Short Story
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初めて撮った彼の写真は、始業前に勉強している様子だった。わー、普段うるさいヤツが静かに勉強してるとなんか変な感じだなー、みたいな感じで、なんの気なしに撮影した一枚である。音がしないように撮ったから、多分、彼は知らない。
その日を境に、私は、事あるごとに彼を写真に収めるようになった。
[ キリ撮リ: 東堂尽八 ]
きちんといつも通りの時間に起床し、いつも通りの電車に乗ることが出来た私は、いつも通りのスピードで歩いて登校した。……つもりだったんだけど。
校門をくぐった時に、はっと気づいて腕時計を見ると、24分を指していた。
思ったより早く歩いて来てしまったようだ。到着予定時刻はあと4分後だったのに。朝練を終えた東堂に偶然を装って下駄箱で話しかけるのは、残念ながら難しそうである。
東堂は、2年生の時のクラスメイトだった。始めは、ああ、あの有名な人、ぐらいしか思わなかったけれど、偶然にも席が隣になり、仲良くなった。私はどちらかというと男子の方が気が合うタイプで、周りが女子らしい女子ばかりだったあの席では、彼の存在には非常に助けられた。
残念ながら、今年はクラスが離れてしまったので、
「とーどー、今日の数学の宿題ってどこだったっけ?」
「全く……。問34から39だ。まだ終わっていないのなら、かなり急がねばならんぞ。」
「マジか、めっちゃ多いじゃん……。終わるかな……。」
「だからいつも教科書は持って帰れと!」
「わー、ごめんなさい、反省してます、反省してます、だから写させてぇぇぇーー!」
……なんてやり取りをしていたのが死ぬほど懐かしい。
かなり仲が良かったとはいえ、ただの友達、しかも男女。クラスが別になった今、殆ど関わりがないのが現実である。
だから、朝に下駄箱で会えるかどうか、というのは私にとって死活問題だった。ーーそう、彼に恋する私にとって。
自覚したのはクラス替えの後だった。今まで当たり前のように感じていた存在は、思ったより特別な人になっていたらしい。気付くのが遅い、もっと早くに気付いていたら……そう思わずにはいられなかった。私は、どうにかこうにか彼の記憶に残ろうと足掻く他なかった。
「朝の☆ドッキリバッタリ遭遇作戦」の失敗に溜息をつきながら、下駄箱を開ける。と、
「おはよう、名取! どうした、朝から溜息なんかついて。幸せが逃げてしまうぞ!」
「っ!?」
振り向くと、通常運転の東堂がいる。あれっ、なんか早くない?
「……おはよ、東堂は朝からうるさいねー。」
「む、憎まれ口を叩くだけの元気があるのなら大丈夫だな。」
「その判断基準はやめようか!」
うっわ、やっばい、想定外、私ツイてる、ていうか話しかけてくれたしなんか気遣ってくれた、なんて動揺しているのは全力で隠して、私も平常運転。
「そういえば、今度出るって言ってたレース、いつだったっけ?」
「来週の日曜日だ。もしかして来てくれるのか?」
「まあね。写真撮るけど、OK?」
「ふっ……もちろん構わんよ。なにしろこの美形だからな! 撮りたくなる気持ちも」
「って、他の人達に聞いといてね。」
「相変わらず非情だな!?」
いえい、と笑顔でサムズアップしておく。今度のレースは、割と近くでの開催なのだ。下見もできるから嬉しい。
「まあ、名取に写真を撮られて嬉しくないやつはいないだろうな。いつか見せてくれた海の写真、コンテストで入賞したんだろう?」
「大したことないよ。」
「有名なコンテストだと聞いたぞ? 社会人も応募するとか。」
「たまたまだよ、たまたま。」
なんでこうも可愛げのない受け応えをしてしまうのだろう。ありがとう、とすら言えない。本当はめちゃくちゃ嬉しいのに。ああ、もう教室だ。
「じゃあ、またね。」
「ああ。」
にっ! と笑う彼は今日も美形で。うーん、日曜日が待ち遠しい。
(やっと着いた……!)
