ジョーカー ・52
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一度でいいから、好きな人に抱かれてみたかった。
だって、姉さんたちが言ってたの。好きな人に抱かれるのは最高に気持ちいいのよって。ネザーは暗くて寒くて臭くて、私は痛いことしか知らなかったから、姉さんたちの言うそれにどうしようもなく心惹かれた。
けれどその後も地下での日々は痛いことばかり。そんな時、助けてくれたのは君だった。君にそんなつもりはなかったかもしれないけれど、あの時私は、確かに救われたのだ。
そして同時に思ったの。抱かれるなら君がいいって。気持ちよくなくても、痛くても、君がいいって。
まあ君は指一本たりとも触れてくれなかったけどさ。姉さんたちのことは毎日のように抱く癖に。
でも、それももう水に流そう。私の夢は叶ったのだから。
「52」
名前を呼ぶと私を抱きしめる力が強くなった。こんなに優しく、力強く抱きしめられたのは初めてだ。あったかい。心までぽかぽかしてくる気がする。
正直に言うと、姉さんたちの言葉に憧れつつも半信半疑だったのだ。でもあの人たちの言っていたことは嘘じゃなかった。好きな人に抱かれるのは、本当に、最高に気持ちいい。幸せって、きっとこういう時に使うのね。
「あのね52。私いま、すっごく幸せ」
言葉に出すとあたたかいもので胸がいっぱいになった。今の私は間違いなく、この世で一番幸せな人間だ。
欲を言えば、52。そんなに悲しそうな顔をしないで。君には笑っていてほしかった。最後に君の笑顔を見たかった。でも、私なんかのために泣いてありがとう。
お礼の代わりにひゅー、ひゅーと喉が鳴る。地下は季節に関わらず冷える。少し寒いなと思っていると、気づいた52が抱き寄せてくれた。あたたかくて、今度は眠たくなってくる。瞼を閉じるともう何年も会っていない姉さんたちが、私に向かって手を振っていた。ああ、本当に久しぶりだ。今まで会えなかった分、姉さんたちに話したいことがたくさんある。
ーー姉さん、あのね。好きな人に抱かれると最高に気持ちいいって、本当だったよ。でも知ってる? 好きな人に抱かれて眠るのはもっと最高なの。
教えたい一方で、内緒にしておきたいとも思ってしまう。この幸せを知っているのが、私だけだったらいい。私だけでいい。そうすれば私が、私だけが、ずっと世界一幸せな女だ。
だって、姉さんたちが言ってたの。好きな人に抱かれるのは最高に気持ちいいのよって。ネザーは暗くて寒くて臭くて、私は痛いことしか知らなかったから、姉さんたちの言うそれにどうしようもなく心惹かれた。
けれどその後も地下での日々は痛いことばかり。そんな時、助けてくれたのは君だった。君にそんなつもりはなかったかもしれないけれど、あの時私は、確かに救われたのだ。
そして同時に思ったの。抱かれるなら君がいいって。気持ちよくなくても、痛くても、君がいいって。
まあ君は指一本たりとも触れてくれなかったけどさ。姉さんたちのことは毎日のように抱く癖に。
でも、それももう水に流そう。私の夢は叶ったのだから。
「52」
名前を呼ぶと私を抱きしめる力が強くなった。こんなに優しく、力強く抱きしめられたのは初めてだ。あったかい。心までぽかぽかしてくる気がする。
正直に言うと、姉さんたちの言葉に憧れつつも半信半疑だったのだ。でもあの人たちの言っていたことは嘘じゃなかった。好きな人に抱かれるのは、本当に、最高に気持ちいい。幸せって、きっとこういう時に使うのね。
「あのね52。私いま、すっごく幸せ」
言葉に出すとあたたかいもので胸がいっぱいになった。今の私は間違いなく、この世で一番幸せな人間だ。
欲を言えば、52。そんなに悲しそうな顔をしないで。君には笑っていてほしかった。最後に君の笑顔を見たかった。でも、私なんかのために泣いてありがとう。
お礼の代わりにひゅー、ひゅーと喉が鳴る。地下は季節に関わらず冷える。少し寒いなと思っていると、気づいた52が抱き寄せてくれた。あたたかくて、今度は眠たくなってくる。瞼を閉じるともう何年も会っていない姉さんたちが、私に向かって手を振っていた。ああ、本当に久しぶりだ。今まで会えなかった分、姉さんたちに話したいことがたくさんある。
ーー姉さん、あのね。好きな人に抱かれると最高に気持ちいいって、本当だったよ。でも知ってる? 好きな人に抱かれて眠るのはもっと最高なの。
教えたい一方で、内緒にしておきたいとも思ってしまう。この幸せを知っているのが、私だけだったらいい。私だけでいい。そうすれば私が、私だけが、ずっと世界一幸せな女だ。