保科宗四郎
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「なにニヤニヤしてんねん」
「え、顔に出てました?!」
保科副隊長からの指摘に、私は思わず両手を顔に持っていった。確かに口角が上がっている。かっこいい先輩でいようと決意したばかりなのに、危ない危ない。
「なんや嬉しいことでもあったん?」
「へへ、実はですね……」
気を抜いたらまた口元が緩んでしまいそうで、私は両頬に手をやったまま保科副隊長に事のあらましを語った。
新しい隊員たちが部隊に入って数か月。元々人数の少ない女性隊員はすぐに打ち解けるのが常だけれど、今年は特に仲が深まるのが早かったように思う。
休みが合えば一緒に出かけるなんてことも多々あって、昨日非番だった私は同じく休みだった後輩の子を誘って遠出をした。車がないと不便だからとレンタカーを借りて迎えに行ったら「先輩かっこいい!」と、尊敬の眼差しとお褒めの言葉を頂いてしまい、私は一気に舞い上がった。入隊してからはあまり車を運転する機会はなかったけれど、昨日ほど運転免許を持っていてよかったと思ったことはない。
「だから、これからは頼れるかっこいい先輩路線でいこうかなと!」
私の話を聞き終えた保科副隊長は「ほーん」と相槌を打ちながら「かっこええ路線ねえ」と続けた。なんだか含みのある言い方だ。
「む、なんなんですか。私がかっこいい先輩目指しちゃ悪いですか?」
「いや、悪ないよ。ええんちゃう?」
にこにこといつもの笑みを浮かべていた保科副隊長の顔から一瞬、表情が消えた。あ、と思った時には腰を抱かれていて、そのまま耳に口付けを落とされる。
「っ?!」
すぐに離れた保科副隊長は何事もなかったかのように飄々としていたが、私はそれどころじゃなかった。ドッドッと、心臓が馬鹿みたいにうるさい。
キスされたほうの耳を押さえ必死に抗議しようとするも、パニックになった私はぱくぱくと口を動かすことしかできず、それを見た保科副隊長はケラケラと楽しげに笑うばかり。
「ええと思うよ、かっこええ先輩。君がかわいいってのは、僕だけが知っとればええし」
そう言って、いまだ何も言い返せない私の腰に手を回し、「もっかいしとこか?」と揶揄ってくる保科副隊長に、私は全力で首を横に振ることしかできなかった。
「え、顔に出てました?!」
保科副隊長からの指摘に、私は思わず両手を顔に持っていった。確かに口角が上がっている。かっこいい先輩でいようと決意したばかりなのに、危ない危ない。
「なんや嬉しいことでもあったん?」
「へへ、実はですね……」
気を抜いたらまた口元が緩んでしまいそうで、私は両頬に手をやったまま保科副隊長に事のあらましを語った。
新しい隊員たちが部隊に入って数か月。元々人数の少ない女性隊員はすぐに打ち解けるのが常だけれど、今年は特に仲が深まるのが早かったように思う。
休みが合えば一緒に出かけるなんてことも多々あって、昨日非番だった私は同じく休みだった後輩の子を誘って遠出をした。車がないと不便だからとレンタカーを借りて迎えに行ったら「先輩かっこいい!」と、尊敬の眼差しとお褒めの言葉を頂いてしまい、私は一気に舞い上がった。入隊してからはあまり車を運転する機会はなかったけれど、昨日ほど運転免許を持っていてよかったと思ったことはない。
「だから、これからは頼れるかっこいい先輩路線でいこうかなと!」
私の話を聞き終えた保科副隊長は「ほーん」と相槌を打ちながら「かっこええ路線ねえ」と続けた。なんだか含みのある言い方だ。
「む、なんなんですか。私がかっこいい先輩目指しちゃ悪いですか?」
「いや、悪ないよ。ええんちゃう?」
にこにこといつもの笑みを浮かべていた保科副隊長の顔から一瞬、表情が消えた。あ、と思った時には腰を抱かれていて、そのまま耳に口付けを落とされる。
「っ?!」
すぐに離れた保科副隊長は何事もなかったかのように飄々としていたが、私はそれどころじゃなかった。ドッドッと、心臓が馬鹿みたいにうるさい。
キスされたほうの耳を押さえ必死に抗議しようとするも、パニックになった私はぱくぱくと口を動かすことしかできず、それを見た保科副隊長はケラケラと楽しげに笑うばかり。
「ええと思うよ、かっこええ先輩。君がかわいいってのは、僕だけが知っとればええし」
そう言って、いまだ何も言い返せない私の腰に手を回し、「もっかいしとこか?」と揶揄ってくる保科副隊長に、私は全力で首を横に振ることしかできなかった。