待ちに待ったレース当日。下見で決めた位置にようやく到着し、カメラを調節する。良い天気だ。光量は十分だから、シャッター速度を上げても暗くはならないだろう。
数枚、景色やギャラリーの写真を試しに撮ってみる。
(うん、イイ感じ)
万全であることを確認した私は、選手が来るのを、というか東堂が来るのを、ひたすらに待つ。
ーーそしてその瞬間が来た。
見えた、と脳が反応して直ぐにシャッターを押さえる。連写の音が無機質に響く。ファインダー越しに彼が見える。自転車を追いかけてカメラを動かす。ああ、後ろ姿まで綺麗だ。
見えなくなったのを確認し、構えるのをやめ、ふぅ、と息をついた。一瞬のことだった。でも、スタート地点での写真を諦めてここまで来た甲斐はあったと思う。
他の選手も申し訳程度に撮った後、ゴールへ向かうバスに乗り込む。写真を確認すると、我ながら、どの写真もかなりよく撮れているように思えた。特に東堂のは、真剣な表情は見る人を惹きつける力を感じるし、ポーズや構図にも勢いがある。スポーツのフォトコンテストに出すのもいいかもしれない。
バスにわっせわっせと揺られて着いた頂上には大量のギャラリーがいた。何とか場所を確保して、もう一度カメラを構えて、じっと待つ。周囲がそわそわし始めたから、多分もう少ししたら来るのだろう。
東堂、先頭にいるかな、先頭だったら撮りやすそうだけどな、と思ったとき、「来たぞ!」と言う声が聞こえた。カメラを構える手に力が籠もる。
東堂は先頭をぶっちぎっていた。
よしきた!とシャッターを切る。こっちを見もしない横顔が最高にいい。ほんの一瞬なのに、少し開いた口元、ふくらはぎに浮いた筋、ほほを伝う汗まで見えた気がした。
そしてゴールした瞬間、彼は両手を広げ、空を仰いだ。景色がゆっくり動いていて、時が止まったような気分になった。最後の一枚を撮り終えた私は、ゴールをくぐった彼を見つめた。
山神、という言葉が、すとんと胸に落ちてきた。頂上でのあの輝きは、一体何なのだろう。今まで見たどの彼よりもキラキラして見える。
少しの間呆然としていた私は、女子の歓声を聞いて漸く我に返った。そうだ、東堂のところに行かなくては。
彼はすぐに見つかった。私が話しかけられず遠巻きに見ていると、気付いて手を振ってくれた。
「見てくれていたのか?」
「もちろん。写真もばっちり。」
「それは良かった。」
疲れ切っているはずなのに、笑顔があまりにかっこよくて。あー、これはやばい、全力で惚れ直した直後に、これは、絶対ダメなヤツ……。
「 名取、顔が赤いが、もしかして熱中症ではないだろうな?」
水分はこまめに摂っていたのか、とか、日向にばかりいてはダメだ、とか、本気で心配してくるのが余計に気恥ずかしい。
「あー、もう、大丈夫だから!」
「ならん、ならんよ! こういうのは油断が1番の敵なのだからな!」
と言いながら、ぽん、と私の頭に手を置いた。当たり前だ、と言わんばかりの、自然な動作で。
「!!??」
「……やはり髪が熱いな。まさか、帽子を被ってなかったのか?……む? どうしたのだ?」
何も考えていないのだろうが、されたこっちはたまらない。なぜ彼の手は私の頭にとどまったままなのだろう? 史上最大に挙動不審なのはわかっているけれど、動揺を隠せない。
「東堂さん、手、手ですよ!」
「手? ……あ。」
ナイス後輩、いや、ナイスではないのか? 挙動不審の理由がそれだなんて、意識していることがバレバレだ。穴があったら入りたい。
「名取……」
「な、何?」
少し気まずさを感じながらも応える。やや低めのトーンが、私を不安にさせた。
「……撮った写真、今日でなく、今度、じっくり見せてもらえたりしないだろうか?」
「……ん? 良いよ。」
やけに神妙に話した割に、どうってことない内容に思える。もちろん、また話す機会が出来たのだから、嬉しくはあるのだが。
なんて、少し気勢がそがれたのだけれど。
「幸い、明後日は祝日だし、部活も休みだ。もし良ければ……」
「!」
東堂らしく私を真っ直ぐに見つめる、が、その表情は決していつも通りなんかじゃない。だって、こんな、瞳 、見たことない。
「明後日は何もないよ。」
「……! そうか、それなら……ああ、いつか名取、行ってみたいと言っていた店があっただろう。」
「もしかして、駅の南口から出たところにある……」
「そう、それ!」
覚えていてくれたんだ、と、思わず頬が緩む。正直かなり嬉しい。
