保科宗四郎
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笑ったり、泣いたり、怒ったり、恥ずかしがったり。僕の愛弟子はころころと表情が変わる。それこそ、面白いくらいに。だからそれなりに長い付き合いのはずなのに、未だに見ていて飽きることがない。いま、あの子はどんな顔してんのやろ。それが気になって、彼女の声がすればつい目で追ってしまう。
今日も気づけば、彼女を探していた。弾むような声が聞こえるが姿は見えない。……ああ、あそこか。射撃訓練場の傍らにカフカたち新人が集まっている。おそらく彼女はその人集りの中心にいて、後輩たちに教えを乞われているのだろう。愛弟子の身長の低さもあって、ここからではその姿は確認できないが。
「先輩全弾命中すげー!」
「しかも最速とか、どんな練習してんすか?!」
「へへ、そんな大したことは……」
人集りの間から、ちらりと愛弟子の顔が覗く。はにかみながらもまんざらではない、そんな表情。きっと後輩たちに慕われて嬉しいのだろう。僕としても、愛弟子が嬉しそうにしているところを邪魔したくはないのだが。
「おーい、自主練もええけど程々にしとき。早よせんと午後の訓練に遅れんで」
遠くから声をかけると、新人たちは慌てた様子で次の訓練場へと向かっていった。それから少し遅れて、ライフルを抱えた愛弟子がこちらへと駆けてくる。
「お疲れ様です、保科副隊長!」
「お疲れさん。あいつら、なかなか離してくれんくて大変やったやろ」
「いえ、熱心ないい子たちばかりで。私もうかうかしてられないですね」
「なら久々に僕が稽古つけたろか」
「え、いいんですか?!」
僕の言葉に、きらりと愛弟子の目が輝く。「ええよ」とひとつ頷けば、彼女は「やったぁ!」と嬉しそうに顔を綻ばせた。
はにかんだり、喜んだり。彼女の表情は今日もめまぐるしく変わる。どの表情も見逃すのが惜しくはあるけれど。
「……やっぱり、僕を見とる時の君が一番好きやわ」
ぽつりと呟いた言葉は愛弟子の耳に届かなかったらしい。何か言いました? とばかりに小首を傾げる彼女に、僕は静かに首を振る。
「んーん、何でもあらへんよ」
もし聞こえていたら、彼女は一体どんな顔をしただろう。気にはなったものの、それを知るのはもう少し先でも悪くないと、そう思った。
今日も気づけば、彼女を探していた。弾むような声が聞こえるが姿は見えない。……ああ、あそこか。射撃訓練場の傍らにカフカたち新人が集まっている。おそらく彼女はその人集りの中心にいて、後輩たちに教えを乞われているのだろう。愛弟子の身長の低さもあって、ここからではその姿は確認できないが。
「先輩全弾命中すげー!」
「しかも最速とか、どんな練習してんすか?!」
「へへ、そんな大したことは……」
人集りの間から、ちらりと愛弟子の顔が覗く。はにかみながらもまんざらではない、そんな表情。きっと後輩たちに慕われて嬉しいのだろう。僕としても、愛弟子が嬉しそうにしているところを邪魔したくはないのだが。
「おーい、自主練もええけど程々にしとき。早よせんと午後の訓練に遅れんで」
遠くから声をかけると、新人たちは慌てた様子で次の訓練場へと向かっていった。それから少し遅れて、ライフルを抱えた愛弟子がこちらへと駆けてくる。
「お疲れ様です、保科副隊長!」
「お疲れさん。あいつら、なかなか離してくれんくて大変やったやろ」
「いえ、熱心ないい子たちばかりで。私もうかうかしてられないですね」
「なら久々に僕が稽古つけたろか」
「え、いいんですか?!」
僕の言葉に、きらりと愛弟子の目が輝く。「ええよ」とひとつ頷けば、彼女は「やったぁ!」と嬉しそうに顔を綻ばせた。
はにかんだり、喜んだり。彼女の表情は今日もめまぐるしく変わる。どの表情も見逃すのが惜しくはあるけれど。
「……やっぱり、僕を見とる時の君が一番好きやわ」
ぽつりと呟いた言葉は愛弟子の耳に届かなかったらしい。何か言いました? とばかりに小首を傾げる彼女に、僕は静かに首を振る。
「んーん、何でもあらへんよ」
もし聞こえていたら、彼女は一体どんな顔をしただろう。気にはなったものの、それを知るのはもう少し先でも悪くないと、そう思った。