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NRC在学中

「海賊……死ぬほど似合わないですね」
 去年のハロウィンでハーツラビュルは海賊だったことを聞いた監督生はズバッと言い放った。
「そ、そんなにかい?」
「普段のリドルさんは上品な言葉と振る舞いなので、乱暴な言葉や振る舞いが想像できなくて脳がバグります」
 監督生からいつも上品だと言われてリドルは少し照れた。
「それにあたしの世界には紳士的な海賊っていましたよ」
「紳士的な海賊?」
「はい。海賊の船長さんだったんですけど、お酒よりもお茶を好んで飲み、海賊には珍しく手下に厳しい掟を課したんです」
 厳格の精神に基づくハーツラビュル寮の寮長であるリドルは厳しい掟を定めた海賊に興味を持ったようだった。
「へぇ、そんな海賊がいるんだね。ボクと気が合いそうだ」
「多分リドルさんはその海賊が好きになると思いますよ。女子供には乱暴してはいけないとか、消灯時間は20時だとか荒くれ者とは程遠いくらい道徳的なので」
「うん。その海賊に興味が湧いたよ。詳しく教えてくれるかな」
「はい、よろこんで」
 こうしてハロウィーンの夜は更けていく。
 年に1度の特別な日をキミと一緒に……。
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