「東堂さん、そろそろ……」
「おお、そうだな。名取、表彰式も見ていてくれよ!」
ではまたなー! と言ってステージへ向かう東堂に、小さく手を振る。心臓がうるさい。ああ、これからまた直ぐにシャッターチャンスがあるというのに、手が少し震えている。だけど。
私は、高鳴る胸に駆り立てられるままに、今日最後の撮影のため、走っていった。
「尽八、機嫌が良いな。何かあったのか?」
「実は明日、名取と出掛けることになってな!」
「へぇ、良かったな。名取ちゃんって、アレだろ、昨日のレース見に来てくれるって言ってた子だろ?」
「ああ!」
「尽八、張り切ってたもんな。レースも大差つけて優勝したって聞いたぜ。」
「ふっ……。まさか、名取の前で格好悪いところは見せられんからな!」
「こけちまえば良かったのによォ」
「おい荒北! 縁起でもないことを!」
その日を境に、私は、事あるごとに彼を写真に収めるようになった。
[ キリ撮リ: 東堂尽八 ]
きちんといつも通りの時間に起床し、いつも通りの電車に乗ることが出来た私は、いつも通りのスピードで歩いて登校した。……つもりだったんだけど。
校門をくぐった時に、はっと気づいて腕時計を見ると、24分を指していた。
思ったより早く歩いて来てしまったようだ。到着予定時刻はあと4分後だったのに。朝練を終えた東堂に偶然を装って下駄箱で話しかけるのは、残念ながら難しそうである。
東堂は、2年生の時のクラスメイトだった。始めは、ああ、あの有名な人、ぐらいしか思わなかったけれど、偶然にも席が隣になり、仲良くなった。私はどちらかというと男子の方が気が合うタイプで、周りが女子らしい女子ばかりだったあの席では、彼の存在には非常に助けられた。
残念ながら、今年はクラスが離れてしまったので、
「とーどー、今日の数学の宿題ってどこだったっけ?」
「全く……。問34から39だ。まだ終わっていないのなら、かなり急がねばならんぞ。」
「マジか、めっちゃ多いじゃん……。終わるかな……。」
「だからいつも教科書は持って帰れと!」
「わー、ごめんなさい、反省してます、反省してます、だから写させてぇぇぇーー!」
……なんてやり取りをしていたのが死ぬほど懐かしい。
かなり仲が良かったとはいえ、ただの友達、しかも男女。クラスが別になった今、殆ど関わりがないのが現実である。
だから、朝に下駄箱で会えるかどうか、というのは私にとって死活問題だった。ーーそう、彼に恋する私にとって。
自覚したのはクラス替えの後だった。今まで当たり前のように感じていた存在は、思ったより特別な人になっていたらしい。気付くのが遅い、もっと早くに気付いていたら……そう思わずにはいられなかった。私は、どうにかこうにか彼の記憶に残ろうと足掻く他なかった。
「朝の☆ドッキリバッタリ遭遇作戦」の失敗に溜息をつきながら、下駄箱を開ける。と、
「おはよう、名取! どうした、朝から溜息なんかついて。幸せが逃げてしまうぞ!」
「っ!?」
振り向くと、通常運転の東堂がいる。あれっ、なんか早くない?
「……おはよ、東堂は朝からうるさいねー。」
「む、憎まれ口を叩くだけの元気があるのなら大丈夫だな。」
「その判断基準はやめようか!」
うっわ、やっばい、想定外、私ツイてる、ていうか話しかけてくれたしなんか気遣ってくれた、なんて動揺しているのは全力で隠して、私も平常運転。
「そういえば、今度出るって言ってたレース、いつだったっけ?」
「来週の日曜日だ。もしかして来てくれるのか?」
「まあね。写真撮るけど、OK?」
「ふっ……もちろん構わんよ。なにしろこの美形だからな! 撮りたくなる気持ちも」
「って、他の人達に聞いといてね。」
「相変わらず非情だな!?」
いえい、と笑顔でサムズアップしておく。今度のレースは、割と近くでの開催なのだ。下見もできるから嬉しい。
「まあ、名取に写真を撮られて嬉しくないやつはいないだろうな。いつか見せてくれた海の写真、コンテストで入賞したんだろう?」
「大したことないよ。」
「有名なコンテストだと聞いたぞ? 社会人も応募するとか。」
「たまたまだよ、たまたま。」
なんでこうも可愛げのない受け応えをしてしまうのだろう。ありがとう、とすら言えない。本当はめちゃくちゃ嬉しいのに。ああ、もう教室だ。
「じゃあ、またね。」
「ああ。」
にっ! と笑う彼は今日も美形で。うーん、日曜日が待ち遠しい。
(やっと着いた……!)
