新門紅丸
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「何笑ってやがる」
ひょいと炬燵に入ってきた紅ちゃんは私たちの顔を見るなり思い切り眉を顰めた。
「「若のまねー‼︎」」
「似てるでしょ」
炬燵の上の湯呑みには紺兄さんお手製の甘酒が入っている。最近密かに甘酒作りはまっているらしく、私たちは試飲要員だ。
お酒といえば、ということで。ニシシと双子と顔を見合わせて始まったのが『若ごっこ』である。
にこにこ、にぱにぱ。ただ笑うだけと侮るなかれ。目の細め具合、口角の上がり具合、なかなかに難しい。
「ねぇ紅ちゃん、誰が一番似てる?」
「「ヒカとヒナに決まってらァ!なァ若」」
不機嫌な紅色が彷徨って、一応審査してくれるんだなと思っていたら返ってきたのは「似てねェ」の一言。
どの口が言う? 思わず双子たちと目を丸くする。お酒を飲んだ彼がどうなるかなんて、生まれたばかりの赤子だって知っている。
「あ、紅ちゃんそれ」
私の、と続く言葉を無視して湯呑みが手から奪われた。ごくりと喉が上下に動いて「甘ェ」と零す。
「俺はそんな面してねェ」
とん、と置かれた湯呑みは空っぽだ。
「「ぶひゃひゃひゃ‼︎」」
「ぶっ、くくっ。紅ちゃんこれ貸してあげるから。ふふっ、ダメお腹痛い」
不意打ちもいいとこだ。自信満々の声と顔が合ってない。
肩を震わせながら、何とか袖から手鏡を取り出して紅ちゃんに渡す。
受け取った彼はそれをじっと見つめて、
「俺はこんな面してねェ」
何て説得力のない台詞だろう。
飲んだ甘酒が双子の方ならまだ格好がついたかもしれない。双子のは米麹製、私のは酒麹製でほんの少しだけお酒の成分が入っているのだ。
「若ごっこの優勝は紅ちゃんだねぇ。あんなの勝てっこない」
「クッソー、覚えてろよ若!」
「次はゼッテー吠え面かかせてやるからな!」
若ごっこの優勝は満場一致で紅ちゃんに決定した。本人は不本意だと言いたげだけれど、にこにこしてて気付かなかったことにしておこう。
「なァなァ、今回の甘酒はどうだった?」
片付けが終わったのか、紺兄さんが台所から顔を出した。感想が気になるのかそわそわと忙しない。
「何だ若、昼間から飲んでンのか」
「飲んでねェ」
「紺兄さん、ちょっと紅ちゃんの真似してみてよ!」
「若の真似だァ? こ、こうか?」
「「あひゃひゃひゃひゃ」」
ちなみに若ごっこ、最下位は紺兄さんに決定した。
ひょいと炬燵に入ってきた紅ちゃんは私たちの顔を見るなり思い切り眉を顰めた。
「「若のまねー‼︎」」
「似てるでしょ」
炬燵の上の湯呑みには紺兄さんお手製の甘酒が入っている。最近密かに甘酒作りはまっているらしく、私たちは試飲要員だ。
お酒といえば、ということで。ニシシと双子と顔を見合わせて始まったのが『若ごっこ』である。
にこにこ、にぱにぱ。ただ笑うだけと侮るなかれ。目の細め具合、口角の上がり具合、なかなかに難しい。
「ねぇ紅ちゃん、誰が一番似てる?」
「「ヒカとヒナに決まってらァ!なァ若」」
不機嫌な紅色が彷徨って、一応審査してくれるんだなと思っていたら返ってきたのは「似てねェ」の一言。
どの口が言う? 思わず双子たちと目を丸くする。お酒を飲んだ彼がどうなるかなんて、生まれたばかりの赤子だって知っている。
「あ、紅ちゃんそれ」
私の、と続く言葉を無視して湯呑みが手から奪われた。ごくりと喉が上下に動いて「甘ェ」と零す。
「俺はそんな面してねェ」
とん、と置かれた湯呑みは空っぽだ。
「「ぶひゃひゃひゃ‼︎」」
「ぶっ、くくっ。紅ちゃんこれ貸してあげるから。ふふっ、ダメお腹痛い」
不意打ちもいいとこだ。自信満々の声と顔が合ってない。
肩を震わせながら、何とか袖から手鏡を取り出して紅ちゃんに渡す。
受け取った彼はそれをじっと見つめて、
「俺はこんな面してねェ」
何て説得力のない台詞だろう。
飲んだ甘酒が双子の方ならまだ格好がついたかもしれない。双子のは米麹製、私のは酒麹製でほんの少しだけお酒の成分が入っているのだ。
「若ごっこの優勝は紅ちゃんだねぇ。あんなの勝てっこない」
「クッソー、覚えてろよ若!」
「次はゼッテー吠え面かかせてやるからな!」
若ごっこの優勝は満場一致で紅ちゃんに決定した。本人は不本意だと言いたげだけれど、にこにこしてて気付かなかったことにしておこう。
「なァなァ、今回の甘酒はどうだった?」
片付けが終わったのか、紺兄さんが台所から顔を出した。感想が気になるのかそわそわと忙しない。
「何だ若、昼間から飲んでンのか」
「飲んでねェ」
「紺兄さん、ちょっと紅ちゃんの真似してみてよ!」
「若の真似だァ? こ、こうか?」
「「あひゃひゃひゃひゃ」」
ちなみに若ごっこ、最下位は紺兄さんに決定した。