NRC在学中
「わー! なにこれ!」
監督生がバイトでモストロ・ラウンジに来ると、そこにはフロイドが小さくなったぬいぐるみのような不思議な生き物がいた。
「あー、小エビちゃん」
「あれ? いつものウツボ先輩がいる。じゃあ、このぬいぐるみ風の生き物は何?」
「これはねぇ、ツムって言うんだよ」
「ツム?」
監督生はフロイドから説明を受けた。
「えーっと、つまりこのツムは突然現れてどこから来たのかも正体もよく分からない……と」
「うん、そ~」
監督生がフロイド似のツムをじっと見た。
「……まるっところっとしてて超可愛い」
すると、フロイド似のツムが監督生の足元に来た。
「うん? どうしたの?」
監督生がツムの目線に合わせようとしゃがみこむと、フロイド似のツムがピョンと跳ねた。
すると、ふにっと監督生の唇に柔らかい感触がした。
何が起きたのか一瞬分からなかった監督生の横からまるで地獄から響いてるような低い声がする。
「ブッ殺す」
マジカルペンを構えて魔法をツムにぶっ放すフロイドだが、ツムは器用に跳ねてフロイドの魔法を躱す。
「あっぶね!」
「ぎゃー!!」
代わりにモストロ・ラウンジにいる店員と客に被害がいっていた。
「これは一体何事ですか?!」
騒ぎを聞きつけて来たアズールが慌てている。
「あー、ウツボ先輩似のツムがあたしにキスして何故かウツボ先輩がキレた」
「監督生さんはツムにキスされて平気なんですか?」
「だって犬とか猫とかがじゃれたようなものじゃない?」
ジェイドに質問されて答えた当の本人はケロッとしているが、フロイドはブチキレている。
「監督生さん、早くフロイドを止めてください!」
「対価は? あたし、ナイトレイブンカレッジ内ではボランティアしないわよ」
「……何がお望みです?」
「お給料アップ!」
「いいでしょう!」
「わーい!」
喜びながらフロイドの方へ走った監督生は大きく息を吸った。
「フロイド!」
「っ?! 小エビちゃ……」
いつもは『ウツボ先輩』と呼ぶ監督生が珍しく『フロイド』と名を呼んだことでフロイドの意識が監督生の方へ向いた。
そしてそのチャンスを活かして監督生はフロイドの襟元を掴み、フロイドにキスをした……ただし、唇の横の方にだが。
「あーもう! 背が高すぎ! 少しくらい縮め!」
「……小エビちゃん?」
「あたしが自分からキスするのはあなただけなんだから細かいことは気にするな!」
キレて表情が抜け落ちていたフロイドの顔に喜びに満ちた笑みが広がる。
「小エビちゃん、大好き!」
フロイドは監督生を抱き締めた。
「知ってるわ」
「キスしていい?」
「駄目。先に暴れて散らかった片付けしてから」
「えー」
「別に片付けしなくてもいいわよ。その代わり、キスもなし」
「……片付けやる」
「よしよし、偉い偉い」
背伸びした監督生に頭を撫でられてフロイドは幸せそうに笑った。
そして周囲にいた店員と客は思った。
(ケッ、このリア充野郎が!! イチャイチャしやがって!!)
その日のモストロ・ラウンジではブラックコーヒーが超売れた。
監督生がバイトでモストロ・ラウンジに来ると、そこにはフロイドが小さくなったぬいぐるみのような不思議な生き物がいた。
「あー、小エビちゃん」
「あれ? いつものウツボ先輩がいる。じゃあ、このぬいぐるみ風の生き物は何?」
「これはねぇ、ツムって言うんだよ」
「ツム?」
監督生はフロイドから説明を受けた。
「えーっと、つまりこのツムは突然現れてどこから来たのかも正体もよく分からない……と」
「うん、そ~」
監督生がフロイド似のツムをじっと見た。
「……まるっところっとしてて超可愛い」
すると、フロイド似のツムが監督生の足元に来た。
「うん? どうしたの?」
監督生がツムの目線に合わせようとしゃがみこむと、フロイド似のツムがピョンと跳ねた。
すると、ふにっと監督生の唇に柔らかい感触がした。
何が起きたのか一瞬分からなかった監督生の横からまるで地獄から響いてるような低い声がする。
「ブッ殺す」
マジカルペンを構えて魔法をツムにぶっ放すフロイドだが、ツムは器用に跳ねてフロイドの魔法を躱す。
「あっぶね!」
「ぎゃー!!」
代わりにモストロ・ラウンジにいる店員と客に被害がいっていた。
「これは一体何事ですか?!」
騒ぎを聞きつけて来たアズールが慌てている。
「あー、ウツボ先輩似のツムがあたしにキスして何故かウツボ先輩がキレた」
「監督生さんはツムにキスされて平気なんですか?」
「だって犬とか猫とかがじゃれたようなものじゃない?」
ジェイドに質問されて答えた当の本人はケロッとしているが、フロイドはブチキレている。
「監督生さん、早くフロイドを止めてください!」
「対価は? あたし、ナイトレイブンカレッジ内ではボランティアしないわよ」
「……何がお望みです?」
「お給料アップ!」
「いいでしょう!」
「わーい!」
喜びながらフロイドの方へ走った監督生は大きく息を吸った。
「フロイド!」
「っ?! 小エビちゃ……」
いつもは『ウツボ先輩』と呼ぶ監督生が珍しく『フロイド』と名を呼んだことでフロイドの意識が監督生の方へ向いた。
そしてそのチャンスを活かして監督生はフロイドの襟元を掴み、フロイドにキスをした……ただし、唇の横の方にだが。
「あーもう! 背が高すぎ! 少しくらい縮め!」
「……小エビちゃん?」
「あたしが自分からキスするのはあなただけなんだから細かいことは気にするな!」
キレて表情が抜け落ちていたフロイドの顔に喜びに満ちた笑みが広がる。
「小エビちゃん、大好き!」
フロイドは監督生を抱き締めた。
「知ってるわ」
「キスしていい?」
「駄目。先に暴れて散らかった片付けしてから」
「えー」
「別に片付けしなくてもいいわよ。その代わり、キスもなし」
「……片付けやる」
「よしよし、偉い偉い」
背伸びした監督生に頭を撫でられてフロイドは幸せそうに笑った。
そして周囲にいた店員と客は思った。
(ケッ、このリア充野郎が!! イチャイチャしやがって!!)
その日のモストロ・ラウンジではブラックコーヒーが超売れた。
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