5月 地歩(夢主視点)
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おまけ
待ち構えていた人の話。
もうすぐ家に着くというあたりで、ブブ、とポケットに入ったレイの携帯電話が震えた。画面には『黒川花』と表示されている。
山本が「出ていいぜ」と言うので出てみたら。
「ちょっと。あんたいつになったら私に報告するの?」
「え?」
怒っているというより不貞腐れているような花の声が聞こえる。何か報告するようなことはあっただろうか。
呆れたような「分かんないのかぁ……」という花の声に困惑していると、山本がひょいっとレイの手から携帯電話を取り上げた。そして勝手にスピーカーモードにして、声を出してしまう。
「よ、黒川」
「うわ、あんたいたの?最悪」
山本の声を聞いた花が露骨に嫌そうな声を出す。一方、山本は全く気にしていない。むしろ楽しげだ。
「なんでレイにかけたのにあんたと話さないといけないのよ」
「いいじゃねぇか、元並中生の仲だろ?」
「大した仲じゃないでしょ。ていうか、聞きたいことあって電話かけてんの」
「聞きたいことも何も、そういうことだって。お前もう分かってるだろ?」
「私は分かった上でレイの口から聞きたいのよ。さっさと変わって」
苛立っている花を相手に、山本はへらへらと笑っている。
小気味いいテンポで会話が繰り広げられているが、レイはついていけない。
だってさ、と山本は携帯電話をレイに返した。
受け取りながらも、何を求められているのかよく分からずに「花?」と呼べば、スピーカーからため息が流れた。
「レイ」
「ああ」
「あんた、山本に告白したのかされたのか知らないけど、成立したならちゃんと言いなさいよ」
「え、なんで知って」
「知らなかったけど!そろそろ進展してるだろうと思ってかけたの」
すごい、とんでもなく勘がいい。
「すごいな、花」
「何褒めてんのよ……。あのね、前に『応援してる』って言ったでしょ?」
「うん」
「だから、あんたは私に教える義務があるの!」
「ご、ごめん。ボクから『好きだ』って言った」
「えっ……、ああ、うん、そう、なんだ……」
素直に謝って伝えたというのに、今度は怒りから一転して微妙な反応が返ってきた。もうどう返したらいいのか分からない。
助けが欲しくて山本を見れば、彼は彼で妙な顔をしている。嬉しそうな照れているような、声を上げて笑いだしそうな顔だ。
「ちょっと、山本」
花の声に山本が笑いをこらえながら「どうした?」と返す。
「楽しい?」
「おう!」
「……それなら何より」
花のその言葉に、山本は「おかげさまでな!」と嬉しそうに笑った。
待ち構えていた人の話。
もうすぐ家に着くというあたりで、ブブ、とポケットに入ったレイの携帯電話が震えた。画面には『黒川花』と表示されている。
山本が「出ていいぜ」と言うので出てみたら。
「ちょっと。あんたいつになったら私に報告するの?」
「え?」
怒っているというより不貞腐れているような花の声が聞こえる。何か報告するようなことはあっただろうか。
呆れたような「分かんないのかぁ……」という花の声に困惑していると、山本がひょいっとレイの手から携帯電話を取り上げた。そして勝手にスピーカーモードにして、声を出してしまう。
「よ、黒川」
「うわ、あんたいたの?最悪」
山本の声を聞いた花が露骨に嫌そうな声を出す。一方、山本は全く気にしていない。むしろ楽しげだ。
「なんでレイにかけたのにあんたと話さないといけないのよ」
「いいじゃねぇか、元並中生の仲だろ?」
「大した仲じゃないでしょ。ていうか、聞きたいことあって電話かけてんの」
「聞きたいことも何も、そういうことだって。お前もう分かってるだろ?」
「私は分かった上でレイの口から聞きたいのよ。さっさと変わって」
苛立っている花を相手に、山本はへらへらと笑っている。
小気味いいテンポで会話が繰り広げられているが、レイはついていけない。
だってさ、と山本は携帯電話をレイに返した。
受け取りながらも、何を求められているのかよく分からずに「花?」と呼べば、スピーカーからため息が流れた。
「レイ」
「ああ」
「あんた、山本に告白したのかされたのか知らないけど、成立したならちゃんと言いなさいよ」
「え、なんで知って」
「知らなかったけど!そろそろ進展してるだろうと思ってかけたの」
すごい、とんでもなく勘がいい。
「すごいな、花」
「何褒めてんのよ……。あのね、前に『応援してる』って言ったでしょ?」
「うん」
「だから、あんたは私に教える義務があるの!」
「ご、ごめん。ボクから『好きだ』って言った」
「えっ……、ああ、うん、そう、なんだ……」
素直に謝って伝えたというのに、今度は怒りから一転して微妙な反応が返ってきた。もうどう返したらいいのか分からない。
助けが欲しくて山本を見れば、彼は彼で妙な顔をしている。嬉しそうな照れているような、声を上げて笑いだしそうな顔だ。
「ちょっと、山本」
花の声に山本が笑いをこらえながら「どうした?」と返す。
「楽しい?」
「おう!」
「……それなら何より」
花のその言葉に、山本は「おかげさまでな!」と嬉しそうに笑った。
