ。まさに嵐のよう、いや懐いた近所の犬のが近いかもしれない。ボクを見るたびしっぽを振って、キャンキャン吠える小型犬。
思えば新人の頃からそうだった。ろくに指導をした覚えはないが、当時は先輩先輩と何故かすごく懐かれて。まぁ、悪い気はしなかったが。
そんな部下は慣れた様子で段ボールの山を掻い潜り、床に散らばったごみを上手いこと避けボクの元へとやって来た。
「まだ寝てたんですか?」
「うるさい、まだ朝だろ」
もぞもぞと布団にもぐり直そうとすると容赦なく引っぺがされる。寒い。
「もう昼の12時過ぎてます。そんなことより聞いてくださいよ!」
そんなことよりって今のボクには惰眠を貪ることより大事なことはないんだが、部下は何やら聞いてほしくて堪らない様子。
ーー仕方ないな。布団に胡座をかいて頬杖をつくと、部下はそれを良しと受け取ったらしい。パァッと目を輝かせて嬉しそうに語り出す。
「実は……」
「桜でも咲いたか?」
ぱちりと不思議そうに目を瞬かせる姿につい口端が上がる。どうしてわかったのかと言いたげだ。
「言っておくが、花見には行かんぞ」
「ええー」
不満げに唇を尖らせる部下に手を伸ばす。一体どこで付けてきたのやら、肩ではねる髪を梳いてやれば、淡い色合いの花びらが手の中に収まった。
「ボクにはこれで充分だ」
ばん、と勢いよく扉が開く音とともにそいつはやって来た。
聞こえているというのに何度もボクの名前を連呼して、相変わらずうるさいやつ。まさに嵐のよう、いや懐いた近所の犬のが近いかもしれない。ボクを見るたびしっぽを振って、キャンキャン吠える小型犬。
思えば新人の頃からそうだった。ろくに指導をした覚えはないが、当時は先輩先輩と何故かすごく懐かれて。まぁ、悪い気はしなかったが。
そんな部下は慣れた様子で段ボールの山を掻い潜り、床に散らばったごみを上手いこと避けボクの元へとやって来た。
「まだ寝てたんですか?」
「うるさい、まだ朝だろ」
もぞもぞと布団にもぐり直そうとすると容赦なく引っぺがされる。寒い。
「もう昼の12時過ぎてます。そんなことより聞いてくださいよ!」
そんなことよりって今のボクには惰眠を貪ることより大事なことはないんだが、部下は何やら聞いてほしくて堪らない様子。
ーー仕方ないな。布団に胡座をかいて頬杖をつくと、部下はそれを良しと受け取ったらしい。パァッと目を輝かせて嬉しそうに語り出す。
「実は……」
「桜でも咲いたか?」
ぱちりと不思議そうに目を瞬かせる姿につい口端が上がる。どうしてわかったのかと言いたげだ。
「言っておくが、花見には行かんぞ」
「ええー」
不満げに唇を尖らせる部下に手を伸ばす。一体どこで付けてきたのやら、肩ではねる髪を梳いてやれば、淡い色合いの花びらが手の中に収まった。
「ボクにはこれで充分だ」