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ガチャリ、ドアが開く音が聞こえて、ああ、建人くんが帰って来たんだ、と胸を弾ませる。2人して呪術師をしているから、同棲しているとはいえ、毎日会える訳ではない。少し寂しいけれど、会えた時の喜びはその分大きいから、悪くないかも、なんて思っている。
「ただいま帰りました」
「おかえりなさい」
私を見て、建人くんはきょとんと目を見開いた。なんだこれ、可愛いな。珍しい表情を見れた。
「どうしたんですか、サングラスなんてして」
「今日、眼科に行ってね。検査のために瞳孔を開ける目薬を差したの」
「なるほど、眩しいんですね」
「そう。瞳孔って偉大だね?」
ふふ、と笑ってみせたのだけれど、彼は笑わなかった。不思議に思って首を傾げると、目、大丈夫なんですか、と聞かれた。どうやら心配させてしまったようだ。視力が低くなっただけだよ、と伝えたら、視力が低下したんですか、と顔を顰められた。
「パソコンを見る距離が近過ぎるんじゃないですか?」
「えー?そうかな、普通だと思うんだけど」
「いえ、かなり近いですよ。横から見ているので分かります」
「そうなんだ、それは気を付けなくちゃ」
そう言ってから、ふと思う。ちょっと待てよ、横から見ているから分かるって、なんか、一度や二度のことじゃなさそうな気がする。
「もしかしてだけど、パソコン作業してるとこ、結構見てたりする?」
そうだったら恥ずかしい。建人くんとは違い、私は残念ながら仕事を終わらせるのは早くない。報告書作成業務を家に持ち帰ることも多い。それでも出来るだけ早く終わらせたいから、ヘッドホンをつけて音を断ち、集中して一気に仕上げる。終わって部屋を見てみたら既に建人くんが家にいた、なんてこともざらにある。
「そうかもしれません」
「うわぁ!ねぇ、私、変な顔とかしてないよね?」
「たまに口を半開きにしていることはありますが、特にありませんよ」
「充分恥ずかしいよ……!」
もうリビングで仕事出来ない!と口を尖らせたら笑われた。解せぬ。それにしても、建人くんが仕事をしている姿はデスクワークでも溜め息が出るほどかっこいいのに、私は間抜け面だなんて、世の中は不公平だ。ぶつぶつ不平を言っていたら、後ろから建人くんに抱き締められた。
「大丈夫です、真面目な顔をしてパソコンに向かっている姿は、あなたが思っている以上に可愛らしいですよ」
「そんなこと言ったって騙されないんだからね?はぁ。今度からマスクとサングラスして仕事しようかなぁ」
「それはやめてください。恋人の顔を見れないのは存外辛い」
ゆっくりと頭を撫でられて、耳元で優しく囁かれてしまったら、もうお手上げ、降参だ。観念して振り向き、彼の首に抱きつく。背中に腕が回されて、私のための場所が作られた。
「……まだ眩しいですか?」
「んん、多分あと1時間は効いてると思う」
「それなら電気を消しましょう。目に良くないですし」
「でも、まだ8時だよ?建人くんもやることあるだろうし」
「ええ、でも、」
あ、少し、意地悪な顔だ。でも、瞳だけは蕩けたように甘い。
「暗くないと出来ないことも、ありますから」
(▪ 珍しくサングラスを夢主がかけるお話)
「ただいま帰りました」
「おかえりなさい」
私を見て、建人くんはきょとんと目を見開いた。なんだこれ、可愛いな。珍しい表情を見れた。
「どうしたんですか、サングラスなんてして」
「今日、眼科に行ってね。検査のために瞳孔を開ける目薬を差したの」
「なるほど、眩しいんですね」
「そう。瞳孔って偉大だね?」
ふふ、と笑ってみせたのだけれど、彼は笑わなかった。不思議に思って首を傾げると、目、大丈夫なんですか、と聞かれた。どうやら心配させてしまったようだ。視力が低くなっただけだよ、と伝えたら、視力が低下したんですか、と顔を顰められた。
「パソコンを見る距離が近過ぎるんじゃないですか?」
「えー?そうかな、普通だと思うんだけど」
「いえ、かなり近いですよ。横から見ているので分かります」
「そうなんだ、それは気を付けなくちゃ」
そう言ってから、ふと思う。ちょっと待てよ、横から見ているから分かるって、なんか、一度や二度のことじゃなさそうな気がする。
「もしかしてだけど、パソコン作業してるとこ、結構見てたりする?」
そうだったら恥ずかしい。建人くんとは違い、私は残念ながら仕事を終わらせるのは早くない。報告書作成業務を家に持ち帰ることも多い。それでも出来るだけ早く終わらせたいから、ヘッドホンをつけて音を断ち、集中して一気に仕上げる。終わって部屋を見てみたら既に建人くんが家にいた、なんてこともざらにある。
「そうかもしれません」
「うわぁ!ねぇ、私、変な顔とかしてないよね?」
「たまに口を半開きにしていることはありますが、特にありませんよ」
「充分恥ずかしいよ……!」
もうリビングで仕事出来ない!と口を尖らせたら笑われた。解せぬ。それにしても、建人くんが仕事をしている姿はデスクワークでも溜め息が出るほどかっこいいのに、私は間抜け面だなんて、世の中は不公平だ。ぶつぶつ不平を言っていたら、後ろから建人くんに抱き締められた。
「大丈夫です、真面目な顔をしてパソコンに向かっている姿は、あなたが思っている以上に可愛らしいですよ」
「そんなこと言ったって騙されないんだからね?はぁ。今度からマスクとサングラスして仕事しようかなぁ」
「それはやめてください。恋人の顔を見れないのは存外辛い」
ゆっくりと頭を撫でられて、耳元で優しく囁かれてしまったら、もうお手上げ、降参だ。観念して振り向き、彼の首に抱きつく。背中に腕が回されて、私のための場所が作られた。
「……まだ眩しいですか?」
「んん、多分あと1時間は効いてると思う」
「それなら電気を消しましょう。目に良くないですし」
「でも、まだ8時だよ?建人くんもやることあるだろうし」
「ええ、でも、」
あ、少し、意地悪な顔だ。でも、瞳だけは蕩けたように甘い。
「暗くないと出来ないことも、ありますから」
(▪ 珍しくサングラスを夢主がかけるお話)