棘くんといっしょ
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「これでよし、と」
「しゃけ」
放課後、中庭にある小さな花壇の前にしゃがみ込むのは二人の男女。
と、言葉だけ聞けば少女漫画にありそうなワンシーンだけれど、残念ながら私と棘くんはジャージ姿で、お互い泥だらけだった。
「棘くん、顔に土付いてるよ」
「高菜⁈ こんぶ!」
「嘘、私も⁈ どこどこ?」
軍手で触ってしまったせいで汚れはひどくなるばかり。けたけた笑い合って、あとで洗えばいっか、とそのままにする。
今日は二人で花壇に新しい花の種を蒔いた。きっと夏前には色とりどりの花が咲くことだろう。
たっぷりと水をかけて土色の濃くなった花壇を眺めながら、ふとあることを思い出す。
「そういえば、お花って褒めてあげると綺麗に咲くんだって」
「すじこ?」
「うん、この前テレビでやってたの」
褒めて可愛がってあげると綺麗に咲いてくれるんだとか。真偽のほどはわからないけど、褒められたら頑張りたくなる気持ちはよくわかる。
「しゃけしゃけ。いくら、明太子、こんぶ!」
私の話を聞いた棘くんはさっそく花壇に向かって話し始めた。
綺麗。かわいい。よっ、べっぴんさん!
まだ見ぬ花々もこれだけどストレートに言われたら、赤面してしまうんじゃないだろうか。
「ツナツナ」
好きだよ、大好き。って。
いやいや、それもう褒めじゃなくて告白じゃん! そうツッコミを入れようとして、かちりと藤色の瞳と目が合う。
「ツナマヨ」
ふっと目元を緩ませて棘くんが言った。花ではなく、私のほうを真っ直ぐ見据えて。
「あ、わ、私じゃなくてお花に……」
「ツナ」
「だから、ちょ、棘くん」
じりじりと距離を詰められる。真っ赤になって尻餅をついた私に、棘くんは一段と甘い声で「ツナマヨ」と囁くのだった。
「しゃけ」
放課後、中庭にある小さな花壇の前にしゃがみ込むのは二人の男女。
と、言葉だけ聞けば少女漫画にありそうなワンシーンだけれど、残念ながら私と棘くんはジャージ姿で、お互い泥だらけだった。
「棘くん、顔に土付いてるよ」
「高菜⁈ こんぶ!」
「嘘、私も⁈ どこどこ?」
軍手で触ってしまったせいで汚れはひどくなるばかり。けたけた笑い合って、あとで洗えばいっか、とそのままにする。
今日は二人で花壇に新しい花の種を蒔いた。きっと夏前には色とりどりの花が咲くことだろう。
たっぷりと水をかけて土色の濃くなった花壇を眺めながら、ふとあることを思い出す。
「そういえば、お花って褒めてあげると綺麗に咲くんだって」
「すじこ?」
「うん、この前テレビでやってたの」
褒めて可愛がってあげると綺麗に咲いてくれるんだとか。真偽のほどはわからないけど、褒められたら頑張りたくなる気持ちはよくわかる。
「しゃけしゃけ。いくら、明太子、こんぶ!」
私の話を聞いた棘くんはさっそく花壇に向かって話し始めた。
綺麗。かわいい。よっ、べっぴんさん!
まだ見ぬ花々もこれだけどストレートに言われたら、赤面してしまうんじゃないだろうか。
「ツナツナ」
好きだよ、大好き。って。
いやいや、それもう褒めじゃなくて告白じゃん! そうツッコミを入れようとして、かちりと藤色の瞳と目が合う。
「ツナマヨ」
ふっと目元を緩ませて棘くんが言った。花ではなく、私のほうを真っ直ぐ見据えて。
「あ、わ、私じゃなくてお花に……」
「ツナ」
「だから、ちょ、棘くん」
じりじりと距離を詰められる。真っ赤になって尻餅をついた私に、棘くんは一段と甘い声で「ツナマヨ」と囁くのだった。