保科宗四郎
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「んんー、終わったー!」
ぐっと大きく伸びをして一気に脱力する。普段ならここまで気を抜いたりしないけど、今は執務室に一人きりだから少しくらいならいいだろう。
くたりと椅子にもたれかかり、デスクに積み上がった書類を見つめる。思わずふふんと自慢げに鼻を鳴らしたのは達成感からだ。
そう、私はやってやったのだ。あの溜まりに溜まった報告書や議事録の山を、一晩で全部片付けたのだ。
もちろん夜勤という日中より人が少なく静かで集中できる環境があってのことだけれど、よくやったと自分で自分を褒めてあげたい。
今日はまだ怪獣も出現していないしこのまま無事勤務が終わったら、帰りにコンビニで好きなものを買って帰ろう。お気に入りのプリン、いや新作のアイスも捨てがたい。
そんなことを考えながらマグカップに手を伸ばすと、事務仕事のお供にしていたカフェオレはすっかり空になっていた。
カフェインの取りすぎはよくないとわかっているものの、夜はまだまだ長い。私は報告書を提出するついでに、カフェオレのおかわりを求め給湯室に寄ることにした。
給湯室までの廊下をいつもより長く感じるのは辺りがしんと静まり返っているからかもしれない。昼とはまた違った顔を覗かせる深夜の立川基地。同僚の中には夜勤を嫌がる人もいるけれど、私はこの静かな時間が結構好きだったりする。もちろん怪獣警報が出ていない場合に限り、だけども。
「あれ?」
思わず足を止めたのは給湯室から光が漏れているのが見えたからだ。どうやら先客がいたようで、今日の夜勤はどの隊だったかなと考える。もしかしたら同期がいるかもと中を覗くと、そこにいたのは意外な人物だった。
「保科副隊長?」
私の声に名前を呼ばれた人物がぴくりと肩を揺らす。
「びっ……くりした。なんや君か」
珍しく一瞬驚いた顔を見せた保科副隊長は私を見るなりほっと息を吐いた。
「すみません、驚かせるつもりはなかったんですが。保科副隊長も休憩ですか?」
コーヒーを淹れるならついでに私のも。そう思い空のマグカップを差し出すと、保科副隊長がにやりと笑った。
「休憩は休憩やけど、コーヒーブレイクとちゃうで」
「え?」
じゃあ一体何を。そう問うより先に保科副隊長がかさりと音を立ててあるものを取り出した。
「そ、それは……!!」
私は思わず後ずさった。それから震える声で保科副隊長に問いかける。
「もしかして、今からそれを食べる気ですか」
「あたりまえやん! ここに居合わせたからにも君も共犯者になってもらうで。せっかくやし一緒に食お」
「いや、私は……」
「ちなみに冷凍ご飯とチーズ、卵のご用意もございます」
「くっ」
保科副隊長が手にしていたのは辛いので有名なインスタントラーメンだった。深夜にラーメンというだけでも背徳感がすごいのに、締めのおじやまで作るつもりなのか冷凍ご飯も準備して。しかもトッピングにとろけるチーズと卵まで。
だめだ。カフェオレを淹れに来ただけなのに、ここにいたら忘れかけていた空腹が目を覚ましてしまう。何よりこの時間にあのラーメンはやばい。今からでも断って、早くこの場から立ち去らないと。
しかしそうこうしている間にも保科副隊長は手際良く夜食を作り進めていく。決して広くはない給湯室はあっという間に食欲を刺激する香りでいっぱいになった。
「はい、おまちどうさん」
決して、決して待ってはいないのだけど。私の分まで丼を用意されてしまっては、今更断りようもない。ーーいや、せっかく保科副隊長が作ってくれたものを断るなんて失礼だ!
