アーサー・ボイル
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「姫、俺と結婚してくれないか」
跪いたアーサーがまっすぐ私を見つめてくる。その手には立派な花束が抱えられていて、捧げるようにこちらへと差し出された。
「喜んで」
花束を受け取ってそう答えると緊張した面持ちだった彼の顔が一気に綻ぶ。
アーサーは憶えていないかもしれないけど、これは私にとって、人生で二度目のプロポーズだった。
一度目は子どもの頃、近所の公園で。
アーサーは今日と同じように跪き、全く同じ台詞を言い、同じく花束をくれた。と言っても彼は顔も服も泥んこで、道中に摘んだらしい花々は名も知らぬものだったけど。それでもアーサーが私を思ってしてくれたことだ。嬉しくないはずがない。私は持っていたハンカチで汚れた彼の頬を拭い、「大人になったらいいよ」とくたっと頭を下げた野花のブーケを受け取った。
「昔のものよりいいだろう?」
受け取った花束を抱える私にアーサーが声をかけた。なんだ、彼も憶えていたのか。
アーサーがプロポーズとともにくれた花束はとても綺麗だった。でもそれが何の花なのか、植物に疎い私にはわからない。道端で摘んだ野花であろうと、花屋で買った花であろうと、どうやら私にはあまり関係ないみたいだ。ただ言えるのは、
「あの時も今も、すごく嬉しいよ」
優劣は決められないけれど、これだけは断言できる。だってどちらも、アーサーが私を思ってしてくれたことなのだから。
跪いたアーサーがまっすぐ私を見つめてくる。その手には立派な花束が抱えられていて、捧げるようにこちらへと差し出された。
「喜んで」
花束を受け取ってそう答えると緊張した面持ちだった彼の顔が一気に綻ぶ。
アーサーは憶えていないかもしれないけど、これは私にとって、人生で二度目のプロポーズだった。
一度目は子どもの頃、近所の公園で。
アーサーは今日と同じように跪き、全く同じ台詞を言い、同じく花束をくれた。と言っても彼は顔も服も泥んこで、道中に摘んだらしい花々は名も知らぬものだったけど。それでもアーサーが私を思ってしてくれたことだ。嬉しくないはずがない。私は持っていたハンカチで汚れた彼の頬を拭い、「大人になったらいいよ」とくたっと頭を下げた野花のブーケを受け取った。
「昔のものよりいいだろう?」
受け取った花束を抱える私にアーサーが声をかけた。なんだ、彼も憶えていたのか。
アーサーがプロポーズとともにくれた花束はとても綺麗だった。でもそれが何の花なのか、植物に疎い私にはわからない。道端で摘んだ野花であろうと、花屋で買った花であろうと、どうやら私にはあまり関係ないみたいだ。ただ言えるのは、
「あの時も今も、すごく嬉しいよ」
優劣は決められないけれど、これだけは断言できる。だってどちらも、アーサーが私を思ってしてくれたことなのだから。