保科宗四郎
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明日は二人揃っての非番だという日の夜、宗四郎さんが帰宅するなり「飯買いに行こ!」と言い出した。怪獣討伐や報告書の提出ですっかり帰るのが遅くなり、晩ご飯を作る気力のなかった私は喜んでその提案に乗ることにした。
行き先はこれまた宗四郎さんの提案で、ハンバーガーチェーン店。防衛隊は身体が資本だからと普段から健康に気を遣っている宗四郎さんには珍しいチョイスだけど、疲れた身体がジャンクフードを欲しがっとると言われれば同意しかなかった。
期間限定のバーガーセットをそれぞれ注文して、ほんの少しだけ秋の気配を含んだ夜風を浴びながら家までの道のりを並んで歩く。手の甲同士が触れ合えば自然とそのまま大きな手に握り込まれて、私もそっと握り返した。
「あ、見てみ」
そう言って宗四郎さんが空を見上げた。つられるように顔を上げれば、そこには綺麗な満月が浮かんでいた。そういえば今朝ニュースで中秋の名月がどうとか話してたっけ。
「月、綺麗やなぁ」
確かに、こんなにも大きくて綺麗に円を描く月を見るのは久しぶりかもしれない。そうですねと相槌を打とうとして、パチリと宗四郎さんと目が合った。「なぁ、そう思わへん?」夜空に浮かぶ満月ではなく、私だけをその目に映して宗四郎さんはもう一度、さっきと同じ言葉を囁いた。月が綺麗だと、まるでどこかの文豪が言ったとされる、愛の告白みたいに。
「っ!」
宗四郎さんはただ思ったことを言っただけかもしれない。だって本当に今日の月は綺麗なのだから。だから愛の告白だなんて私の勘違いだ。
しかしそう思い込もうとした瞬間に、包み込むように繋いでいた手を、指を絡めるようして繋ぎ直された。
「あれ、もしかして伝わらへんかった?」
悪戯っぽく笑う宗四郎さんの顔が月明かりに照らされる。
「ほなもう一回。君にもわかるように言うたるわ」
そう言って耳元で囁かれた言葉はかつて文豪が訳したとされるそれより随分端的で、ロマンチックなものでもなかったけれど、私の鼓動を上げるには十分だった。
行き先はこれまた宗四郎さんの提案で、ハンバーガーチェーン店。防衛隊は身体が資本だからと普段から健康に気を遣っている宗四郎さんには珍しいチョイスだけど、疲れた身体がジャンクフードを欲しがっとると言われれば同意しかなかった。
期間限定のバーガーセットをそれぞれ注文して、ほんの少しだけ秋の気配を含んだ夜風を浴びながら家までの道のりを並んで歩く。手の甲同士が触れ合えば自然とそのまま大きな手に握り込まれて、私もそっと握り返した。
「あ、見てみ」
そう言って宗四郎さんが空を見上げた。つられるように顔を上げれば、そこには綺麗な満月が浮かんでいた。そういえば今朝ニュースで中秋の名月がどうとか話してたっけ。
「月、綺麗やなぁ」
確かに、こんなにも大きくて綺麗に円を描く月を見るのは久しぶりかもしれない。そうですねと相槌を打とうとして、パチリと宗四郎さんと目が合った。「なぁ、そう思わへん?」夜空に浮かぶ満月ではなく、私だけをその目に映して宗四郎さんはもう一度、さっきと同じ言葉を囁いた。月が綺麗だと、まるでどこかの文豪が言ったとされる、愛の告白みたいに。
「っ!」
宗四郎さんはただ思ったことを言っただけかもしれない。だって本当に今日の月は綺麗なのだから。だから愛の告白だなんて私の勘違いだ。
しかしそう思い込もうとした瞬間に、包み込むように繋いでいた手を、指を絡めるようして繋ぎ直された。
「あれ、もしかして伝わらへんかった?」
悪戯っぽく笑う宗四郎さんの顔が月明かりに照らされる。
「ほなもう一回。君にもわかるように言うたるわ」
そう言って耳元で囁かれた言葉はかつて文豪が訳したとされるそれより随分端的で、ロマンチックなものでもなかったけれど、私の鼓動を上げるには十分だった。