「僕はこのままでもええけど君はどうする? チーズかけるか?」
「うっ、お願いします」
「ほなたっぷりかけとくな」
赤いラーメンスープにチーズが溶け込んでゆく。ああ、食べなくてもわかる。これ、絶対おいしいやつだ。
「どう? 美味いやろ」
「めちゃくちゃおいしいです」
それはもうぺろっといけてしまうほど。この時間だからよりそう感じるのもあるだろう。深夜ラーメンはまさに背徳の味である。
「まだいけそうならおじやも作るけどどないする?」
「お願いします!」
食い気味に返事をする私に、保科副隊長が嬉しそうに目を細める。
カロリー? 今日は頭をいっぱい使ったからきっと大丈夫。……保科副隊長さえよければ、この後対人訓練に付き合ってもらおう。
ぐっと大きく伸びをして一気に脱力する。普段ならここまで気を抜いたりしないけど、今は執務室に一人きりだから少しくらいならいいだろう。
くたりと椅子にもたれかかり、デスクに積み上がった書類を見つめる。思わずふふんと自慢げに鼻を鳴らしたのは達成感からだ。
そう、私はやってやったのだ。あの溜まりに溜まった報告書や議事録の山を、一晩で全部片付けたのだ。
もちろん夜勤という日中より人が少なく静かで集中できる環境があってのことだけれど、よくやったと自分で自分を褒めてあげたい。
今日はまだ怪獣も出現していないしこのまま無事勤務が終わったら、帰りにコンビニで好きなものを買って帰ろう。お気に入りのプリン、いや新作のアイスも捨てがたい。
そんなことを考えながらマグカップに手を伸ばすと、事務仕事のお供にしていたカフェオレはすっかり空になっていた。
カフェインの取りすぎはよくないとわかっているものの、夜はまだまだ長い。私は報告書を提出するついでに、カフェオレのおかわりを求め給湯室に寄ることにした。
給湯室までの廊下をいつもより長く感じるのは辺りがしんと静まり返っているからかもしれない。昼とはまた違った顔を覗かせる深夜の立川基地。同僚の中には夜勤を嫌がる人もいるけれど、私はこの静かな時間が結構好きだったりする。もちろん怪獣警報が出ていない場合に限り、だけども。
「あれ?」
思わず足を止めたのは給湯室から光が漏れているのが見えたからだ。どうやら先客がいたようで、今日の夜勤はどの隊だったかなと考える。もしかしたら同期がいるかもと中を覗くと、そこにいたのは意外な人物だった。
「保科副隊長?」
私の声に名前を呼ばれた人物がぴくりと肩を揺らす。
「びっ……くりした。なんや君か」
珍しく一瞬驚いた顔を見せた保科副隊長は私を見るなりほっと息を吐いた。
「すみません、驚かせるつもりはなかったんですが。保科副隊長も休憩ですか?」
コーヒーを淹れるならついでに私のも。そう思い空のマグカップを差し出すと、保科副隊長がにやりと笑った。
「休憩は休憩やけど、コーヒーブレイクとちゃうで」
「え?」
じゃあ一体何を。そう問うより先に保科副隊長がかさりと音を立ててあるものを取り出した。
「そ、それは……!!」
私は思わず後ずさった。それから震える声で保科副隊長に問いかける。
「もしかして、今からそれを食べる気ですか」
「あたりまえやん! ここに居合わせたからにも君も共犯者になってもらうで。せっかくやし一緒に食お」
「いや、私は……」
「ちなみに冷凍ご飯とチーズ、卵のご用意もございます」
「くっ」
保科副隊長が手にしていたのは辛いので有名なインスタントラーメンだった。深夜にラーメンというだけでも背徳感がすごいのに、締めのおじやまで作るつもりなのか冷凍ご飯も準備して。しかもトッピングにとろけるチーズと卵まで。
だめだ。カフェオレを淹れに来ただけなのに、ここにいたら忘れかけていた空腹が目を覚ましてしまう。何よりこの時間にあのラーメンはやばい。今からでも断って、早くこの場から立ち去らないと。
しかしそうこうしている間にも保科副隊長は手際良く夜食を作り進めていく。決して広くはない給湯室はあっという間に食欲を刺激する香りでいっぱいになった。
「はい、おまちどうさん」
決して、決して待ってはいないのだけど。私の分まで丼を用意されてしまっては、今更断りようもない。ーーいや、せっかく保科副隊長が作ってくれたものを断るなんて失礼だ!
「僕はこのままでもええけど君はどうする? チーズかけるか?」
「うっ、お願いします」
「ほなたっぷりかけとくな」
赤いラーメンスープにチーズが溶け込んでゆく。ああ、食べなくてもわかる。これ、絶対おいしいやつだ。
「どう? 美味いやろ」
「めちゃくちゃおいしいです」
それはもうぺろっといけてしまうほど。この時間だからよりそう感じるのもあるだろう。深夜ラーメンはまさに背徳の味である。
「まだいけそうならおじやも作るけどどないする?」
「お願いします!」
食い気味に返事をする私に、保科副隊長が嬉しそうに目を細める。
カロリー? 今日は頭をいっぱい使ったからきっと大丈夫。……保科副隊長さえよければ、この後対人訓練に付き合ってもらおう。