ヴィクトル・リヒト
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未知を解き明かしたいという欲は僕たち研究者の原動力だ。しかし興味のままに首を突っ込みすぎるのは危険だ。好奇心は猫をも殺すのだから。
「リヒト、知っているかい?」
先輩がキィと椅子を鳴らしながら僕のほうを振り返る。手には薄い箱を持っていて、彼女は見せつけるようにそれをかさりと振った。
「チョコレートには媚薬効果があるそうだ」
「大昔の話でしょ。科学的根拠はないって論文で読みましたけど」
「その論文だって大災害前のものだろう?信憑性に欠ける」
それは、まあ。
「私は自分の目で確かめたいんだよ」
先輩はこうと決めたら止まらない。
「僕は何を?」
「君はチョコを食べるだけでいい。異変を感じたら教えてくれ」
先輩がチョコを一粒摘んで僕に差し出す。受け取ろうとすると断られ、どうやらこのまま食べろということらしい。顔を近づけてチョコを口に含む。
「変化は?」
「あったら困るでしょ」
「困るもんか。むしろ嬉しいよ」
手を叩いて喜ぶ先輩に不覚にもどきりとした。
「新しい論文が書ける」
そう言うと思ってたけど。先輩が再びチョコを差し出す。その指ごと口に含んでやれば彼女の身体がびくりと揺れた。
「なっ⁈」
僕は構わず先輩の指を舐る。
「よかったですね。論文書けそうで」
「あ……」
僕は知っている。研究者である先輩は僕を拒絶できない、と。
「リヒト、知っているかい?」
先輩がキィと椅子を鳴らしながら僕のほうを振り返る。手には薄い箱を持っていて、彼女は見せつけるようにそれをかさりと振った。
「チョコレートには媚薬効果があるそうだ」
「大昔の話でしょ。科学的根拠はないって論文で読みましたけど」
「その論文だって大災害前のものだろう?信憑性に欠ける」
それは、まあ。
「私は自分の目で確かめたいんだよ」
先輩はこうと決めたら止まらない。
「僕は何を?」
「君はチョコを食べるだけでいい。異変を感じたら教えてくれ」
先輩がチョコを一粒摘んで僕に差し出す。受け取ろうとすると断られ、どうやらこのまま食べろということらしい。顔を近づけてチョコを口に含む。
「変化は?」
「あったら困るでしょ」
「困るもんか。むしろ嬉しいよ」
手を叩いて喜ぶ先輩に不覚にもどきりとした。
「新しい論文が書ける」
そう言うと思ってたけど。先輩が再びチョコを差し出す。その指ごと口に含んでやれば彼女の身体がびくりと揺れた。
「なっ⁈」
僕は構わず先輩の指を舐る。
「よかったですね。論文書けそうで」
「あ……」
僕は知っている。研究者である先輩は僕を拒絶できない、と。