炎炎その他
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夢を見た。好きな人の隣で眠る、そんな夢を。
私は夢の中でその人の肩を借りていて、彼は私と指先を絡めながら、手持ち無沙汰なのか時折握ったり手の甲を撫でたりしていた。
すぐ傍に彼がいる。それがどうしようもなく嬉しくて、私は甘えるように頬をすり寄せた。
なんて幸せで自分に都合のいい夢だろう。こんなこと現実では決してありえない。だって彼は、私なんかが手を伸ばしても届くことのない、遠い存在なのだから。
でも夢ならば。夢くらいは。この想いを告げても許されるだろうか。
「……団長、好き」
初めて声に出した想いは、少し震えていた。二度と言葉にすることはないのだから、もっとちゃんと言えたらよかったのに。夢なのになかなか思い通りにいかないものだ。
隣の彼はしんとしていて、これは振られるのだろうかとぼんやり考えていると、繋がれた手がぎゅっと強く握られた。
「俺も貴公が好きだ」
優しい声が鼓膜を揺らす。本当になんて幸せな夢だろう。このまま目覚めなくてもいい気がして、けれど夢は醒めるもの。ならば最後に彼の顔を見たい、と私はもたれていた身体を起こした。
「団長、今の……」
「なっ、貴公起きてたのか⁈」
「え?」
私よりずっと白い団長の肌がみるみる赤く染まっていく。何か言いたげに口をパクパクと動かして、
「お、起きたのなら俺はもう行く」
慌ただしく立ち上がり、部屋を出て行ってしまった。私の身体には彼のマントが掛けられていて、手にはまだ温もりと感触がしっかりと残っている。
夢を見ていたはずだった。好きな人の隣で眠る、そんな夢を。
でも、もしそれが夢じゃなかったとしたら。彼の体温も、声も、言葉も。全部、現実だったとしたら。
途端に思い出したかのように心臓が騒ぎ出す。
私は団長の残していったマントを引き寄せて顔を埋めた。ふわりと香るのは紛れもなく彼の匂いだ。
あれは、夢じゃない。夢じゃないのに、まだ夢を見ているような、そんな心地がした。
私は夢の中でその人の肩を借りていて、彼は私と指先を絡めながら、手持ち無沙汰なのか時折握ったり手の甲を撫でたりしていた。
すぐ傍に彼がいる。それがどうしようもなく嬉しくて、私は甘えるように頬をすり寄せた。
なんて幸せで自分に都合のいい夢だろう。こんなこと現実では決してありえない。だって彼は、私なんかが手を伸ばしても届くことのない、遠い存在なのだから。
でも夢ならば。夢くらいは。この想いを告げても許されるだろうか。
「……団長、好き」
初めて声に出した想いは、少し震えていた。二度と言葉にすることはないのだから、もっとちゃんと言えたらよかったのに。夢なのになかなか思い通りにいかないものだ。
隣の彼はしんとしていて、これは振られるのだろうかとぼんやり考えていると、繋がれた手がぎゅっと強く握られた。
「俺も貴公が好きだ」
優しい声が鼓膜を揺らす。本当になんて幸せな夢だろう。このまま目覚めなくてもいい気がして、けれど夢は醒めるもの。ならば最後に彼の顔を見たい、と私はもたれていた身体を起こした。
「団長、今の……」
「なっ、貴公起きてたのか⁈」
「え?」
私よりずっと白い団長の肌がみるみる赤く染まっていく。何か言いたげに口をパクパクと動かして、
「お、起きたのなら俺はもう行く」
慌ただしく立ち上がり、部屋を出て行ってしまった。私の身体には彼のマントが掛けられていて、手にはまだ温もりと感触がしっかりと残っている。
夢を見ていたはずだった。好きな人の隣で眠る、そんな夢を。
でも、もしそれが夢じゃなかったとしたら。彼の体温も、声も、言葉も。全部、現実だったとしたら。
途端に思い出したかのように心臓が騒ぎ出す。
私は団長の残していったマントを引き寄せて顔を埋めた。ふわりと香るのは紛れもなく彼の匂いだ。
あれは、夢じゃない。夢じゃないのに、まだ夢を見ているような、そんな心地がした。