ジョーカー ・52
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「作ろうベイビー、君と一緒にフォーエバー」
「断る!!」
「何でだよ、つれねェな」
運命の再会とやらは、もっと感動的なものだと思っていた。
数日前に街で声を掛けてきたジョーカーと名乗る胡散臭い男は、あの可愛くて仕方がなかった52くんと同一人物だという。確かに眼帯やら目の色やら顔立ちやらは似てなくもないけれど、あまりの変わりように理解が追いつかない。
人違いですとその場は逃げて来たのだがあっさり捕まり、この男は私の家に入り浸っている。
「これ、まだあったんだな」
紫煙を燻らせてジョーカーはおもちゃの指輪を懐かしそうに弄っていた。もう使わないだろうと思っていたボードゲームは、何度も捨てようとして結局捨てられなかった。いつか52くんが帰ってきたらまた一緒になんて諦めの悪い夢を見ていたのだが。
「私の52くんは何処……」
「目の前にいるだろうが。ほれ、プロポーズしたんだから受け取れ」
「誰があんなプロポーズ受けるかって。あ、こら勝手に--⁈」
強引に手を掴まれて52くんとは違う、知らない男の手と力に身体が強張る。
ゆっくりと解放される気配に恐る恐る目を開けると左手の薬指に指輪がはめられていた。しかもおもちゃではなく本物の、小さなアメジストがあしらわれた指輪だ。
「これ……」
「遅くなって悪かったな」
「あの時は全然はめてくれなかったじゃない」
「愛した女一人守れねェガキからもらっても嬉しくねェだろ」
あの時、君はそんなことを考えていたの?
もうここにはいない少年の笑顔が目に浮かんで消えていく。
「で、返事は?」
「とりあえず保留で」
「はぁ⁈ 昔は全部受け入れたいって言ってたじゃねェか」
「52くんのはね。今の君はジョーカーだから。さすがにさっきのプロポーズでは無理」
「そうかよ。まあ時間はたっぷりあるからな。いくらでも口説き落としてやる」
クツクツとジョーカーが楽しそうに笑った。その表情が懐かしくて、まだ知り合って日の浅い男の紫微の奥に、会いたくて仕方なかった少年の姿が見えた気がした。
「断る!!」
「何でだよ、つれねェな」
運命の再会とやらは、もっと感動的なものだと思っていた。
数日前に街で声を掛けてきたジョーカーと名乗る胡散臭い男は、あの可愛くて仕方がなかった52くんと同一人物だという。確かに眼帯やら目の色やら顔立ちやらは似てなくもないけれど、あまりの変わりように理解が追いつかない。
人違いですとその場は逃げて来たのだがあっさり捕まり、この男は私の家に入り浸っている。
「これ、まだあったんだな」
紫煙を燻らせてジョーカーはおもちゃの指輪を懐かしそうに弄っていた。もう使わないだろうと思っていたボードゲームは、何度も捨てようとして結局捨てられなかった。いつか52くんが帰ってきたらまた一緒になんて諦めの悪い夢を見ていたのだが。
「私の52くんは何処……」
「目の前にいるだろうが。ほれ、プロポーズしたんだから受け取れ」
「誰があんなプロポーズ受けるかって。あ、こら勝手に--⁈」
強引に手を掴まれて52くんとは違う、知らない男の手と力に身体が強張る。
ゆっくりと解放される気配に恐る恐る目を開けると左手の薬指に指輪がはめられていた。しかもおもちゃではなく本物の、小さなアメジストがあしらわれた指輪だ。
「これ……」
「遅くなって悪かったな」
「あの時は全然はめてくれなかったじゃない」
「愛した女一人守れねェガキからもらっても嬉しくねェだろ」
あの時、君はそんなことを考えていたの?
もうここにはいない少年の笑顔が目に浮かんで消えていく。
「で、返事は?」
「とりあえず保留で」
「はぁ⁈ 昔は全部受け入れたいって言ってたじゃねェか」
「52くんのはね。今の君はジョーカーだから。さすがにさっきのプロポーズでは無理」
「そうかよ。まあ時間はたっぷりあるからな。いくらでも口説き落としてやる」
クツクツとジョーカーが楽しそうに笑った。その表情が懐かしくて、まだ知り合って日の浅い男の紫微の奥に、会いたくて仕方なかった少年の姿が見えた気がした。