ジョーカー ・52
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月に一度、あいつが寝込むことがある。初めて苦しむ姿を見た時は血の気が引いた。顔色が悪くて、でも熱はなくて。何かの病気かと焦って救急車を呼ぼうとしたら、お腹が痛いだけ、寝てれば治るからと止められてしまった。地下にいた頃は知らなかったが、女には毎月一週間ほどそういうことが起こるらしい。怪我をしたわけじゃないのに痛い思いを毎月毎月……。痛みには慣れてるから俺が代わってやれたらと思うも、それも叶わない。
あいつは今もベッドで苦しそうに眉間に皺を寄せている。
「大丈夫か?」
しゃがんで顔にかかった髪を避けてやると、痛みに耐えるようにじっと閉じられていた瞳が開かれる。
「ん、だいじょぶ」
とてもそうは見えないけどな。でもここで俺が心配するとあいつは困った顔をするから、黙って頭を撫でておくことにした。まるい頭を手のひらで何度か撫でるとあいつは目を閉じて「52の手、あったかいね」と口元を緩ませた。そっと寝かせてやりたいのに擦り寄るような仕草までされると、胸がぎゅっとなって、身体の奥底からじわじわと熱を孕んだ欲が湧き上がってくる。落ち着け。だめだ。だめなのに。
「なあ」
「んー?」
随分と間延びした声だった。夜遅くに話しかけた時の、眠りに落ちる寸前の声によく似ている。
「それ、止めてやろうか」
ついに言ってしまった。返事はなくてもう眠ってしまったかと思ったが、あいつは目を開けていて、きょとっと俺を見ていた。そしてすぐにふにゃりと表情を崩して笑いかけてくる。
「えー、できるの? 52に」
「で、できる! 俺だってそれくらい……」
「じゃあ期待しとくー」
「う、えっ⁈」
期待、してくれるのか⁈ 訊き返そうとベッドに身を乗り出した時にはあいつはすでに夢の中にいて、すうすうと規則正しい寝息が聞こえ始めていた。口元はもにゃもにゃ動いて何やら寝言を言っていて、さっきの言葉も意識があっての発言か怪しいところだ。それでもーー。
(お前が望んでくれるなら、いくらでも止めてやる)
もう一度、同じセリフを聞けたその時は絶対に。そう心に決めて、俺は昂った熱をぶつけるように、あいつの小さな唇に自分のを何度も押し付けた。
あいつは今もベッドで苦しそうに眉間に皺を寄せている。
「大丈夫か?」
しゃがんで顔にかかった髪を避けてやると、痛みに耐えるようにじっと閉じられていた瞳が開かれる。
「ん、だいじょぶ」
とてもそうは見えないけどな。でもここで俺が心配するとあいつは困った顔をするから、黙って頭を撫でておくことにした。まるい頭を手のひらで何度か撫でるとあいつは目を閉じて「52の手、あったかいね」と口元を緩ませた。そっと寝かせてやりたいのに擦り寄るような仕草までされると、胸がぎゅっとなって、身体の奥底からじわじわと熱を孕んだ欲が湧き上がってくる。落ち着け。だめだ。だめなのに。
「なあ」
「んー?」
随分と間延びした声だった。夜遅くに話しかけた時の、眠りに落ちる寸前の声によく似ている。
「それ、止めてやろうか」
ついに言ってしまった。返事はなくてもう眠ってしまったかと思ったが、あいつは目を開けていて、きょとっと俺を見ていた。そしてすぐにふにゃりと表情を崩して笑いかけてくる。
「えー、できるの? 52に」
「で、できる! 俺だってそれくらい……」
「じゃあ期待しとくー」
「う、えっ⁈」
期待、してくれるのか⁈ 訊き返そうとベッドに身を乗り出した時にはあいつはすでに夢の中にいて、すうすうと規則正しい寝息が聞こえ始めていた。口元はもにゃもにゃ動いて何やら寝言を言っていて、さっきの言葉も意識があっての発言か怪しいところだ。それでもーー。
(お前が望んでくれるなら、いくらでも止めてやる)
もう一度、同じセリフを聞けたその時は絶対に。そう心に決めて、俺は昂った熱をぶつけるように、あいつの小さな唇に自分のを何度も押し付けた。