保科宗四郎
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「キス、してもいいですか?」
恋人にそう言われて、ノーと答えるやつなんてこの世におるんやろか。
僕は瞬時に「ええで!」と返しそうになるのをグッと堪え、顔を赤くして俯く彼女に理由を訊いた。すると、
「きょ、今日はキスの日らしいので」
赤い顔をますます真っ赤に染め上げて、返ってきたのはこれまたかぁいらしい理由。
はあ、どないしよ。わかりきっとったことやけど、僕の彼女が世界一、いや宇宙一かわいい。
かわいすぎてこっちからキスしたなってまう。けど、あかんあかん! せっかく彼女が勇気を出して言うてくれたんやから、今は我慢やで僕!
表向きは至って平静を装いつつ脳内会議を終えると、不安げにこちらを見つめる彼女と目が合った。思った以上に沈黙を貫いていてしまったらしい。
「やっぱり嫌ですか?」
「嫌やない嫌やない! 嬉しいに決まってるやんか!」
僕はおずおずと後退しようとする彼女の腰に手を回して引き寄せた。こんな滅多にない機会逃してたまるか。彼女の腰を抱いたまま、催促するように目を閉じ軽く顔を上げる。
「じゃ、じゃあ失礼します」
彼女がこちらに身を乗り出したのか、少しだけソファが軋んだ。それからすぐにひんやりとした手が両頬に添えられ、唇に柔らかいものが触れる。時間にして一、二秒ほど。キスなんて今まで何度もしているはずなのに妙にドキドキしてしまうのは、初めてのされる側だからだろうか。
触れていたものが離れていく気配にゆっくりと目を開けると、彼女が恥ずかしそうに唇を引き結んでいた。そんな姿もかわいくて、それを言葉にしようとした矢先ーー。
「っ?!」
僕の声は再び顔を近づけてきた彼女によって飲み込まれた。拙く動く小さな熱はどうしようもなく甘く、僕の余裕と理性をあっという間に溶かしていく。
あーあ、今日はそんなつもりやなかったのに。
「……それはずるいわ、君」
くるりと身体を反転させて、彼女を見下ろす。すると彼女は驚いたように瞬きし、僕のほうへと手を伸ばした。
「わ、宗四郎さん顔あか……っ」
今度は僕が彼女の口を塞ぐ番。てか何で君のが余裕あんねん。仕返しとばかりに口づけるも、なかなか彼女の余裕はなくならない。僕を撫でながら「かわいい」ってなんやねん、かわいいって。
終いには寝室でも「今日は私が……」なんて言い始め、嬉しい申し出にぐらつきかけたが何とか耐えた。彼女は見たそうやったけど、これ以上余裕のないとこ見られるんは僕が耐えられへん。
だから、なおもはりきる彼女を大人しくさせる意味でも仕返しが仕返しどころでなくなってしまったのは、仕方のないことだ。
恋人にそう言われて、ノーと答えるやつなんてこの世におるんやろか。
僕は瞬時に「ええで!」と返しそうになるのをグッと堪え、顔を赤くして俯く彼女に理由を訊いた。すると、
「きょ、今日はキスの日らしいので」
赤い顔をますます真っ赤に染め上げて、返ってきたのはこれまたかぁいらしい理由。
はあ、どないしよ。わかりきっとったことやけど、僕の彼女が世界一、いや宇宙一かわいい。
かわいすぎてこっちからキスしたなってまう。けど、あかんあかん! せっかく彼女が勇気を出して言うてくれたんやから、今は我慢やで僕!
表向きは至って平静を装いつつ脳内会議を終えると、不安げにこちらを見つめる彼女と目が合った。思った以上に沈黙を貫いていてしまったらしい。
「やっぱり嫌ですか?」
「嫌やない嫌やない! 嬉しいに決まってるやんか!」
僕はおずおずと後退しようとする彼女の腰に手を回して引き寄せた。こんな滅多にない機会逃してたまるか。彼女の腰を抱いたまま、催促するように目を閉じ軽く顔を上げる。
「じゃ、じゃあ失礼します」
彼女がこちらに身を乗り出したのか、少しだけソファが軋んだ。それからすぐにひんやりとした手が両頬に添えられ、唇に柔らかいものが触れる。時間にして一、二秒ほど。キスなんて今まで何度もしているはずなのに妙にドキドキしてしまうのは、初めてのされる側だからだろうか。
触れていたものが離れていく気配にゆっくりと目を開けると、彼女が恥ずかしそうに唇を引き結んでいた。そんな姿もかわいくて、それを言葉にしようとした矢先ーー。
「っ?!」
僕の声は再び顔を近づけてきた彼女によって飲み込まれた。拙く動く小さな熱はどうしようもなく甘く、僕の余裕と理性をあっという間に溶かしていく。
あーあ、今日はそんなつもりやなかったのに。
「……それはずるいわ、君」
くるりと身体を反転させて、彼女を見下ろす。すると彼女は驚いたように瞬きし、僕のほうへと手を伸ばした。
「わ、宗四郎さん顔あか……っ」
今度は僕が彼女の口を塞ぐ番。てか何で君のが余裕あんねん。仕返しとばかりに口づけるも、なかなか彼女の余裕はなくならない。僕を撫でながら「かわいい」ってなんやねん、かわいいって。
終いには寝室でも「今日は私が……」なんて言い始め、嬉しい申し出にぐらつきかけたが何とか耐えた。彼女は見たそうやったけど、これ以上余裕のないとこ見られるんは僕が耐えられへん。
だから、なおもはりきる彼女を大人しくさせる意味でも仕返しが仕返しどころでなくなってしまったのは、仕方のないことだ。