第1話:始まりのプロローグ
強制ワープによってフェンリアを退場させ…ケルベリウスは部屋に取り付けてある鏡を見て身だしなみを整えていた。
「かっわいい息子との再会ですっかりニヤケ顔だぜ〜!魔王会議の前にキメ顔に戻さねえと!」
「しかしなぜゆえ、ケルベリウス様のお子さんが勇者に?あなた様は魔王だというのに」
「魔王の血が混ざってても、聖なる勇者の力もしっかり目醒めたんだよ!すっごいな俺の子!!」
「そういえば先程のケルベリウス様、途中まで普段と全然違う口調で話していましたけど……息子さんの前でカッコつけていたんですか?」
「そういやおまえ、さっき俺の子に『こざかしいガキ』とか言ったなぁ?」
「そ、それはー」ーズドォォォッッ!!!!!
「ぐわぁぁ!!!?また!?」
「魔王っ!!僕と戦え!!!」
再度現れたフェンリアにまたもや攻撃魔法を放たれ、魔物のほうだけが先程同様床に転がった。
「痛ぁぁ…飛ばされたのにどうやって…」
「この城の入り口に転移魔法陣を書いておいたんだ。ワープくらい僕にもできるってことだよ……魔法書も使わないとだけど…」
「フェンリア~!もうお父さんに会いたくなっちゃった?しょうがない子だなぁ!」
ケルベリウスはすかさずフェンリアの頭をくしゃくしゃと撫でる。
「離せっつの!勇者相手に馴れ馴れしくするなアホイヌ魔王!!」
「親子のスキンシップに魔王も勇者も関係無いって~!」
「なるほどぉ、転移魔法陣と魔法書で足らない魔力を補っているわけですか…」
「自分で魔法陣を描けちゃうなんてすっごいなぁ!ちゃんと勉強してんだなぁ!えっらいな俺の子!」
「いいんだよっ!そういうくだらない事は!!それよりアンタ…なんでハロディノ王国を裏切った……魔王になっちゃうなんて…」
「いやぁ父さんにも色々あってさ、裏切ったというか元から…詳しくは母さんに聞いて!」
「色々ってなんだよ!それに母さんは…」
「じゃあもう一回転送~!魔方陣はこっちで消しとくな~!」
「ふっざけんなぁぁぁ!!!」
ケルベリウスは二度目の強制ワープを終えると先程見ていた鏡に手をかざした…すると鏡に城の外の様子が映し出される。
「お、コレがフェンリアの魔法陣か!上手に描けてるなぁ!!できれば消したくないけど、魔王会議中は危険だから仕方ねえ…」
「お子さんが勇者ですもんね、他の魔王様方に知られたら厄介でしょう……しかしよく似ていらっしゃる、やはり親子ですなぁ」
「おお!良いこと言うな~…………ところでおまえ、名前なんだっけ?」
「ギャーゴイルですが…」
「じゃあギャーゴな、覚えといてやるよ」
「ありがたき幸せです……お仕えしてもう5年くらいになるのですがね…」
「さて面倒だが会議に行くか、ギャーゴはこの部屋掃除しとけ」
「かしこまりました〜」
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