待ちに待ったレース当日。下見で決めた位置にようやく到着し、カメラを調節する。良い天気だ。光量は十分だから、シャッター速度を上げても暗くはならないだろう。
数枚、景色やギャラリーの写真を試しに撮ってみる。
(うん、イイ感じ)
万全であることを確認した私は、選手が来るのを、というか東堂が来るのを、ひたすらに待つ。
ーーそしてその瞬間が来た。
見えた、と脳が反応して直ぐにシャッターを押さえる。連写の音が無機質に響く。ファインダー越しに彼が見える。自転車を追いかけてカメラを動かす。ああ、後ろ姿まで綺麗だ。
見えなくなったのを確認し、構えるのをやめ、ふぅ、と息をついた。一瞬のことだった。でも、スタート地点での写真を諦めてここまで来た甲斐はあったと思う。
他の選手も申し訳程度に撮った後、ゴールへ向かうバスに乗り込む。写真を確認すると、我ながら、どの写真もかなりよく撮れているように思えた。特に東堂のは、真剣な表情は見る人を惹きつける力を感じるし、ポーズや構図にも勢いがある。スポーツのフォトコンテストに出すのもいいかもしれない。
バスにわっせわっせと揺られて着いた頂上には大量のギャラリーがいた。何とか場所を確保して、もう一度カメラを構えて、じっと待つ。周囲がそわそわし始めたから、多分もう少ししたら来るのだろう。
東堂、先頭にいるかな、先頭だったら撮りやすそうだけどな、と思ったとき、「来たぞ!」と言う声が聞こえた。カメラを構える手に力が籠もる。
東堂は先頭をぶっちぎっていた。
よしきた!とシャッターを切る。こっちを見もしない横顔が最高にいい。ほんの一瞬なのに、少し開いた口元、ふくらはぎに浮いた筋、ほほを伝う汗まで見えた気がした。
そしてゴールした瞬間、彼は両手を広げ、空を仰いだ。景色がゆっくり動いていて、時が止まったような気分になった。最後の一枚を撮り終えた私は、ゴールをくぐった彼を見つめた。
山神、という言葉が、すとんと胸に落ちてきた。頂上でのあの輝きは、一体何なのだろう。今まで見たどの彼よりもキラキラして見える。
少しの間呆然としていた私は、女子の歓声を聞いて漸く我に返った。そうだ、東堂のところに行かなくては。
彼はすぐに見つかった。私が話しかけられず遠巻きに見ていると、気付いて手を振ってくれた。
「見てくれていたのか?」
「もちろん。写真もばっちり。」
「それは良かった。」
疲れ切っているはずなのに、笑顔があまりにかっこよくて。あー、これはやばい、全力で惚れ直した直後に、これは、絶対ダメなヤツ……。
「 名取、顔が赤いが、もしかして熱中症ではないだろうな?」
水分はこまめに摂っていたのか、とか、日向にばかりいてはダメだ、とか、本気で心配してくるのが余計に気恥ずかしい。
「あー、もう、大丈夫だから!」
「ならん、ならんよ! こういうのは油断が1番の敵なのだからな!」
と言いながら、ぽん、と私の頭に手を置いた。当たり前だ、と言わんばかりの、自然な動作で。
「!!??」
「……やはり髪が熱いな。まさか、帽子を被ってなかったのか?……む? どうしたのだ?」
何も考えていないのだろうが、されたこっちはたまらない。なぜ彼の手は私の頭にとどまったままなのだろう? 史上最大に挙動不審なのはわかっているけれど、動揺を隠せない。
「東堂さん、手、手ですよ!」
「手? ……あ。」
ナイス後輩、いや、ナイスではないのか? 挙動不審の理由がそれだなんて、意識していることがバレバレだ。穴があったら入りたい。
「名取……」
「な、何?」
少し気まずさを感じながらも応える。やや低めのトーンが、私を不安にさせた。
「……撮った写真、今日でなく、今度、じっくり見せてもらえたりしないだろうか?」
「……ん? 良いよ。」
やけに神妙に話した割に、どうってことない内容に思える。もちろん、また話す機会が出来たのだから、嬉しくはあるのだが。
なんて、少し気勢がそがれたのだけれど。
「幸い、明後日は祝日だし、部活も休みだ。もし良ければ……」
「!」
東堂らしく私を真っ直ぐに見つめる、が、その表情は決していつも通りなんかじゃない。だって、こんな、
「明後日は何もないよ。」
「……! そうか、それなら……ああ、いつか名取、行ってみたいと言っていた店があっただろう。」
「もしかして、駅の南口から出たところにある……」
「そう、それ!」
覚えていてくれたんだ、と、思わず頬が緩む。正直かなり嬉しい。
「東堂さん、そろそろ……」
「おお、そうだな。名取、表彰式も見ていてくれよ!」
ではまたなー! と言ってステージへ向かう東堂に、小さく手を振る。心臓がうるさい。ああ、これからまた直ぐにシャッターチャンスがあるというのに、手が少し震えている。だけど。
私は、高鳴る胸に駆り立てられるままに、今日最後の撮影のため、走っていった。
「尽八、機嫌が良いな。何かあったのか?」
「実は明日、名取と出掛けることになってな!」
「へぇ、良かったな。名取ちゃんって、アレだろ、昨日のレース見に来てくれるって言ってた子だろ?」
「ああ!」
「尽八、張り切ってたもんな。レースも大差つけて優勝したって聞いたぜ。」
「ふっ……。まさか、名取の前で格好悪いところは見せられんからな!」
「こけちまえば良かったのによォ」
「おい荒北! 縁起でもないことを!」
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