保科宗四郎
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「宗四郎さんって、こわいものとかあるんですか?」
新人たちに保科副隊長に苦手なものやこわいものはあるのかと訊ねられたものの、仕事中に聞くのもなと思い後回しにしていたらこんな夜更けになってしまった。
会議が長引き今さっき帰ってきた宗四郎さんは風呂上がりで濡れた髪をバスタオルで拭きながら、きょとんと首を傾げる。
「こわいもの?」
私はこくりと頷いた。
周囲からすれば日本防衛隊第3部隊の副隊長である彼にこわいものなどないように見える。そして彼の恋人である私からしてもそれは同じ。
ないことはないのだろうけど、隠すのが上手いのか。宗四郎さんが何かに対してこわがっているところを今まで一度も見たことがない。
今日だって明日非番だからと、私が気になりつつもこわくて一人で観られないホラー映画に付き合ってくれるというし。
「そら僕かてこわいもんの一つや二つはあるで」
「そうなんですか!? た、例えば……?」
恋人の知らない一面を知れるかもしれないと前のめりになる私に宗四郎さんが苦笑する。
それからソファに座る私の隣に腰掛け、うーんと考えるような素振りをした。
「僕な、手触られるのこわいねん」
「手ですか?」
でもデートの時にはいつも手を繋いでいるような。もしかして嫌だったのだろうか。さぁっと青くなる私に宗四郎さんが慌てて訂正する。
「手繋ぐのが嫌なんやないで。なんて言うか、触り方?」
触り方。どういうのがこわいのだろう。今後のためにも試しに宗四郎さんの手に触れてみる。彼の手の甲を指先でつついたり、つつっとなぞってみたり。
「あー、それめっちゃこわい」
宗四郎さんは眉間に皺を寄せ身震いをする。それからすぐに嗜めるように私の手を掴んだ。悪さをしないようにぎゅっと握り込まれてしまう。
「あと急に抱きついてこられるのもこわいなぁ」
「ええっ!?」
それはハグも今後はあまりしないほうがいいということだろうか。「心臓に悪いねんな」と付け加えた宗四郎さんは、試してみるかとばかりに両手を広げた。こわいならやらないほうがいいのではと思うものの、無碍にもできず抱きついてみる。
「あー、こわ。ほんまにこわいわぁ。こわくてこわくてしゃーないわー」
ぎゅうぎゅうと苦しくなるほどに抱きしめられ、そこでようやく私も気づく。
「宗四郎さん」
「ん?」
「嘘ついてますよね」
ジトリと睨むと宗四郎さんはきゅうっと目元を細め、より一層私を強く抱き込んだ。
「そんなことないで。僕は君に触られんのも、抱きつかれるのも、モンブランもまんじゅうも。ぜーんぶこわい」
新人たちに保科副隊長に苦手なものやこわいものはあるのかと訊ねられたものの、仕事中に聞くのもなと思い後回しにしていたらこんな夜更けになってしまった。
会議が長引き今さっき帰ってきた宗四郎さんは風呂上がりで濡れた髪をバスタオルで拭きながら、きょとんと首を傾げる。
「こわいもの?」
私はこくりと頷いた。
周囲からすれば日本防衛隊第3部隊の副隊長である彼にこわいものなどないように見える。そして彼の恋人である私からしてもそれは同じ。
ないことはないのだろうけど、隠すのが上手いのか。宗四郎さんが何かに対してこわがっているところを今まで一度も見たことがない。
今日だって明日非番だからと、私が気になりつつもこわくて一人で観られないホラー映画に付き合ってくれるというし。
「そら僕かてこわいもんの一つや二つはあるで」
「そうなんですか!? た、例えば……?」
恋人の知らない一面を知れるかもしれないと前のめりになる私に宗四郎さんが苦笑する。
それからソファに座る私の隣に腰掛け、うーんと考えるような素振りをした。
「僕な、手触られるのこわいねん」
「手ですか?」
でもデートの時にはいつも手を繋いでいるような。もしかして嫌だったのだろうか。さぁっと青くなる私に宗四郎さんが慌てて訂正する。
「手繋ぐのが嫌なんやないで。なんて言うか、触り方?」
触り方。どういうのがこわいのだろう。今後のためにも試しに宗四郎さんの手に触れてみる。彼の手の甲を指先でつついたり、つつっとなぞってみたり。
「あー、それめっちゃこわい」
宗四郎さんは眉間に皺を寄せ身震いをする。それからすぐに嗜めるように私の手を掴んだ。悪さをしないようにぎゅっと握り込まれてしまう。
「あと急に抱きついてこられるのもこわいなぁ」
「ええっ!?」
それはハグも今後はあまりしないほうがいいということだろうか。「心臓に悪いねんな」と付け加えた宗四郎さんは、試してみるかとばかりに両手を広げた。こわいならやらないほうがいいのではと思うものの、無碍にもできず抱きついてみる。
「あー、こわ。ほんまにこわいわぁ。こわくてこわくてしゃーないわー」
ぎゅうぎゅうと苦しくなるほどに抱きしめられ、そこでようやく私も気づく。
「宗四郎さん」
「ん?」
「嘘ついてますよね」
ジトリと睨むと宗四郎さんはきゅうっと目元を細め、より一層私を強く抱き込んだ。
「そんなことないで。僕は君に触られんのも、抱きつかれるのも、モンブランもまんじゅうも。ぜーんぶこわい」